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債権回収
公開日:2019.9.13

先取特権は自分を優先してお金を回収できる権利|効果や使えないケース

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 弁護士
監修記事
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先取特権(さきどりとっけん)とは、複数の債権者(お金をもらう権利のある人)がいる債務者(お金を払う義務のある人)からご自身を優先して債権(貸したお金)を返済してもらえる権利のことです。

いっけんすると特定の債権者にとってはかなりありがたい先取特権ですが、場合によっては使えないケースもあります。

この記事では、先取特権の効果種類使えないケース抵当権との違いなどについての疑問を一つひとつ解決していきましょう。

先取特権とは優先的に債権回収できる権利

冒頭でも述べましたが、先取特権は債権を他の債権者より優先して回収できる権利です。

債務者の債権が、財産を上回り破産などした場合には債権者平等の原則(債権者は債務者の財産を均等に分けること)により債権者は手元にある財産を借金している人たちに平等に振り分けます

他の債権者より債権が多いにもかかわらず皆で平等に振り分けて回収できる金額が少なくなってしまうのは嫌ですよね。

しかし、先取特権を使うことにより(破産法第2条に基づく)他の債権者を差し置いてお金を取り戻すことが可能です。

例えば、債務者が300万円の借金で破産し、3人の債権者がいた場合、債権者平等の原則により破産手続きで債権者1人あたりに配当される金額は100万円です。

しかし、1人の債権者が先取特権をもっていたら、この債権者に300万円全額が配当されます

第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。

9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。

(引用:破産法第2条9項)

先取特権には3種類ある

先取特権は細かくすると3つの種類に分けられます。

  1. 一般の先取特権
  2. 動産を回収する特別の先取特権
  3. 不動産を回収する特別の先取特権

1つずつ確認していきましょう。

①総財産を回収する一般の先取特権

一般の先取特権には優先順位があり、以下の順番で総財産を回収できる人が決まります。

  1. 共益の費用…別の債権者と利益のために払った費用のこと。強制執行などの費用を払った債権者
  2. 雇用関係…給料を受け取れなかった従業員など
  3. 葬式の費用…負担した葬式費用の回収に困っている債権者
  4. 日用品の供給…ガス代や電気代などの日用品の支払いを負担した債権者

(一般の先取特権)

第三〇六条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。

一 共益の費用

二 雇用関係

三 葬式の費用

四 日用品の供給

(引用:民法第306条)

②動産を回収する特定の先取特権

動産先取特権とは、債務者の持っている財産価値のある特定の動産のことです。お金を払わない債務者がいる場合には、以下を担保として現金に換えます。

  1. 不動産の賃貸借…土地にできている果物
  2. 旅館の宿泊…泊まった時の荷物
  3. 旅客または荷物の運輸…もらえるはずの荷物
  4. 動産の保存…もらった商品
  5. 動産の売買…売った商品
  6. 種苗または肥料…種苗または肥料でできた果実など
  7. 農業の労務…仕事によって作られた果物など
  8. 工業の労務…仕事によって作られた制作物など

(動産の先取特権)

第三一一条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。

一 不動産の賃貸借

二 旅館の宿泊

三 旅客又は荷物の運輸

四 動産の保存

五 動産の売買

六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給

七 農業の労務

八 工業の労務

(引用:民法第311条)

③不動産を回収する特定の先取特権

不動産関連の費用を負担したのであれば先取特権により、建物・土地を売ることでお金の回収が可能です。

なお不動産の先取特権をもっている債権者が、他にいる場合には以下の費用を貸した人を優先します。

  1. 不動産の保存…家を建てるときの費用を貸した債権者
  2. 不動産の工事…家を建てるのにかかる予定額を貸した債権者
  3. 不動産の売買…家を売り買いしたときに費用を貸した債権者

(不動産の先取特権)

第三二五条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。

一 不動産の保存

二 不動産の工事

三 不動産の売買

(引用:民法第325条)

(不動産の先取特権の順位)

第三三一条 同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百二十五条号に掲げる順序に従う。

2 同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。

(引用:民法第331条)

先取特権は場合によっては抵当権より先に行使できる

土地の所有権である抵当権が先取特権より強力に思えます。しかし、337条・338条を満たせば339条により、抵当権より先に先取特権を利用することが可能です。

(不動産保存の先取特権の登記)

第三三七条 不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。

(引用:民法第337条)

(不動産工事の先取特権の登記)

第三三八条 不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。

2 工事によって生じた不動産の増価額は、配当加入の時に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。

(引用:民法第338条)

(登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)

第三三九条 前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。

(引用:民法第339条)

債権者が先取特権を使えないケース

動産先取特権は、第三者が先取特権対象の動産を買い取るなどして引渡しを受けた場合、当該動産には行使できないとされています。この場合は動産の売買代金債権に物上代位()により権利行使することになります。

(先取特権と第三取得者)

第三三三条 先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。

(引用:民法第333条)

()物上代位(ぶつじょうだいい)
第三者に先取特権対象の動産を買い取りで引き渡し場合は、売った代金を請求できる権利。

まとめ

先取特権は、債務者の借金が財産を上回ったときに利用できる他の債権者を差し置いて優先的にお金を回収できる権利です。

また不動産の先取特権は、家を建てるときにかかった費用・家を建てる前の予定額として貸したお金の2つの条件をクリアすることで抵当権より先に現金回収できます。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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