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債権回収会社と弁護士の債権回収業務における違いまとめ

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 弁護士
監修記事
債権回収会社と弁護士の債権回収業務における違いまとめ

債権回収会社(サービサー)とは、金銭の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門の業者のことです。この法務大臣による許可要件は

  • 資本金が5億円以上の株式会社であること

  • 常務に従事する取締役の1名以上に弁護士が含まれていること

  • 暴力団員等の関与がないこと

と規定されています。「自力での債権回収は難しい」「でもすぐにでもきちんとお金を支払ってもらいたい」という時にはどうしてもこの債権回収会社か弁護士に債権回収を委託する必要が出てきます。今回この2つを取り上げ、その根本的な違いや債権回収の流れについてまとめていきたいと思います。

未回収の債権を回収したい方へ

未回収の債権があり、債権回収会社か弁護士のどちらかに依頼しようかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

ただ債権回収会社には、回収できる債権に制限があり、すべての債権を回収してもらうことは出来ないのです。

 

未回収の債権でお困りの方は、弁護士に依頼するのをおすすめします。

弁護士に依頼するメリットは、下記の通りです。

 

  • 状況に合った債権回収の方法を提案してもらえる
  • すべての債権の回収を任せることが出来る
  • 交渉や裁判上でのやりとり、面倒な書類の作成などの回収手続きを一任できる など

 

相手が破産してしまったら、弁護士でも回収することができません。

債権回収が得意な弁護士事務所を多数掲載しているので、まずは下記からご相談ください。

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債権回収の代行が可能な業者の種類

債権回収業務は原則として、債権回収会社・弁護士・司法書士のみと定められており、これ以外の業者が債権回収を業として行った場合、サービサー法3条違反として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方の刑罰を科されることになります。債権回収の困難さや、訴額などから依頼する業者を選びましょう。

【関連記事】債権回収会社へ取立てを委託するメリット・デメリットは?

債権回収会社

主に金融機関が抱える債権の回収を専門とする会社です。弁護士にしか許されなかった債権回収業務ですが、新しい法の制定により債権回収会社も行えるようになりました。原則として、債権回収会社は以下の特定金銭債権しか回収することが出来ません。特定金銭債権とは、金銭の給付を目的とする債権ではあるが当事者間で目的物が特定されている場合の債権のことを示します。また、債権回収会社では特定の事業者である場合などを除き、一般的な個人の方の債権は取り扱いできないことになっています。入金状況、債権内容などのデータ管理や、請求書の発送業務なども委託できます。

主な特定金銭債権

金融機関等が有する貸付債権

リース・クレジット債権

資産の流動化に関する金銭債権

ファクタリング業者が有する金銭債権

倒産手続き中の者が有する金銭債権​

保証契約に基づく債権

その他政令で定める債権

債権回収の業者と聞くと、厳しい取り立てや執拗な請求電話などをイメージする人が多くいますが、法に従って回収業務が行われるため、決してそのようなことはありません。極力両者に大きないざこざが起きないような解決を見据え、返済・支払いのための手立てを提案も行ってくれます。

弁護士

債権回収会社はもともと民事・商事のみならず刑事法まで含めたトータルな法的サポートを行うことを予定した業者ではありません。しかし弁護士は、債権回収における全ての業務を専門として行うことが出来ます。専門家の中でも特に弁護士に依頼することで、訴訟・強制執行を適切に遂行し、債権回収を図ることができます。

認定司法書士

訴額が140万円以下であれば、特別な研修を受けて試験に合格した認定司法書士に債権回収の交渉を代理したり、訴状などの書類を作成したり、簡易裁判所において弁護士と同様に代理人になったりすることが認められています。しかし司法書士は本来、登記の専門家であり、不動産の権利の移転の場合の登記や、会社を設立したり役員を変更したりするのが仕事になるため、依頼を行おうとしても「弁護士に依頼してくれ」と断られてしまうケースがあります。
 

債権回収会社と弁護士の違い


債権回収会社と弁護士で、債権回収業務における具体的な違いはあるのでしょうか?以下で解説していきましょう。

債権回収会社は回収できる債権に制限がある

債権回収会社が取り扱える対象債権は、前述したように特定金銭債権と定義される一定範囲の債権に限られます。特定金銭債権以外の債権を取り扱えるように承認を受けることは不可能ではありませんが、承認を受けていても、法律事務にあたらない範囲の業務しか行うことが出来ません。一方、弁護士であれば取り扱える債権は限定されません。

債権回収会社は回収を依頼できる業種に制限がある

基本的に銀行や保証会社など、金融関係を主にとした企業からの依頼に限られるのが債権回収会社です。弁護士の場合は個人であっても企業であっても、債権回収を相談・依頼することが出来ます。

債権回収会社は罪に問われる危険性がある

弁護士法72条では、債権回収に関して以下のように定められています。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない
引用:弁護士法72条

つまり、弁護士以外の無資格者が業務として、意見したり何かを代理したりすると、弁護士法違反で逮捕されることになります。債権回収代行会社を装って債権回収を行っている悪質な業者に依頼してしまった場合、依頼した側も共犯としてみなされるかもしれません。
 

債権回収会社や弁護士に債権回収を依頼した場合の流れ

債権を回収する手順についても以下で見ていきましょう。基本的に債権回収会社も弁護士も法の規定に従い回収業務を行いますので、回収方法自体に具体的な違いはありません。

電話請求|書面請求

債務者に対して電話で支払いの催促を行います。電話番号が不明な場合や料金未納で通じなくなってしまったなどで請求したくても請求できないときには請求書が送付されます。

内容証明の送付

内容証明郵便(いつ、いかなる内容のものを誰から誰へ宛てて差し出したかということを日本郵便が証明する制度)で、借金の返済の支払いの催促と、支払いがない場合は契約を解除するといった内容が記載されます。

【関連記事

内容証明郵便の6つの効力|無視された場合の対処法

債権回収をするときの内容証明作成ガイド|必要性と基礎知識まとめ

支払督促の申立

債権者が支払督促を申立すると、裁判所書記官は債務者の言い分を聞くことなく支払督促を発することが出来ます。債務者への送達後2週間以内に異議がなければ、30日以内に債務者の申立によって仮執行宣言が付されます。ただし、これに対し異議の申立があれば訴訟に移行します。
 
▶「支払督促とは|申立方法と手順や弁護士選びに必要な知識まとめ

訴訟の提起

全く回収の見込みがない場合は、強制執行を見据えた訴訟の提起がなされます。判決で白黒の決着をつけ、勝訴することで正式に強制執行の手段を取ることが出来ます。

強制執行の申立

強制執行は、財産の差し押さえや自宅の明け渡しなどがこれにあたりますが、文字通り“相手の意に反して強制的に行う手続き”になり法律上厳格な規定があります。訴訟における確定判決などを債務名義(債務があることを証する書面)として、地方裁判所で執行文の付与をしてもらい、強制執行の申立をして行います。
 
▶「強制執行で債権回収するために必要な知識のまとめ
 

債権回収会社や弁護士に依頼するメリットとデメリット


本記事の最後に、債権回収会社と弁護士それぞれに債権回収を依頼した場合のメリットとデメリットについてまとめていきましょう。

【関連記事】未払金を回収したい!債権回収会社に委託するメリットと注意点

債権回収会社に依頼するメリット・デメリット

メリット

不良債権を処分できる

不良債権として引当を計上している債権を処分することで、資産の圧縮を図ることが出来ます。

債権回収の手間がなくなり本業に注力できる

法的手続きなどの債権回収を図るための専門知識が債権回収会社によって補われるために、委託した側は債権回収に手間暇をかけることなく本業に注力することが出来ます。

債務者が破産しても損失がない

例え債務者が資金難で破産した場合であっても、既に債権を債権回収会社へ譲渡している場合は、譲渡した側に未回収分の損失は発生しません。

顧客と直接やりとりするトラブルを回避できる

大切な顧客に対して債権回収を図ることは、企業としては心苦しいものがあり、慎重に行う必要があります。しかし債権回収会社に全ての債権回収業務を委託することで、顧客と交渉上のトラブルが発生してしまうことを避けられます。

デメリット

新たな損失になる場合がある

債権回収会社の債権買取価格によっては、自社で回収業務を行った場合とくらべて新たな損失を計上することになる可能性もあります。買取価格を債務者の状況に応じてかなりディスカウントするケースが多くあるためです。

手数料が発生する

債権回収会社は、未回収の債権を買い取るために、債権回収業務における費用は発生しません。しかし債権買取手数料や事務手数料など諸々の費用が発生することには変わりはありません。従来要していた売上債権管理作業の逓減率と、債権回収会社に支払う手数料を比較考慮して、委託するか否かを決定する必要があります。

弁護士に依頼するメリット・デメリット

メリット

自分に合った債権回収の方法を提案してもらえる

自分ではこの回収法が適していると思って債権回収に着手しても、債権額や相手の出方によっては、効果的な方法ではない場合もあります。現在の状況からどのような回収法をとればいいのかを提案してくれる弁護士は、相談だけでも力強い味方になってくれます。

相手にプレッシャーを与えることができる

支払い能力があるにもかかわらず支払わない場合、相手はそのまま踏み倒しにかかろうという魂胆でいるかもしれません。しかしそんな時に弁護士名義で債権回収に踏み切ることで、相手も事態を大きくしたくないと考え、素直に応じることがあります。

負担の軽減

相手との交渉や、裁判そのものには時間がかかるばかりか精神的な負担もかかります。弁護士は債権回収における全ての業務を行えるので、交渉や裁判上でのやりとりはもちろん、面倒な書類の作成も全て任せることが出来、早期解決も見込めます。

時効で消えてしまわぬように出来る

借金には時効があり、一定の間支払いが一切行われなかった場合は時効が成立してしまいます。ただし、回収する側も時効を成立させない為の手段を取ることが出来るので、気が付いたら時効が成立してしまっていたという最悪の結果を免れることが出来ます。

ただし、4月1日以降に発生した債権に関しては、権利行使可能であることを知ってから5年に統一されました。

デメリット

弁護士費用がかかる

弁護士に依頼して債権回収をする場合は、着手金と成功報酬が発生します。回収額が小さい場合、弁護士に依頼すると費用倒れになってしまうこともあり得ます。
 
《弁護士費用相場の一例》

着手金相場

内容証明郵便:1~5万円程度

支払督促:3~20万円程度

強制執行:5~20万円程度

調停・交渉:10~20万円程度

訴訟:10~30万円程度

成功報酬金相場

回収成功後、回収額の10~20%

債務者との間柄が険悪になることがある

弁護士を経由して「裁判も辞さない」という意思が相手に伝わることで、以降相手と良好な関係を維持することが困難になる場合もあります。

相手が破産する可能性がある

債権回収中、相手が破産を選択してしまうと、回収の遂行が出来なくなります。弁護士が介入してくることにより、これ以上返済することが困難であると判断され、相手も弁護士を立てて破産を選択してしまうこともあり得ます。
 

まとめ

債権回収会社や弁護士・司法書士など外部へ代行を依頼したほうが債権回収の確実性は高まります。どうしても自分では回収しきれない債権は、自身の訴額や回収状況、時効までの時間などと各債権回収業者の特色を考慮して、損失を回避するために依頼を検討してみても良いかもしれません。既に弁護士への依頼をご検討中の方は、こちらの記事「債権回収を弁護士に依頼するメリットと費用相場」もぜひ参考にしてみて下さい。

未回収の債権を回収したい方へ

未回収の債権があり、債権回収会社か弁護士のどちらかに依頼しようかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

ただ債権回収会社には、回収できる債権に制限があり、すべての債権を回収してもらうことは出来ないのです。

 

未回収の債権でお困りの方は、弁護士に依頼するのをおすすめします。

弁護士に依頼するメリットは、下記の通りです。

 

  • 状況に合った債権回収の方法を提案してもらえる
  • すべての債権の回収を任せることが出来る
  • 交渉や裁判上でのやりとり、面倒な書類の作成などの回収手続きを一任できる など

 

相手が破産してしまったら、弁護士でも回収することができません。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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