依頼前の状況
依頼者は飲食店等を営む事業者で、新規店舗の開店に伴い、賃借物件を探していました。その中で不動産仲介業者に紹介され、気に入った物件があったため、不動産仲介業者に指示されるまま、仲介手数料や前家賃等を預け、契約を申し入れました。しかしながら、なかなか契約が前に進まず、不審に思った依頼者が物件のオーナーに直接確認したところ、既にその物件は他の事業者との間で契約が決まっていたということが発覚しました。依頼者は不動産仲介業者に急いで連絡を取りましたが、既に代表者とは連絡がつかなくなっており、預けたお金も持ち逃げされたことが判明しました。そこで、依頼者は何とかしてこの預けたお金を取り戻せないかということで弊所にご相談にいらっしゃいました。
依頼内容・対応と結果
ご依頼後、弊所では、即座に対策を立て、不動産仲介業者に対する損害賠償請求訴訟を提起するとともに、訴訟によって債権が回収できないリスクを低減するため、直ちに全国宅地建物取引業保証協会に対して苦情の申入れ及び弁済業務保証金の支払の認証を申し出ました。この弁済業務保証金の支払とは、宅建業者(=不動産仲介業者)との取引に関して生じた損害を、全国宅地建物取引業保証協会が代わりに補填してくれるという制度です。ただし、補填してくれる額は債権者からの申出順に1000万円までと決まっており、他の債権者が1000万円を超えて弁済を受けた場合には、この制度で弁済を受けることが出来なくなってしまいます。そのため、弊所では相談を受けた後、すぐにこの申し出を行いました。その結果、訴訟では債権を回収することができなかったものの、無事、全国宅地建物取引業保証協会より損害の全額を補填してもらうことができました。なお、本件では既に先順位の申出が1件ある状況であり、少しでも申出に遅れていれば、さらに申し出が増え、全額の回収ができなくなる恐れがあるケースでした。このように債権の回収においては、単に訴訟だけが回収の手段ではありません。事案に応じて、適切な選択肢を選ぶことが重要です。まずはどのような選択肢があるか弁護士にご相談ください。
この依頼を解決した事務所
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