貸したお金を返してもらえないとき、どのように借金を回収すればよいかご存知でしょうか?
一口に借金の回収と言っても、その方法はさまざまです。お金を貸した相手の状況に応じて、適切な対応を判断する必要があるでしょう。
この記事では、貸したお金を返してもらえないときの催促方法と対処法をご紹介します。借金回収のトラブルに悩まれている場合は、参考にしてみてください。
「貸したお金が返ってこない…」とお悩みの方へ
お金を返さない相手に対して、ただ「お金を返してほしい」と催促するだけでは効果が薄いでしょう。
しかし、素人が強引に回収しようとすると、迷惑行為として不利に働く恐れもあります。
もし自力では回収が難しいと感じた場合には、弁護士がおすすめです。
弁護士であれば、以下のようなメリットが望めます。
- 法律に則った手段で回収してくれる
- 訴訟や強制執行などの法的手続きも依頼できる
- 時間的負担・精神的負担を軽減できる
弁護士から電話や書面で請求することで、相手が「裁判などの大事になるかもしれない」とプレッシャーを感じて、態度が変わる可能性もあります。まずは一度ご相談ください。
お金を返してもらえないときの催促方法
相手に借金の返済を求める場合、電話や訪問での督促は、事実上の効果はあるかもしれませんが、法的にはあまり意味がありません。
また、このような方法はやり方によっては迷惑行為として、債権者側の不利益となる可能性もあります。
借金について、電話しても埒が明かないということであれば、書面で返済を求めることを検討してください。
また、より相手に対する圧力をかけたいのであれば、通知の事実を証明してくれる内容証明郵便という方法もあります。
内容証明郵便それ自体に特別な法的効力はありませんが、通知の記録が残る、相手への心理的圧迫を期待できるという点では有意となりやすいです。
相手にお金がない場合の対処法
相手に借金を返したいという気持ちがあっても、手元にお金がなければ貸したお金を回収することはできません。
ここでは、借金返済の催促をした相手にお金がない場合の対処法を2つご紹介します。
相手にお金がない場合の対処法
|
- 支払いの分割や返済期間の延長に応じる
- 相手の資産状況を確認する
|
支払いの分割や返済期間の延長に応じる
相手に借金を返済する能力がない場合には、支払いを分割にしたり、返済期間の延長を提案したりして、こちらから譲歩してあげる必要があります。
ただ、譲歩をしても相手が支払えない内容では、またすぐに返してもらえない可能性が高いです。相手はいくらなら払えるのかを詳しく確認して、そこから譲歩を検討するようにしてください。
そして、その際には契約書を作成して記録を必ず残しておきましょう。万が一、支払いに滞りが生じる自体にも備えて、遅延金や不払時は一括返済とする設定も必ず条件にしておくことをおすすめします。
相手の資産状況を確認する
相手の手元にお金がなくても、何かしらの財産を所有している可能性はあるかもしれません。また、目に見える財産がなかったとしても、将来的に確実に入る収入に関しては、それは隠し財産であるといえるでしょう。
お金を貸した相手に財産がある疑いがある場合は、債権回収業者や弁護士などの専門家に相談をして、財産調査を行うことを検討してみてください。
お金があるのに催促に応じない場合の対処法
明らかにお金を持っているのに、借金を返してもらえない。そんな場合の対処法を2つご紹介します。
支払催促
支払督促とは、相手から支払われるべきお金を返してもらえないとき、裁判所を介して催促の通知をする手続きです。支払督促の内容が確定すれば、これに基づいて強制執行が可能となります。
しかし、支払督促に異議を申し立てられると、通常訴訟に移行します。あらかじめその制度の特徴を理解してから手続きを検討する必要があります。
支払い督促の詳細については、以下の記事をご参照ください。
【詳細記事】支払督促とは|費用や流れ、申請書の書き方を解説
民事調停
民事調停とは、調停委員(弁護士資格や法律に携わりのある民間人)に仲介役になってもらい、お金を返してくれない相手と話し合いの場を設ける手続きです。
調停で話し合いが成立した場合、裁判と同等の効果が得られます。そこで決まった支払いに応じない場合には、支払督促と同様に強制執行(差し押さえ)の申し出が可能です。
ただ、調停はあくまで話し合いであるため、必ず成立するとは限りません。メリットとデメリットの両方を踏まえ、民事調停を行うかを検討する必要があるでしょう。
【詳細記事】債権回収における民事調停の有効性と利用方法のまとめ
どうしても回収できない場合は弁護士への依頼を検討する
お金をどうしても返してもらえないときの最終手段は、弁護士への依頼です。弁護士を通じて債権回収では、回収確率が大幅に上がることが期待できます。
ただし、弁護士を雇うには当然費用が必要になります。例えば、貸したお金が30万円だった場合、弁護士への報酬で回収額がほとんどなくなるケースもあり得るので、依頼費用には注意しないといけません。
おおよその目安としては、貸したお金の合計額が100万円を超えている場合は、弁護士への依頼を検討してみる価値はあるかと思われます(それ以下の場合は、ご自身での少額訴訟を検討ください)。
【詳細記事】債権回収の弁護士費用の相場とは?弁護士費用を安く抑えるコツ
借金の回収でよくあるQ&A

借用書がなくても返済してもらえる?
借用書がなくても、貸したことを証明できる証拠があれば、返済を要求する権利があります。
例えば、メールで「貸したお金はいつくらいに返せる?」という送信に対して、「あともう少し待ってもらいたい」という返信があれば、それは相手が借金をしていることを認めた証拠として扱うことが可能です。
借用書がない場合は、メールでのやり取りや会話の録音を証拠として保存しておきましょう。
また、借用書がなくとも、お金を振込みで渡したなど、お金を渡した明確な証拠があれば、貸した金額や相手方との関係によっては、十分に交渉の余地があります。
相手が音信不通になったらどうしたらいい?
相手が音信不通になり、居所も勤務先も不明という場合は、探偵に依頼して居場所や勤務先を突き止めてもらうことができます。
ただし、費用はそれなりにかかってしまうので、貸した金額に対して依頼する価値があるかどうか、総合的に判断する必要があるでしょう。
【関連リンク:探偵事務所選びなら探偵サーチ】
何年前の借金まで請求することが可能?
借金には時効があり、その期間内であれば返済を要求することは可能です。
借金の時効
|
貸金業者からの借金
|
5年
|
個人間の借金
|
10年
|
ただし、4月1日以降に発生した債権に関しては、権利行使可能であることを知ってから5年に統一されました。
なお、借金の時効は延長をしたり、カウントを中断したりする方法もあります。もし返済がまだなのに時効が迫ってきている場合は、以下の記事の対処法を参考にできるだけ早めにご対応ください。
【詳細記事】債権回収するために必要な時効の中断方法と知識のまとめ
まとめ
お金を返してもらえないときの催促方法と対処法は、以下の通りです。
相手にお金がない場合の対処法
|
相手にお金がある場合の対処法
|
- 支払いの分割や返済期間の延長に応じる
- 相手の資産状況を確認する
|
|
「お金を貸すときはあげるつもりで」なんてよくいわれますが、返してもらえないからと諦める必要はありません。根気強く冷静に対応をしていきましょう。
「貸したお金が返ってこない!!」このような事でお悩みではありませんか?
個人間の債権回収は、状況によっては弁護士に相談しても難しいケースがあります。
債権額が100万円以下の場合、費用倒れのリスクがあります。
ただし、債権額が100万円を超える、借用書があるといったご状況の場合、一度弁護士に相談することをおすすめします。