企業間の取引では、商品やサービスの代金を現金決済することは稀だと言えます。
売掛金や受取手形を使い、月ごとに精算する形が一般的です。
売掛金も受取手形も、代金を請求できる権利そのものですから、もし支払いが滞ったときは、請求する必要があります。
ただし、売掛金を含む売掛債権は、請求できる期限が定められています。
期限内に商品やサービスの代金を請求しなければ、時効により請求の権利自体が消滅してしまうのです。
もし、時効が間近に迫ってきたときは、時効を中断させるよう行動を起こしましょう。
例えば、支払いに関する誓約書に署名捺印してもらうだけでも、時効を中断させることは可能です。
そもそも売掛金とは、いわゆるツケ払いのことです。
商品を売る側と買う側がその場で現金決済せず、例えば1か月分をまとめて月末に精算するような形をいいます。
手形と違い、売掛金には証書が発行されませんので、信用による取引形態とならざるを得ません。
このため、売り手と買い手が双方信用しあい、取り決めた約束事を果たす関係性が重要になるのです。
ビジネスの世界では、数多くの業種で売掛金が使われており、経理上も勘定科目として広く認知されています。
前述の通り、売掛金は信用取引ですから、支払いが実行されなければ売り手は買い手に請求しなければなりません。
まだ支払われていない代金を回収するためです。
その際、時効により請求権利が消滅しないよう気をつけましょう。
民法では、売掛金の時効を以下のように示しています。法改正により年数に差が生じている点は要注意です。
2020年4月以降に発生した売掛金:支払期限から5年 2020年3月以前に発生した売掛金:支払期限から2年
売掛金の時効が迫ってきたら、どのような対策をとればいいのでしょうか。以下に挙げるような方法で、できるだけ早く時効中断措置を行うことが重要です。
手段によっては弁護士のサポートが必要になりますから、早めの相談がとても大切になってきます。
支払督促は裁判所を通して債務者に支払いを求める方法です。
これにより時効が中断されます。
当事者同士の話し合いで解決しない場合は、裁判所に民事調停を申し立てます。
調停委員立ち会いの下での話し合いによる売掛金の回収を進めてみましょう。
債務者に、まだ支払われていない代金があることを、書面で認めてもらう方法もあります。
書面の形式は問いませんが、売掛金の存在を債務者が認めた場合、時効が中断されるのです。
また、売掛金の一部でもいいので、債務者に支払ってもらうことができれば、時効を中断できます。
以上の方法を試しても状況が改善されない場合や時効の期限が差し迫っている場合は、民事訴訟を起こして判決を得ることになります。
どの方法も債権者が独自に進めることが可能です。
しかし、裁判所を通した手続きの場合は特に、専門的な用語や書類準備が必要になってきます。
適切な回収方法の選択は、決して簡単なことではありません。
ぜひ、少しでも早く弁護士に相談し解決を目指しましょう。
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