債権回収の民事訴訟を起こす上で抑えておきたい知識まとめ|ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)
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債権回収の民事訴訟を起こす上で抑えておきたい知識まとめ

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 弁護士
監修記事
債権回収の民事訴訟を起こす上で抑えておきたい知識まとめ

法的手段による債権回収の中でも、民事訴訟が一番ハードルの高い債権回収方法だと思っている方は多いでしょう。実際のところ、訴訟の内容にもよりますが、争点があった場合、1年以上の期間を要する場合は珍しくありません。

しかしながら、同時に民事調停、支払督促、少額訴訟と比べ一番、確実に債権を回収できる方法です。今回の記事では、債権回収を行う上での民事訴訟のメリット・デメリット、手続きの手順や費用についてまとめました。

民事訴訟をご検討中の方へ

なかなか債権が回収できず、民事訴訟を検討している方もいるのではないでしょうか。

ただ民事訴訟は数ある債権回収の方法の中でも、ハードルの高い方法です。

 

民事訴訟を検討中の方は、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします。

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  • 自身の状況に適した解決策を教えてもらえる
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債権回収で民事訴訟を利用するメリット・デメリット

では早速ですが、債権回収を行う上で、民事訴訟を利用するメリットについて解説していきます。

民事訴訟を利用するメリット

強制的に白黒をつけることができる

まず、訴訟手続きなど法的手段による債権回収における、第一のゴールは判決という名の債務名義を取得することだという認識を持ってください。債務名義とは、公的に債権を示すために必要な証書であり、債務者へ強制執行をする際に必要になります。
 
民事調停、支払督促などの法的手段を用いることで債務名義を取得することも可能ですが、手続きの途中で訴訟へ移行せざるおえないケースは珍しくありません。

民事訴訟は、法的手段の中でも、ある種の最終手段であり、裁判所の判決によって債務名義が取得できるか否か、白黒つけることができます。
 
債権者側に落ち度がなければ、勝訴となる可能性が高いことから、他の法的手段と比べ債務名義を取得するための確実性は高い点が、民事訴訟を利用するメリットの一つです。

債務名義が強力

民事訴訟で取得できる債務名義には仮執行宣言付判決と確定判決の二つに分かれますが、どちらの債務名義を取得しても差し押さえの強制執行を申立てることが可能です。また、確定判決を取得することで時効期間の短い債権(2020年4月以降に発生した債権に関しては、時効は一律5年に変更されました。なお、残業代請求の時効に関しては当面3年となっております。)でも消滅期間を10年間に延ばすことが可能です。

参照:「強制執行停止の申立の手順と手続きにおける2つの注意点

公示送達が利用できる

民事訴訟では債務者の住所が不明の場合でも、債務者の住所へ訴状の副本が裁判所から送られたことを前提(公示送達)に、訴訟の手続きを進めることができます。

支払督促や民事調停では、債務者の住所を管轄する裁判所で手続きが行われるため、債務者の住所がわからないと手続きが利用できません。

債権者の住所を管轄する裁判所を指定できる

さらに、民事訴訟では手続きを行う裁判所を、債権者の住所を管轄している裁判所へ指定することが可能です。管轄の裁判所に関しては、「③管轄する裁判所の確認」にて詳しく後述いたします。

和解に応じるケースが多い

民事訴訟と聞くと、法廷をイメージされる方が大半だと思いますが、裁判所では当事者が和解する方向で話を進めることが一般的です。また債務者側が裁判沙汰を嫌がることから和解で解決するケースは珍しくありません。

民事訴訟を行うデメリット

次に民事訴訟において債権回収を行うデメリットについて触れていきます。

時間と労力

民事訴訟における一番のデメリットは、手続きに要する手間と時間です。早期の段階で和解に持ち込めれば、早ければ1~2カ月で案件が片付く場合もありますが、裁判まで発展した場合は、半年~1年間の期間が必要になるでしょう。
 
特に、証拠書類に不備がある、債権者側に落ち度があるなど、争点になる原因があった場合、裁判が長引くことがあります。

費用

また、申立費用が高額であることも、デメリットの内の一つです。民事訴訟における申立費用は、民事調停や支払督促と比べてハードルの高い法的手段だと思われる要因の一つでもありますが、回収できる債権の金額によっては割に合いません。
 
もちろん申立費用は、訴訟費用として債務者に請求することは可能ですが、敗訴になった場合は自己負担です。申立費用に関しては、「④訴状の提出」にて詳しく後述いたします。

債権回収における訴訟手続きの手順

民事訴訟を介して債権を回収するまでの流れを確認していきましょう。

①訴状の準備

まず、最初のステップとして、訴訟の申立の準備を行いますが、訴状を作成しましょう

訴状の雛形

訴状を作成する際に、以下のテンプレートを参考にしてください。

訴状

平成○年○月○日
○○地方裁判所 民事部 御中
 

原告 株式会社アシロ
代表者 アシロ太郎

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

売買代金請求事件
訴訟物の価格 金○○万円
貼用印紙額 金○○円
 

第1 請求の趣旨

1 被告は、原告に対し、金○万円及び、これに付随する平成○年○月○日から支払い済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする
との判決及び、仮執行の宣言を求める。
 

第2 請求の原因

1 原告は、備品を製造する事業者であり、被告は販売代理店として備品を販売する事業者である。
2 原告は、被告から依頼を受け、外注先として継続的に、被告が顧客から受注した備品の製造を請負、仕事を完了してきた。完了した業務は以下の通りであり、その業務の残売掛代金合計○万円が支払われていない(甲第1号証,甲第2号証)
 
契約日 平成○年○月○日
仕事の現場 株式会社アシロ 第4工場
日数 平成○年○月○日から同年同月○日
仕事の完成日 平成○年○月○日
 
3 原告は,被告に対して請求書を送付したが、訴訟提起に至るまで支払はなかった(甲第2号証)
 
4 よって、原告は被告に対し、売掛代金○万円及び、これに対する支払期限の翌日である平成○年○月○日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員の支払いを求める。
 

証拠方法

1 甲第1号証 請求書の写し
2 甲第2号証 売買契約書
 
附属書類
1 訴状副本   1通
2 甲号証写し 各1通
3 資格証明書 1通
 

上記の訴状のテンプレートはあくまで参考程度に、より正確な訴状を作成する際は、弁護士など専門家へ相談しましょう。また、当事者目録は以下の通りになります。

当事者目録

(原告)
住所
原告 株式会社アシロ
代表 アシロ太郎
(送達場所)
住所
株式会社アシロ
経理部経理課 (担当 ○○)
TEL:○○○-○○○-○○○○
 
(被告)
住所
被告 株式会社あしろ
代表 あしろ次郎
TEL:○○○-○○○-○○○○
 

②証拠の準備

訴状を作成したら、今度は申請書の添付書類として証拠の準備を行いましょう。契約書、手形、借用書、領収書、納品書などを証拠として提出するのが一般的ですが、それぞれの書類には正本と副本が必要になります。

原則、提出する証拠には規定がないため、捺印や日付が欠けている書類であれ、証拠となるものは全て提出してください。

効果的な証拠

また、債務者の捺印・署名が入った書類や債務者側から提出された書類は、訴訟において証拠として有力です。

③管轄する裁判所の確認

証拠の準備が完了したら、申立先の裁判所の確認を行いますが、裁判所の管轄は「事物管轄」、「土地管轄」の二つに分けて考えます。

事物管轄

事物管轄とは、訴訟の内容によって裁判所の種類を決める管轄であり、債権回収においては、訴訟額が140万円未満の場合は簡易裁判所、140万円以上であれば地方裁判所が管轄です。

土地管轄

土地管轄とは訴訟を行う裁判所の地域を決めるための管轄になります。通常は債務者の住所を管轄する裁判所、もしくは債権者の住所を管轄する裁判所で訴訟が行われますが、申立をする原告(債権者)の住所を管轄とする裁判所を指定することが可能です。

契約書に管轄の指定が合った場合

しかしながら、訴訟の原因となった契約書などに管轄の指定が記載されていた場合は、指定された裁判所で訴訟手続きを行わなければなりません。

④訴状の提出

裁判所の場所が確認できたら、管轄の裁判所へ訴状を提出しましょう。

申立書類

申立書類としては、訴状、当事者目録、証拠書類、委任状(専門家へ委託する場合)、資格証明書が必要になります。訴状に関しては、正本として裁判所の提出用、副本として被告の人数分を用意しなければなりません。
 
訴状は郵送で提出することも可能ですが、提出書類に不備がないか裁判所からのチェックは厳しいため、直接、窓口に持っていくことをオススメします

裁判所費用

訴訟の申立をする際にかかる費用として、「収入印紙代」、「郵券切手代」、「証人への日当」を納めなければなりません。収入印紙代に関しては、訴訟の金額によって異なりますが以下の表を参考にしてください。

訴訟の目的価格

手数料

100万円以下

10万円につき1000円

100万円超、500万円以下

20万円につき1000円

500万円超、1000万円以下

50万円につき3000円

1000万円超、10億円以下

100万円につき3000円

10億円超、50億円以下

500万円につき10000円

50億円超

1000万円につき10000円

また郵券切手代に関しては、当事者の人数によって異なりますが、大体6000〜8000円程度が相場です。また、証人を召喚する場合、証人への日当として8200円に加えて交通費、滞在費がかかります。

⑤期日の連絡

申請書類が裁判所から正式に受理されたら、裁判所から裁判の期日を知らせるための通知が原告(債権者)、被告(債務者)の双方に郵送されます。

通知書には事件番号も記載されていますが、裁判当日に必要な番号になりますので、通知書はきちんと保管しておきましょう。また、債務者へは訴状の副本、呼出状、答弁催告状が送られますが、債務者は指定された期日までに答弁書を提出しなければなりません。

⑥-1和解

裁判所から、訴状の副本が郵送されることに驚かれる債務者(被告)は多いでしょう。裁判所が証拠調べの段階である程度、債権者(原告)の勝訴への見通しが立っている場合、裁判所から債務者へ和解を方向に勧められます。
 
もし、債務者が裁判を避けたいと意思表示をした場合、和解の期日が設けられますが、当日は裁判官室へ案内され、債権者(原告)と債務者(被告)が同席することはありません。

和解調書の作成

裁判官室では、それぞれの意見を聴取されますが、和解が成立した場合、和解調書が書記官によって作成されます。

和解調書には債務者の今後の弁済方法が記述されていますが、和解調書は債務名義であるため、債務者が調書の内容に従わなかった場合は、強制執行を申立てましょう。

⑥-2法廷での審理

裁判では、当事者の確認を行った後に本題に入るのが当日の流れです。その後、債務者(被告)の答弁書の内容に対する債権者(原告)からの認否、債権者(原告)の訴状に関して請求の内容、その原因となる事実に対する債務者(被告)からの認否が行われます。
 
裁判官は、訴状の内容の確認しながら債権者に対して訴状に関する質問を行っていきますが、明確に返答できることが大切です。

もし、債権に関わる重要な内容、答えが見当たらない場合は、「次回、準備書面にてまとめてまいります」と答えた上で、その内容に関する調査を行った上で書面を作成し提出しましょう。

⑦判決

もし、法廷にて訴状の内容に関して債務者が債権者の言い分を認めた場合、勝訴として判決を取得することができますが、裁判所からの問いかけに対して回答しない場合も同様です。

争点があった場合

反対に債務者から異論を唱えられた場合、債権者・債務者それぞれが準備書面により、言い分をまとめた書類を裁判所へ提出します。提出された書類は、裁判所から整理した上で事実認定が行われますが、裁判所からの判決に関する確信を得れば訴訟は完了です。
 
判決期日が指定されますので、判決が言い渡された上で、判決書が送達されます。

⑧控訴

もし、判決の内容が敗訴であった場合、判決書の送達から14日以内であれば控訴することができますが、判決に不満がある、第二審で勝訴に持っていける自信がある場合は、控訴を検討しましょう。

また、第二審で判決が覆るかどうかは、弁護士など法律の専門家へ意見を求めることをオススメします。

⑨強制執行

勝訴を勝ち取った場合、裁判所からの判決が債務名義になるため、債権者は、再び債務不履行が発生した場合、強制執行を申立てましょう。

強制執行手続きは、裁判所を介して強制的に債務者の資産(動産・不動産・債権)を差し押さえることができます。強制執行の手続きに関しては、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
 
【参照】
▶︎「強制執行の一連の流れと差押さえまでの手順の解説
▶︎「強制執行で差し押さえするために必要な知識と方法のまとめ

債権回収の訴訟手続きをスムーズに進めるなら弁護士に依頼するのがベスト

訴訟を介して債権の回収を図りたい方は、弁護士に依頼することをオススメします。

弁護士に依頼するメリット

高額な債権の回収が期待できる

その理由としては、高額な債権の回収が見込めることです。訴訟の申立後、訴状が債務者の元へ届きますが、代理人として弁護士の名前が記載されているだけで、こちら側の本気度が伝わります。

和解に応じる可能性も高くなるので、結果として裁判を長引かせない意味でも効果的です。

書類作成の委託

申立の際は、提出書類として訴状や当事者目録などの作成をしなければなりません。法律的な文言も含まれるため難しく感じるかもしれませんが、そういった書類作成を弁護士に委託できることも弁護士に依頼するメリットです。
 
法廷では裁判官から訴状の内容に関する問いかけが行われますが、債権者にとって有利な内容にするためにも、弁護士に書類作成を依頼する意味合いは大きいでしょう。

裁判への代理人

訴訟は、債務者との間に争点がある場合、長丁場になる傾向がありますが、長くなるほど負担は大きくなります。

弁護士には法廷における代理人から、裁判所への手続きも委託することができるため、手続きに伴う負担を軽減するためにも弁護士に依頼することは効果的です。

参考:「債権回収を弁護士に依頼するメリットと費用相場

訴訟を弁護士に依頼した場合の費用の相場

弁護士に債権回収に関する訴訟の依頼した場合の費用相場について紹介していきますが、弁護士費用には「相談料」、「着手金」、「報酬金」があります。

相談料

相談料は、弁護士と債権回収に関する相談をした際に発生する費用になりますが、1時間あたり5000円~1万円が費用の相場です。

着手金

着手金は、弁護士が訴訟の案件を引き受けた段階で発生する費用であり、裁判の結果に問わず必ず支払わなければなりません。訴訟の請求金額に応じて高額になりますが、費用の相場は請求金額の5~10%になります。

報酬金

報酬金とは、勝訴を勝ち取った場合、債務名義に記載された、債務者が弁済する債権額に応じて算出されますが、費用の相場は債権額の10~20%です。

弁護士の選ぶ上での基準

では実際に弁護士に依頼する際、何を基準に選んでいけばいいのでしょうか。

企業間の債権回収の実績

企業間における債権回収の訴訟の実績が豊富な法律事務所を選択してください。弁護士によって専門性は異なる上、企業のクライアントを専門としている法律事務所と、個人のクライアントを専門とする法律事務所で分かれるためです。
 
また、実績のある事務所かどうか見分けるためには公式サイトから、過去の債権回収の訴訟の実績などを参考にされるといいでしょう。

依頼主の目線にたってくれる弁護士

そして依頼主の目線に立って考えてくれる弁護士を選択することも大切です。依頼主によって現在の資産の状況から、債権、債務者の内容は異なりますが、それぞれに適した債権回収方法があります。
 
依頼主の利益を重視してくれる弁護士であるなら、訴訟に限らず必要であれば別の債権回収方法も提案してくれるでしょう。メール、電話、対面時などの対応から弁護士の人となりを判断することをオススメします。

より短期で確実に債権回収するなら

弁護士に相談・依頼することでご自身で債権回収するより、短い期間での解決が見込めます。また、回収のリスクを抑えた上でより確実に回収することができるでしょう。

もっと詳しく弁護士費用や依頼するメリットを見る

訴訟費用が心配な場合は少額訴訟|メリットもあるがリスクも多い

訴訟には、通常訴訟とは別に少額訴訟があります。

少額訴訟とは?

少額訴訟とは、金銭債権の回収目的でかつ60万円以下の訴訟金額を対象にした訴訟です。訴訟費用が低額であるため、訴訟費用や弁護士費用を心配するあまり訴訟に対して二の足を踏んでしまう債権者にとって適切な債権回収方法になります。

参考:「少額訴訟マニュアル|少額訴訟の手続き方法と費用徹底解説

債権回収を少額訴訟で行うメリット

少額訴訟を行うメリットは、訴訟と比べ費用が安い上に、手続きに時間がかからないことです。

少額訴訟の裁判所費用

裁判所費用に関しては、申立手数料(収入印紙代)として請求額の1%(上限6000円)、郵券費用として約4000円がかかるため、高く見積もっても1万円程度しかかかりません。

参考:「少額訴訟の費用相場と少額訴訟費用を安く抑える方法

手続きに時間を要しない

少額訴訟は、口頭弁論にて審理が行われますが、1回の審理で終了することが原則となっており、当日は1時間半から2時間程度で審理が完了するケースが多いようです。

債権回収を少額訴訟で行うデメリット

しかしながら、債務者が口頭弁論に応じなかった場合、そのまま通常訴訟へ移行することになります。また、少額訴訟は債務者の住所を管轄とする裁判所で行われるため、債務者の住所が不明の場合、申立が受理されません(公示送達が利用できない)。
 
また、金銭債権のみを対象としているので、訴訟と比べると制約が多いところが難点です。少額訴訟に関して、以下の記事を参考にしてください。

参照:「少額訴訟を弁護士に依頼するメリットと弁護士費用の相場

訴訟に頼らない他の債権回収方法も検討してみる

再三名称を挙げてきましたが訴訟以外の法的手段による債権回収方法には、民事調停、支払督促がありますが、訴訟と比べた時にどのような違いがあるのでしょうか。

民事調停

民事調停とは、債権者と債務者が調停委員の仲裁の元に、双方の意見をまとめ調停調書を作成するための法的手段です。調停調書は債務名義になるため、もし債務者が調書に従わない場合、強制執行を申し立てることができます。

民事調停のメリットは、弁護士を介す必要もなく、申立費用も低額なため費用が安い点と、手続きが完了するまでに時間を要さない点です。
 
しかしながら、債務者との意見がまとまらない場合や、債務者が調停の日に出廷しない場合は、手続きは成立しません。

支払督促

支払督促は、裁判所を介して債務者へ支払いの督促をしてもらうための手続きですが、同時に仮執行宣言付支払督促という債務名義を取得することを目的とした法的手段になります。

収入印紙代が訴訟の半額のため申立費用が安いことや、手続きが早く終わること、また仮執行宣言付支払督促が執行分が付与されているため強力な債務名義を取得できることが、支払督促を利用するメリットです。
 
しかしながら、支払督促の手続きを通して裁判所から債務者へ計2回、異議申立をする機会が与えられますが、債務者から異議申立をされた場合、訴訟へ移行しなければなりません。支払督促に関して、詳しくは下記の記事を参照にしてください。
 
【参照】
▶「支払い督促を介して仮執行宣言付支払督促を取得する方法
▶「支払督促とは|申立方法と手順や弁護士選びに必要な知識まとめ

まとめ

訴訟を介した債権回収は、時間や費用などのコストがかかることから、敬遠されがちですが、他の法的手段よりも債権の回収への確実性は高いことは間違いありません。

当記事を介して、訴訟に関するメリット・デメリットを考慮した上で、検討していただけたら幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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