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債権回収の内容証明作成から発送までの全手順をわかりやすく解説【ひな形あり】

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森江 悠斗 弁護士・司法書士
監修記事
債権回収の内容証明作成から発送までの全手順をわかりやすく解説【ひな形あり】

債権回収のために電話やメール・請求書の再送付を試みても、相手が一向に支払ってくれない場合、内容証明郵便で督促する方法があります。

内容証明郵便は、心理的な圧力を与えて任意の弁済を促せるだけでなく、時効の完成を猶予し、後日の裁判で証拠としても使える有効な手段です。

本記事では、債権回収で内容証明郵便を活用する意義や作成・発送の手順、弁護士に依頼すべきケースを解説します。

実際の回収事例やよくある質問も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

債権回収における内容証明郵便の効果

内容証明郵便は、債務者に心理的プレッシャーを与えるだけでなく、後日の裁判で証拠としても使える有効な手段です。

相手に催告をした日付を公的に証明でき、時効の完成を猶予する効果もあります。

心理的なプレッシャーを与えて弁済を促せる

内容証明郵便は、受け取った債務者に強い心理的プレッシャーを与え、任意の弁済を促す効果があります。

内容証明郵便は、厳格な書式で作成され、郵便局の証明印が押された文書として届きます。

通常の郵便とは異なる体裁は、受け取った債務者に本気で回収する意思があるという印象を与えるでしょう。

弁護士名義で送付した場合は、支払わなければ訴訟に至るという記載が現実味を帯び、心理的圧力はさらに強まります。

電話やメールでの督促には応じない債務者でも、内容証明郵便を受け取ると態度を軟化させ、支払いに応じるケースも少なくありません。

ただし、訴訟の確定判決や和解調書などと異なり、内容証明郵便には強制力や執行力がなく、請求が応じない場合に直ちに強制執行ができるといった効力はないのでその点は注意が必要です。

裁判になったときに証拠として使える

内容証明郵便は、裁判に発展した際、証拠として活用できます。

内容証明郵便は、日本郵便株式会社が文書の内容・差出人・受取人・差出日を証明する郵便物です。

普通郵便や口頭での督促では、債務者から「そのような請求は受けていない」と反論された際、請求の事実を証明できません。

内容証明郵便を送付していれば、「いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送付したか」を証明できます。

受け取り拒否や不在保管期限切れによって郵便物が差出人に戻ってきた場合でも、発送した事実自体は記録として残ります。

配達証明をつけると、債務者が郵便物を受け取った日付も証明可能です。

確定日付を取得できる

内容証明郵便は、郵便認証司が認証した日付をもって、確定日付のある証書として扱われます。

窓口への持参やインターネット上での差出手続きをおこなった日付は、謄本に記録されます。

記録された日付は、あとから書き換えられません。

督促の時期が争いになった場合でも、確定日付が記載された内容証明郵便を提出すれば、書面をいつ発送したかを客観的に示せます。

たとえば、時効の完成前に催告をおこなった事実を証明したい場合に役立ちます。

時効の完成を猶予できる

内容証明郵便を送付すると、時効の完成を先延ばしにできます。

債権者が債務者に対して、裁判外で債務の履行を請求する意思の通知(催告)は、時効の完成を6ヵ月猶予する法的効果があるためです。

催告の方法に制限はありませんが、口頭では催告の事実が残らないため、内容証明郵便を用いるのが一般的です。

なお、催告による時効の完成猶予は、原則として一度のみ認められ、重ねて催告をおこなっても猶予期間は延長されません。

猶予期間中に、訴訟提起や支払督促など時効を確定的に止める手続きへ進む必要があります。

法的措置の準備期間を設けられる

催告による時効の完成猶予は、法的措置を講じるための準備期間として活用できます。

訴訟や支払督促などの法的措置に移るには、訴状や申立書の作成・証拠資料の収集などに一定の時間や手間がかかります。

たとえば、時効の完成まで1ヵ月を切っている場合、準備中に消滅時効期間が経過するおそれがあるでしょう。

内容証明郵便で催告をすれば、6ヵ月の間に証拠や資料を整理し、余裕をもって訴訟提起や支払督促に移れます。

期限の定めのない債務を履行遅滞(債務不履行)にできる

期限の定めがない債務は、内容証明郵便による請求によって債務不履行(履行遅滞)にできます。

債務の履行期限を定めなかった場合、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負うためです(民法412条3項)。

履行遅滞に陥ると、遅延損害金を請求できるようになります。

相当の期間を定めて履行の催告をおこない、期間内に履行がないときは、契約の解除も可能です。

遅延損害金の請求ができる

期限の定めがない債務について、内容証明郵便で催告をおこなうと遅延損害金を請求できるようになります。

履行期の定めがない債務は、債務者が履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負うためです。

金銭債務の遅延損害金は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率によって算定されます。

法定利率は変動制で、2026年時点では年3%です。

約定利率が法定利率を上回る場合は、約定利率が適用されます。

遅延損害金は、実際に生じた損害額を証明する必要がなく、債務者が天災などの不可抗力を理由に支払いを免れることもできません。

契約解除の根拠を生じさせることができる

内容証明郵便による催告は、契約解除の前提となる法的根拠を生じさせます。

相当の期間を定めて履行の催告をおこない、期間内に履行がないときは契約を解除できるためです(民法541条)。

内容証明郵便で催告をおこなえば催告の事実と日時を証明できるため、後日解除の有効性が争われた際の証拠となります。

解除の効果は、意思表示が相手方に到達した時点で発生するため、到達日時を証明するためにも配達証明をつけておくのが有効です。

ただし、形式的に解除通知を内容証明で行った場合でも、別途解除の要件を満たしていないときは、解除は認められません

内容証明を出さないほうがいいケース

債務者と今後も良好な関係を望むときや、債務者に誠意が見られるときには、内容証明郵便の送付を控えたほうがよい場合もあります。

状況次第では、かえって交渉の難航や相手の態度硬化を招くおそれがあるためです。

債権者側に落ち度がある場合も、内容証明郵便の送付によって紛争が拡大する可能性があります。

以下は、いずれも法的に内容証明郵便の送付ができない又は困難であるという場合ではなく、当事者の関係政党からして内容証明郵便を出すべきでないといい得るケースの例です。

今後も良好な関係を望む場合

今後も良好な関係を維持したい相手には、内容証明郵便の送付を慎重に検討したほうがよいでしょう。

内容証明郵便の送付は、法的手続を見据えた対応という印象を与える傾向があります。

相手が萎縮したり、関係を断とうとしたりするケースも少なくありません。

長年の取引先で契約の継続を望む場合は、まず電話や書面で状況を確認するのが望ましいでしょう。

内容証明郵便は、交渉が行き詰まったあとの手段として検討するのが賢明です。

債務者に誠意が見られる場合

債務者が支払いに向けて誠実に対応しているときは、内容証明郵便の送付は避けたほうがよい場合があります。

分割払いや支払時期の調整を申し出ている債務者に内容証明郵便を送ると、相手の態度を硬化させ、交渉が難航するおそれがあります。

債務者に支払いの意思・能力がある状況であれば、合意書や念書を取り交わし、履行状況を確認するのがおすすめです。

約束どおりに支払い・返済を受けられないときは、改めて内容証明郵便による催告を検討するとよいでしょう。

債権者側にも落ち度がある場合

債権者側に落ち度がある場合も、内容証明郵便の送付を慎重に期すべきでしょう。

債権者側の対応に問題がある状態で督促をおこなうと、紛争が拡大するおそれがあります。

たとえば、成果物に不備がある状態で代金全額を請求する内容証明を送ると、相手方から契約不履行を理由に反論される可能性があります。

内容証明郵便は文書の内容が記録として残るため、事実関係を誤って記載すると、後日の交渉・裁判で自社に不利な証拠となりかねません。

請求内容や法的根拠に不安がある場合は、送付前に契約内容や事実関係を整理し、必要に応じて弁護士に確認しておくと安心です。

債権回収に必要な内容証明郵便の利用の流れ

内容証明郵便による督促は、催告書の作成・謄本と封筒の準備・発送という手順を踏みます。

相手方からレスポンスがあれば、支払時期や支払方法に関する交渉を進めるのが一般的です。

分割払いや支払期限の延長に応じる場合は、必要に応じて公正証書による合意書の作成も検討しましょう。

①内容証明(催告書)を作成する

内容証明郵便を送付するには、まず催告書を作成する必要があります。

内容証明郵便には、字数・行数に関する書式ルールがあり、決められた形式で作成しなければ受け付けてもらえません

現在では、後述する電子内容証明郵便での発送をすることが多いといえますが、先に、以下では伝統的な紙での提出方法を紹介します。

書式ルールに沿った文字数・行数の範囲内で、当事者情報や債権の発生原因、支払期限などの必要事項を漏れなく記載しましょう。

内容証明郵便の書き方のルール

内容証明郵便には、字数・行数の制限や厳格な書式ルールがあります。

縦書き・横書きに応じた字数・行数の制限は、以下のとおりです。

書式 1行の文字数 1枚の行数
縦書き 20字以内 26行以内
横書き(パターン①) 20字以内 26行以内
横書き(パターン②) 13字以内 40行以内
横書き(パターン③) 26字以内 20行以内

使用できる文字は、ひらがな・カタカナ・漢字・数字・一般的な記号に限られます。

英字を使えるのは固有名詞のみです。

記号は基本的に1文字と数えますが、括弧は両方で1文字と数えるなど、細かい決まりもあります。

内容を訂正するときは、誤字を二重線で消し、欄外に「何字削除、何字加入」と記載したうえで、差出人の印を押します。

なお、電子内容証明(e内容証明)は、文字数・行数の固定書式がありません

A4用紙1枚につき、Wordの標準設定で約1,500文字まで記載できます(最大5枚まで)。

催告書に記載すべき内容

催告書には、債権の内容と支払期限を明記しましょう。

主な記載事項は、以下のとおりです。

ただし、単純な金銭請求をする場合の一例であり、記載内容はケースバイケースです。

  • 契約日・取引内容など債権を特定できる情報
  • 請求金額
  • 支払い期日
  • 振込先

期限までに支払いがない場合に法的措置を検討している旨も記載しておくと、督促の趣旨が明確に伝わります。

差出人・宛先・差出日も忘れずに記載しましょう。

催告書のひな形

催告書に決まった形式はありませんが、差出日・宛先・差出人・表題・本文の順に記載するのが一般的です。

書式の一例は、以下のとおりです。

〇〇〇〇年〇月〇日

〒XXX-XXXX
〇〇県〇〇市〇〇町0-0-0
〇〇 〇〇 殿

〒XXX-XXXX
〇〇県〇〇市〇〇町0-0-0
〇〇 〇〇  印

 

催告書

 

貴殿は、〇〇年〇〇月〇〇日付〇〇契約に基づき、当方に対し金〇〇円の支払義務を負っています。しかし、支払期限である〇〇年〇〇月〇〇日を経過した現在に至るまで、お支払いが確認できておりません。
つきましては、本書面到達後〇〇日以内に、下記振込口座へお支払いくださいますよう催告いたします。

 

 

【請求金額】
 金〇〇〇,〇〇〇円
(内訳:元金 〇〇〇,〇〇〇円、利息 〇〇円、遅延損害金 〇〇円)

 

【振込先】
 〇〇銀行 〇〇支店  普通預金 口座番号XXXXXXX   口座名義 カ)〇〇〇〇

 

万一、上記期限までにお支払いなき場合は、本契約に基づき期限の利益を喪失したものとして、残元金およびこれに対する遅延損害金を一括して請求するとともに、やむを得ず法的措置に移行させていただきますので、あらかじめご了承ください。

 

以上

②謄本・封筒を準備する

内容証明郵便を送付するには、謄本と封筒を準備する必要があります。

相手に送付する正本1通に加え、郵便局保管用と差出人保管用の謄本2通、合わせて3通が必要です。

文書には差出人の印鑑を押印し、2枚以上になる場合はホチキスで綴じたうえで綴じ目に契印を押します。

封筒には、表に受取人の住所・氏名、裏に差出人の住所・氏名を記載しましょう。

文書中の差出人・受取人の記載と、封筒に記載する住所・氏名は完全に一致させる必要があります。

封筒は封をせずに持参し、郵便局の窓口で内容を確認してもらったうえで封をします。

③内容証明郵便を発送する

準備が整ったら、内容証明郵便を発送します。

窓口では、謄本を含めた3通の書類と封筒を提出し、局員の確認を受けたうえで発送します。

訂正の必要が生じた場合に備え、文書への押印時に使用した印鑑も持参しましょう。

内容証明郵便を差し出せる郵便局は、集配郵便局および支社が指定した郵便局です。

全ての郵便局で差し出せるわけではないので、事前に最寄りの取扱局を確認してください。

インターネットで内容証明郵便を発送する場合は、日本郵便の公式オンラインサービスであるe内容証明を利用します。

24時間いつでもパソコンから文字データを送信でき、郵便局への持ち込みや封筒・印鑑の準備も不要です。

料金

内容証明郵便の発送には、郵便料金・一般書留料金・内容証明料金がかかります。

配達証明や速達を付ける場合は、別途配達証明料金・速達料金も必要です。

窓口差出の場合
項目 料金
郵便料金 110円~
一般書留料金 480円
内容証明料金 1枚目:480円
2枚目以降:1枚につき290円
配達証明料金(任意) 350円
速達料金(任意) 300円(250gまで)

たとえば、謄本が1枚の内容証明郵便を定型郵便物で差し出す場合の料金は、1,070円(110円+480円+480円)となります。

e内容証明を利用する場合
項目 料金
郵便料金 110円
電子郵便料金(1枚目) 19円
電子郵便料金(2〜5枚目、1枚ごと) 6円
内容証明料金(1枚目) 382円
内容証明料金(2〜5枚目、1枚ごと) 360円
謄本送付料金(通常) 304円
一般書留料金 480円

たとえば、e内容証明文書が1枚・謄本の送付方法が通常送付の場合の料金は、1,295円(110円+19円+382円+304円+480円)です。

債務者が受け取りを拒否した場合

受取人が受け取りを拒否した場合、郵便物は「受け取り拒否のため」と記載されて差出人に返送されます。

内容証明郵便は受取人による受領(押印)を前提とする配達方法であるため、受け取り拒否があると配達が完了しません。

ただし、正当な理由なく受け取りを拒否したときは、通知が到達すべきであった時に到達したものとみなされます(民法97条2項)。

債務者が内容証明郵便の受け取りを拒否した場合は、普通郵便や特定記録郵便で催告書を再送してもよいでしょう。

裁判外での解決に区切りをつけて、内容証明郵便送付の事実を証拠として、訴訟提起や支払督促の申立てに移ることも検討できます。

不在による保管期限が過ぎた場合

受取人が不在で郵便局の保管期間(7日間)を過ぎると、「保管期間経過のため」と記載されて郵便物が返送されます。

内容証明郵便は受取人に直接手渡すことを原則とするため、不在時は一定期間郵便局で保管され、引き取りがなければ返送となる仕組みです。

返送される場合も、内容証明郵便代金は返還されないので注意しましょう。

保管期間中に不在連絡票が投函されますが、受取人が引き取りに来なかった場合は返送されます。

不在連絡票の記載などから内容を推知でき、受領も容易だった場合は、保管期間の満了時に到達したとみなされることがあります。

受け取り拒否と同様、特定記録郵便での再送や次の法的手段への移行を検討しましょう。

転居などで債務者の現住所がわからない場合

送付先の住所に受取人が居住していない場合は、「宛所に尋ね当たらず」または「転居先不明」として郵便物が返送されます。

債務者の現住所が分からない場合は、転居先を調査したうえで再送付する必要があります。

相手が個人であれば住民票、法人であれば登記簿謄本やウェブサイトで所在地を確認し、判明した住所に改めて送付しましょう。

住所調査が難しい場合は、弁護士に債権回収を依頼して現住所を調べてもらう方法もあります。

訴訟や支払督促を申し立てる段階で、調査を尽くしても住所が判明しないときは、公示送達を検討します。

公示送達は、裁判所の掲示板への掲示や官報への掲載によって送達があったものとみなす制度です。

④債務者との交渉を開始する

内容証明郵便の送付後、債務者から連絡があった場合は、支払方法や期限について具体的に話し合います

感情的にならず、支払いの実現可能性を踏まえた現実的な着地点を探ることに集中しましょう。

交渉時のポイント

交渉では、支払方法や期限について、現実的な着地点を探る姿勢が求められます。

一括での回収にこだわると、債務者の資力によっては履行が難しく、交渉が長引く原因になります。

分割払いや支払期限の猶予など、譲歩できる範囲をあらかじめ検討しておくとよいでしょう。

月々の返済額を無理のない範囲に設定すると、長期的に見て回収できる可能性が高まります。

⑤交渉がまとまったら書面を作成する

交渉がまとまったら、合意内容を書面に残しましょう

支払いに不安があるケースや、債権額が高額・分割回数の多いケースでは、公正証書にしておく場合もあります。

金銭債務は強制執行認諾文言をつけておけば、支払いが滞ったときに訴訟を経ずに強制執行の申立てに移れます。

公正証書を作成する場合は、公証役場で作成するため、当事者双方の出頭または代理人の委任状が必要です。

手数料は債権額に応じて変動するため、事前に確認しておきましょう。

内容証明の作成は弁護士に依頼すべき?

債権額が高額な場合や交渉・裁判を見据えている場合は、内容証明の作成段階から弁護士に依頼すると、回収の実現可能性を高められます。

弁護士名義で内容証明郵便を送付すれば心理的圧力が強まり、送付後の交渉や法的手続も一任可能です。

弁護士への依頼を検討すべきケース

債権額が高額な場合や債務者との交渉に負担を感じている場合は、弁護士への依頼を積極的に検討しましょう。

裁判を視野に入れている場合も、早い段階から依頼しておくと、財産の保全や強制執行まで見据えた対応を進められます。

債権額が高額な場合

債権額が高額な場合は、弁護士への依頼を検討したほうがよいでしょう。

債権額が大きいほど、回収失敗による損失も大きくなります

弁護士名義で内容証明郵便を送付すると、自社名義よりもインパクトを与えられます。

弁護士の介入後、債務者が態度を改め、任意の支払いを受けられるケースも少なくありません。

交渉が決裂した場合も、訴訟や強制執行まで一貫して対応してもらえます。

高額債権では弁護士費用を差し引いても、依頼するメリットが大きいでしょう。

債務者との交渉を任せたい場合

債務者との交渉を任せたい場合も、弁護士への依頼を検討すべきケースです。

債務者と直接やり取りを続けると、精神的な負担が大きく、感情的な対立から交渉が難航する場合もあります。

弁護士が代理人として交渉を担うと、当事者同士のやり取りを避けながら、冷静な条件調整を進められます。

裁判を視野に入れている場合

裁判を視野に入れている場合は、早い段階から弁護士に依頼しておくと安心です。

弁護士は、勝訴判決を得ることだけでなく、判決後に実際どう回収するかまで見据えて動きます。

督促に時間をかけすぎると、その間に債務者が財産を処分したり隠したりするおそれがあります。

弁護士に依頼すれば、督促と並行して仮差し押さえなどの保全手続きを検討でき、強制執行につなげやすくなるでしょう。

また、内容証明郵便の作成を弁護士に依頼しなかったことで、法的に不利な内容を誤って記載してしまう場合もあります。

その場合、裁判に移行した際にその記載内容が不利に取り扱われてしまう場合もありますので、なるべく初期段階から弁護士に依頼する方が無難です。

弁護士に内容証明の作成を依頼するメリット

弁護士に依頼すれば、法的に不備のない内容で内容証明を作成してもらえます。

弁護士名義で督促すると、債務者から任意の弁済を受けられる可能性も高まります。

交渉で解決できない場合は、訴訟・強制執行まで一貫して任せられ、想定外のトラブルにも柔軟に対応してもらえるでしょう。

法的に不備のない内容にしてもらえる

弁護士に依頼すると、法的に不備のない内容証明を作成してもらえます。

内容証明には字数・行数の書式ルールがあるうえ、記載内容が後の交渉や裁判での主張に不利に働きかねません。

専門知識のない状態で作成すると、必要な事項が抜け落ちたり、不用意な表現が不利に働いたりする場合があります。

弁護士に依頼すれば、債権の特定や請求根拠を法的に整理したうえで書面を作成してもらえます。

債務者が弁済に応じやすい

弁護士名義で内容証明を送付すると、債務者が弁済に応じやすくなります

弁護士が関与している事実がわかると、債務者も法的措置に進む可能性を現実的に意識するためです。

債権者からの督促に応じなかった債務者が、弁護士が介入した途端に態度を改め、任意の支払いに応じるケースも少なくありません。

債務者との交渉・裁判を任せられる

弁護士に依頼すると、債務者との交渉から裁判まで一任できます。

弁護士への依頼後は、債務者と直接やり取りをする必要はなくなるため、心理的負担が大きく軽減されるでしょう。

交渉が決裂した場合も、訴訟提起や支払督促の申立てまで引き続き任せられます。

平日の日中に時間を取られることなく、通常の業務や生活を続けながら債権回収を進められます。

予期せぬトラブルにも柔軟に対応してもらえる

弁護士に依頼すると、予期せぬトラブルが起きても柔軟に対応してもらえます。

債務者が反論してきたり、財産を隠すそぶりを見せたりするなど、想定外の展開になることもあるでしょう。

弁護士であれば、状況に応じて保全処分や強制執行などの法的手段を検討できます。

自社・個人で対応していると判断に迷う場面でも、助言を受けながら適切な対応方針を選べます。

債権回収が得意な弁護士の選び方

債権回収は、法人間の債権回収の実績があり、人柄・相性がよい弁護士に依頼しましょう。

無料相談を活用して複数の弁護士を比較すると、依頼後のミスマッチや対応への不満を防ぎやすくなります。

法人・個人の多様な債権回収の実績がある

弁護士を選ぶ際は、法人・個人の多様な債権回収の実績があるかを確認しましょう。

個人間の債権回収と法人間の債権回収では、取引慣行や契約の種類、想定される反論の内容が異なります。

多様な案件を数多く扱ってきた弁護士なら、業界特有の事情を踏まえた対応が期待できるでしょう。

法律事務所のウェブサイトで解決実績やコラムの内容を確認すると、債権回収を得意とするかどうかの目安になります。

人柄・相性がよい

弁護士を選ぶ際は、人柄や相性も重要な判断材料です。

債権回収が実現するまでには、少なくとも数ヵ月、場合によっては年単位で続くこともあります。

弁護士との円滑なコミュニケーションが欠かせません。

説明が分かりやすく、質問しやすい雰囲気の弁護士であれば、安心して任せられるでしょう。

初回相談の際に、説明の丁寧さや対応の速さを確認しておくと、依頼後のミスマッチを防げます。

過去に事件処理に関する懲戒処分を受けていない

弁護士を選ぶ際は、念のため、過去に事件処理に関する懲戒処分を受けていないかも確認しておきましょう。

債権回収では、回収した金銭を一時的に弁護士が預かる場合があるため、預り金の管理や事件滞留をめぐる処分歴がないかを確認しておくと安心です。

懲戒歴があっても、直ちに依頼を避けるべき対象とは限りませんが、処分の内容や理由を確認しておきましょう。

内容証明の作成を含む債権回収を弁護士に依頼する場合の費用

内容証明の作成を弁護士に依頼する場合、依頼する範囲によって費用体系が異なります

督促後の交渉や訴訟まで含めて依頼する場合は、着手金と成功報酬がかかります。

たとえば債権額が300万円以下のケースでは、平成7年日弁連報酬等基準では、着手金が請求額の8%程度、成功報酬が回収額の16%程度でした。

現在では、物価高騰の関係もあり、弁護士費用は上昇傾向にあり、また、法律事務所によって異なるため、依頼前に確認しましょう。

内容証明送付以外の法的手段による債権回収の種類

内容証明郵便を送っても支払いが得られない場合は、民事調停・支払督促・訴訟・強制執行といった法的手段への移行を検討します。

民事調停

民事調停は、裁判所の調停委員を介して話し合いによる解決を目指す手続きです。

相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立て、調停委員が当事者双方の言い分を聞きながら合意点を探ります。

訴訟に比べて手数料が安く、申立てから数回の期日を経て早期に終了するのが一般的です。

調停が成立すると作成される調停調書には、裁判上の和解と同一の効力があるため、支払いが履行されない場合は強制執行に移れます。

支払督促

支払督促は、簡易裁判所の裁判所書記官が、債権者の申立てに基づいて債務者に金銭の支払いを命じる略式の手続きです。

書類審査のみで進められるため、訴訟のように出頭しなくてよい点が特徴です。

債務者は、支払督促の送達を受けてから2週間以内に異議申し立てが可能で、異議が出されると通常の訴訟手続きに移行します。

異議が出されずに仮執行宣言が付されると、支払督促は確定判決と同様の効力を持ち、強制執行が可能になります。

訴訟

話し合いや督促で解決しない場合、最終的には訴訟を提起して裁判所の判決により債権の存在と支払義務を確定させます。

訴額が140万円以下なら簡易裁判所、140万円超なら地方裁判所が管轄です。

60万円以下の金銭請求は、原則1回の審理で判決が出る少額訴訟の対象です。

判決や和解が確定しても相手が任意に支払わない場合は、判決を債務名義として強制執行の手続きに進みます。

強制執行(差し押さえ)

強制執行は、確定判決や公正証書などの債務名義に基づき、債務者の財産を差し押さえて強制的に債権を回収する手続きです。

民事執行法に基づく手続きで、対象となる財産には預貯金・給与・不動産・売掛金などがあります。

強制執行を申し立てるには、確定判決や仮執行宣言付き支払督促、執行承諾文言付き公正証書といった債務名義が必要です。

債務者が保有する財産や勤務先がわからない場合は、財産開示手続や第三者からの情報取得手続を利用できます。

内容証明郵便の作成・債権回収なら「ベンナビ債権回収」

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内容証明郵便の作成には法的知識が求められるほか、その後の交渉や法的手続きへの対応にも実務経験が必要です。

弁護士に相談すれば、請求内容の整理から弁護士名義での作成・発送、交渉や裁判手続きの代理対応まで任せられます。

掲載されている弁護士の多くは初回相談無料に対応しており、夜間・休日やオンラインでの相談を受け付けている事務所もあります。

督促の初期段階でも、まずは「ベンナビ債権回収」で検索して無料相談から始めてみてはいかがでしょうか

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弁護士による内容証明でスムーズな債権回収を実現した事例

本章では、「ベンナビ債権回収」を通じて依頼した弁護士のサポートにより、債権回収を実現した事例を紹介します。

少額の売掛金を内容証明の送付・交渉により回収したケース

常時発生する少額の売掛金の回収に、頭を悩ませていた法人の事例です。

弁護士名義の内容証明郵便と弁護士からの連絡により、任意の支払いを受けられました。

内容証明の送付・代理人間の交渉で請負代金100万円を回収したケース

ホームページ制作業務を発注していた依頼者が、他業者への切り替えを理由に契約を一方的にキャンセルされた事例です。

依頼者は制作作業を相当程度進めていたものの、突然契約をキャンセルされたため、出来高分の回収を求めて弁護士に相談しました。

弁護士が相手方に内容証明郵便で督促をおこなったところ、相手方も弁護士を代理人として選任し、代理人同士で協議しました。

協議の結果、130万円の請負代金のうち100万円を支払う内容で合意が成立し、合意額の全額回収に至っています。

内容証明を用いた債権回収に関するよくある質問

本章では、債権回収手続における内容証明郵便の利用について、読者が抱きやすい質問にQ&A形式で回答します。

Q.内容証明を送らないと裁判は起こせませんか?

内容証明を送っていなくても、裁判を起こすこと自体は可能です。

訴訟を提起するために、内容証明郵便による事前の催告が法律上の要件になっているわけではありません。

もっとも、内容証明郵便には催告の事実や日時を証明できるというメリットがあります。

送付しておくことで訴訟時の立証が容易になります。

時効が近い債権や、期限の定めのない債務については、内容証明郵便による催告が有効です。

Q.内容証明を無視された場合はどうすればいいですか?

内容証明を無視された場合は、支払督促・民事調停・訴訟といった法的手続への移行を検討しましょう。

弁護士に相談しながら、債権額や状況に応じて適切な手続きを選ぶと、スムーズに進められます。

Q.内容証明を送る時点で債権の時効を迎えていたらどうなりますか?

すでに消滅時効が完成している債権については、内容証明郵便を送っても時効の完成猶予の効果は生じません

時効の完成猶予は、時効が完成する前に催告をおこなった場合に適用される制度で、完成後の催告には効力がありません

ただし、時効完成後でも、債務者から任意の弁済を受けられる可能性はあります。

時効の成否が微妙なケースでは、時効の起算点や更新事由の有無について、事前に弁護士へ確認しておくと安心です。

まとめ

内容証明郵便の送付には、債務者に心理的プレッシャーを与えたり、時効の完成を猶予したりする効果があります。

ただし、良好な関係を維持したいときや、債務者が誠実に対応している段階では、送付の是非を慎重に検討しましょう。

内容証明郵便による督促は、催告書の作成、謄本・封筒の準備、発送という手順で進めます。

相手からレスポンスがあれば、支払いの実現可能性を踏まえた現実的な着地点を探ることに集中しましょう。

必要に応じて、合意内容を公正証書化することも検討してください。

内容証明郵便を送付しても解決しない場合は、民事調停・支払督促・訴訟・強制執行といった法的手段を検討できます。

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