『ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)』なら、無料相談はもちろん、平日19時以降・休日相談・電話相談可能な弁護士事務所も多数掲載中。まずはお気軽にご相談ください。
債権譲渡禁止特約とは、債権譲渡を禁止にするための契約です。債権譲渡における債権の譲渡人と債務者の間で交わされます。
債権譲渡は、企業間で行われるのが一般的ですが、取引先の会社(譲渡人)に対し未回収の債権(売掛金・貸与金)がある場合、その会社が倒産する前に、未回収の債権の代わりに、譲渡人が持っている債権を譲渡してもらいます。
当然、譲受人側からすると譲渡人から債権を無事、譲受したいと思うはずですが、譲渡人と譲受する債権の債務者との間で債権譲渡禁止特約が交わされている場合、債務者に対して債権の効力を発揮することができません。しかしながら、債権譲渡禁止特約が交わされている上で、債権を譲受できる場合もあり、近年では譲受人側を保護する傾向にあります。
今回の記事では、債権譲渡禁止特約に関する知識、特約が交わされている上で譲受できるための条件、その他、債権譲渡が無効となる条件について紹介していきます。
『ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)』なら、無料相談はもちろん、平日19時以降・休日相談・電話相談可能な弁護士事務所も多数掲載中。まずはお気軽にご相談ください。
冒頭でもお伝えいたしましたが、債権譲渡禁止特約が譲渡人と債務者の間で事前に交わされていた場合、債権譲渡の効力は生じません。
債権譲渡禁止特約は、債務者の権利を保護するための契約であり、債務者は債権譲渡禁止特約に反対するとして、譲受人に対し譲渡の無効を主張することができます。そのため譲受人は、債権譲渡が行われる前に、譲渡人と債務者との間で禁止特約が交わされていないかを、事前に確認することが必要です。
しかしながら、債権を受け取れるはずであった譲受人(法人)からしたら債権譲渡が無効になることはあんまりな結果であり、譲受する債権を元に事業の計画を立てていたのであれば大きな損失だといえます。
事業を円滑に進める上で、資金繰りは大きな課題となりますが、そのためには企業間における債権・資産の流動化が占めるウエイトは重く、事実、債権譲渡禁止特約が大きな障壁になっていると非難の声が多数ありました。
そこで近年、譲受人を保護する目的で債権譲渡禁止特約に関する規制が緩和されてきています。多くの批判もあって、近年、債権譲渡における資金調達が重要視されるようになったためです。
債権譲渡禁止特約を無効にできる場合として2つのパターンが考えられますが、以下、紹介していきたいと思います。
まず、債権譲渡禁止特約が交わされていたにも関わらず、特約を無効にできる条件として、債権譲渡の際に譲受する側が善意で無過失であることがあげられます。「善意」であるということは、債権譲渡禁止特約が交わされていた事実を知らなかったということです。
また事実を知らなかった場合でも、注意義務を怠っていた場合、過失として判断されますが、大半の場合は、譲受人は善意者として保護されます。しかしながら、重過失であると判断されることもあり、詳しくは「債権譲渡の効力が無効になる場合」にて後述いたします。
また債権譲渡禁止特約がある場合でも、債務者側から債権譲渡の同意が得られれば、債権を譲受することが可能です。この場合、譲受人と債務者との契約になりますが、善意かつ無過失である必要がありません。
債権譲渡において、譲受人にとって債務者へ債権の権利の効力が発生しない、債権譲渡の効力が無効になる場合について紹介します。
まず債権譲渡禁止特約に関して、譲受人を保護するために規制が緩くなったと説明をいたしましたが、特約に関わらず譲受人が債権の効力を債務者へ発揮するためには、善意で無過失であることが条件でした。
そのため、もちろん「善意かつ無過失」ではない、つまりは「悪意または重過失」である場合は、債権譲渡の効力は発生しません。では悪意で無過失である場合とはどんな時でしょうか。
一つ目は、譲渡する対象の債権の譲渡禁止が明らかである場合です。預金債権など譲渡禁止されていることが明確である債権については、明らかに譲渡禁止特約が交わされていなかった事実を、知らないことはなくそのため悪意であったと判断されます。
しかしながら、譲渡禁止特約の効力は、債務者側が主張しなければなりません。そのため、債務者が、譲受人の悪意または重過失であることを立証して初めて譲渡禁止特約の効力を発揮することができます。
債権によっては、預金債権のように明確か不明確か断定しづらい債権もありますので、その場合は債務者が立証しなければなりません。
また、将来債権譲渡というまだ発生していない(将来発生する)債権を譲渡する方法があります。将来債権譲渡に関しては、裁判などでよく取り上げられる問題なのですが、債権譲渡禁止特約が交わされていた場合、特約の効力を認める判例がほとんどなようです。
ではこの将来債権譲渡とはどういったものなのでしょうか。例をとって簡潔に説明したいと思いますが、とあるA社がB社へ後払いで自社の製品Xの販売をした場合、自社はB社に対して未回収の債権(売掛金)が発生していることになります。
この際、A社が、B社から債権を回収できなかった場合に備えたいとき、これからB社が商品Xを販売する先(代理店などの顧客)から購買してもらうことで発生する代金(債権)を、B社が債権譲渡することが、将来債権譲渡にあたります。
もしB社が、顧客C社と債権譲渡禁止特約を交わした上で、商品Xの売買が後払いで成立した場合、売掛金が発生しますが、この売掛金を請求する権利はどこにあるのでしょうか。
A社は、B社から債権譲渡をしたとき、B社と顧客C社とのやり取りは発生していませんから、A社はB社とC社との債権譲渡禁止特約を知りません。
当然、善意(知らない)と捉えてもおかしくありませんが、この場合、債権譲渡禁止特約の効力は認められる判例が下されるのがほとんどなようです。
この将来債権譲渡に関しては、法的な整備がまだされていませんが、債権譲渡禁止特約が交わされた後に、債権譲渡が行われた場合にのみ、特約が交わされた事実を知らないことを善意とするため、将来債権譲渡のような特約が交わされるかどうかが不確かな状況においては認められないと判断されました。
債権の中には、債権譲渡の制限の対象となる債権があり、制限の対象となる債権における債権譲渡において効力は発揮されません。
債権譲渡の制限の対象外となる債権として、債権の性質上、制限されている債権があります。
慰謝料請求権、扶養請求権など行使できる債権者が特定されている債権や、使用借権・賃借権など権利の行使形態が特徴的な債権が、債権譲渡の対象に含むことができません。
また法律の規定により制限されている債権もあります。給料・賞与・年金など給与に関わる債権、生活保護や老後の年金、相続における効力のある財産分与請求権・遺留分減殺請求権などが対象です。
債権譲渡の制限の対象に含まれた債権 |
|
債権の性質上による制限 |
慰謝料請求権 |
扶養請求権 |
|
使用借権・賃借権 |
|
法律の規定による制限 |
給与に関わる債権 |
生活保護や老後の年金 |
|
財産分与請求権 |
|
遺留分減殺請求権 |
とある取引先の会社に対して互いに債権を抱えている場合、その債権同士が相当額であれば互いの債権を、どちらか一方が消滅させたいと意思表示した場合、債権を消滅させることができ、この消滅行為を相殺と言います。また相殺し合う債権に関しては、同種の債権(金銭債権同士)など同じ土俵で価値を計りやすいことが条件です。
実は、債権譲渡において債務者側から、譲受人に対して相殺を主張することもでき、もし、譲受人が受け取る債権の債務者がそれ相当の債権を保有していた場合、債務者が譲受人に対して相殺を主張してきたら、債権同士が消滅し債権譲渡の効力がなくなってしまいます。
譲受人側からしたら、債権譲渡禁止特約によって債権が譲受できなくなることは困ることですが、債務者と譲渡人との間の特約を知らなければ債権譲渡は無効にはなりません。
しかしながら、債権譲渡が無効となるためには、債務者側が譲受人の悪意性を立証した上で主張する必要があるため、債務者から訴えられ場合の処置として、弁護士へ相談されることをオススメします。
また、債権譲渡について有効な場合と無効な場合をそれぞれ紹介しましたが、今回の記事を元に参考にしていただけたら幸いです。
債権譲渡を弁護士に依頼することで、主に以下のようなメリットがあります。
債権回収は、タイミングと交渉方法が重要になります。債務者が破産してしまうと、弁護士でも回収できません。本格的な債権回収・債権譲渡を検討した際は、できるだけ早い段階でご相談ください。
◆100万円以上の債権回収に対応◆大手信託銀行の勤務経験◆元・司法書士、マンション管理士等も保有◆家賃滞納・明渡しの他、貸金・売掛金・請負代金のトラブルもご相談を。解決に自信があるからこその有料相談!
事務所詳細を見る【初回面談0円】相手先の納金滞納・未回収分の賃料回収など債権回収に関するお悩みを丁寧にサポート◎ 賃料の立ち退きから回収、個人的な貸金まで、安心してご相談ください【100万円以上の債権回収はお任せください】
事務所詳細を見る【顧問契約5.5万~|約2,000万円の債権回収実績】法人・個人事業主・不動産オーナー様の売掛金回収、未払い賃料回収なら◆企業の福利厚生でのご利用可◆オンライン面談◎※個人案件・詐欺のご相談はお受けしておりません
事務所詳細を見る債権回収でお困りなら弁護士へ無料相談がおすすめ
債権回収では、相手の出方や債権額によってはあまり効果が期待できない場合もあり、自分だけで債権回収を行なおうとしても適切な方法を選択することは難しいでしょう。
そもそも、今の状況でどのような方法を取ればいいのかを提案してくれる弁護士は、相談だけでも力強い味方となってくれます。
「ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)」では、債権回収を得意とする弁護士に直接ご相談ができ、相談料無料、初回の面談相談無料、全国対応で相談を受け付けいる事務所も多くいますので、法人・個人問わず、お金のことで悩み続けているなら、一度債権回収が得意な弁護士にご相談ください。
債権譲渡は、主に企業間の債権回収に利用される手法です。手順や注意点を理解しておくことにより、回収の成約率をさらに上げることが期待できます。債権譲渡のメリットと合...
債権譲渡担保(さいけんじょうとたんぽ)とは、ある債権において債務者から買掛金の未払いなど弁済がなされなかった場合に備え、債務者が所有する債権を担保にかける目的で...
今回の記事では、消費税の控除の仕組みを考える上での消費税の基礎知識と、金銭債権譲渡における消費税控除の仕組みについて紹介していきます。
今回の記事では、債権譲渡通知書を作成するにあたり、事前に抑えておくべき知識、実際の作成方法から、どのような手順で債務者へ通知書を郵送していくのかを紹介していきま...
債権譲渡をする上で、譲受人にとって契約書の作成の重要性は高いです。今回の記事では債権譲渡契約書を作成する上で、抑えておくべき点について紹介していきたいと思います...
債権譲渡禁止特約とは債権譲渡を禁止にするための契約です。今回の記事では、債権譲渡禁止特約に関する知識、特約が交わされている上で譲受できる条件、その他、債権譲渡が...
債権譲渡をする際、債権者が変わったことを各債務者へ通知しなければいけません。通知をしなければ対抗要件を満たさず返済を行うことができません。債権譲渡通知を債務者へ...
債権回収の取立てを代行会社へ委託することを迷われていますか?この記事では債権回収会社に取立てを委託するメリット・デメリットや依頼時の注意点を解説します。自力での...
友人への貸金や売掛金、養育費、家賃などの未払い債権を徹底的に回収したい方へおすすめする、費用を少しでも抑える
債権回収の取立てを代行会社へ委託することを迷われていますか?この記事では債権回収会社に取立てを委託するメリット・デメリットや依頼時の注意点を解説します。自力での...
債権譲渡は、主に企業間の債権回収に利用される手法です。手順や注意点を理解しておくことにより、回収の成約率をさらに上げることが期待できます。債権譲渡のメリットと合...
債権譲渡をする際、債権者が変わったことを各債務者へ通知しなければいけません。通知をしなければ対抗要件を満たさず返済を行うことができません。債権譲渡通知を債務者へ...
今回の記事では、債権譲渡通知書を作成するにあたり、事前に抑えておくべき知識、実際の作成方法から、どのような手順で債務者へ通知書を郵送していくのかを紹介していきま...
今回の記事では、消費税の控除の仕組みを考える上での消費税の基礎知識と、金銭債権譲渡における消費税控除の仕組みについて紹介していきます。
債権譲渡禁止特約とは債権譲渡を禁止にするための契約です。今回の記事では、債権譲渡禁止特約に関する知識、特約が交わされている上で譲受できる条件、その他、債権譲渡が...
友人への貸金や売掛金、養育費、家賃などの未払い債権を徹底的に回収したい方へおすすめする、費用を少しでも抑える
債権譲渡をする上で、譲受人にとって契約書の作成の重要性は高いです。今回の記事では債権譲渡契約書を作成する上で、抑えておくべき点について紹介していきたいと思います...
債権譲渡担保(さいけんじょうとたんぽ)とは、ある債権において債務者から買掛金の未払いなど弁済がなされなかった場合に備え、債務者が所有する債権を担保にかける目的で...
債権譲渡をする際、債権者が変わったことを各債務者へ通知しなければいけません。通知をしなければ対抗要件を満たさず返済を行うことができません。債権譲渡通知を債務者へ...
債権譲渡は、主に企業間の債権回収に利用される手法です。手順や注意点を理解しておくことにより、回収の成約率をさらに上げることが期待できます。債権譲渡のメリットと合...
債権譲渡をする上で、譲受人にとって契約書の作成の重要性は高いです。今回の記事では債権譲渡契約書を作成する上で、抑えておくべき点について紹介していきたいと思います...
債権譲渡担保(さいけんじょうとたんぽ)とは、ある債権において債務者から買掛金の未払いなど弁済がなされなかった場合に備え、債務者が所有する債権を担保にかける目的で...
今回の記事では、債権譲渡通知書を作成するにあたり、事前に抑えておくべき知識、実際の作成方法から、どのような手順で債務者へ通知書を郵送していくのかを紹介していきま...
債権譲渡禁止特約とは債権譲渡を禁止にするための契約です。今回の記事では、債権譲渡禁止特約に関する知識、特約が交わされている上で譲受できる条件、その他、債権譲渡が...
債権回収の取立てを代行会社へ委託することを迷われていますか?この記事では債権回収会社に取立てを委託するメリット・デメリットや依頼時の注意点を解説します。自力での...
友人への貸金や売掛金、養育費、家賃などの未払い債権を徹底的に回収したい方へおすすめする、費用を少しでも抑える
今回の記事では、消費税の控除の仕組みを考える上での消費税の基礎知識と、金銭債権譲渡における消費税控除の仕組みについて紹介していきます。