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【大家さん必見】家賃滞納者への対処法|シチュエーション別対策まとめ

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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家賃滞納とは、借主が賃貸人(大家さん)へ納めるべき賃料(家賃)の支払いを怠っている状態であり、数日遅れで支払ってもらえるケースから数年にわたって滞納を続けるケースまで、大小さまざまな事例があります。
 

今回は、大家さん向けに家賃滞納トラブルの対処法をご紹介するとともに、シチュエーションごとにおすすめの対策をお伝えします。

 

家賃・管理費を滞納されていてお困りの方へ

家賃・管理費の回収は長引けば長引くほど、大きな損になります。あまりにも悪質な滞納の場合は強制退去などを検討しなければなりません。

できるだけ早く回収するには、弁護士に相談することがベストです。弁護士に相談・依頼することで以下のような事も望めます。

 

  • 督促状の作成・送達を依頼できる
  • 訴訟の手続きを依頼できる
  • 債務者と交渉してもらえる
  • 各書類の作成・送達を依頼できる
  • 立ち退く場合、立ち会いしてくれる

 

弁護士から督促状を作成・発送してもらうことで裁判になる前に、支払いに応じてくれる可能性もあります

債債務者が破産・再生手続きを行う前に、弁護士にご相談ください。

 

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賃借人(店子)に家賃滞納が起こるシチュエーションとは?

冒頭で述べたとおり、家賃滞納というのは短期のものから長期のものまで、大小さまざまなケースが存在しています。

まずは、家賃滞納がどういった経緯で発生するのかを簡単に知っておきましょう。

 

収入が減った・なくなってしまった

急な病気や怪我などで収入が減ったり、なくなってしまったりするケースがあります。また、勤務先の経営悪化や倒産によって給料が減ってしまった結果として支払いが滞りがちになることも少なくありません。

 

このようなケースでは、滞納者に家賃を支払う意思があるのか(やむを得ず滞納しているのか)、それとも踏み倒すつもりで滞納しているのかによって、対処法が異なってきます。

 

一時的に支払いが困難になった

上記に関連しますが、急な出費が重なり一時的に家賃が支払えず滞納に至ってしまうケースがあります。また、支払いが困難でなくとも、月末が土日など家賃の支払予定日が土日・祝日にかかる場合には、振込等の時間帯によって意図せず数日の滞納が発生してしまうこともあるでしょう。

 

このようなケースでも、滞納者の態度やそれまでの家賃の支払履歴を元に、どういった対処法がベストかを判断する必要があります。

 

亡くなってしまった

高齢の方に限らず、若い方でも突然亡くなってしまうことは充分ありえます。不慮の事故や天災、病気などによって賃借人が亡くなってしまい、その結果家賃が支払われず滞納されてしまったケースでは、保証人や相続人への請求といった必要性が出てくるでしょう。

 

賃借人が亡くなってしまったケースでは、下手に滞納家賃を請求すると「この人でなし!」と罵られてしまう危険があるかもしれません。しかし、賃借人が死亡しても、賃料債務は相続人に相続されます(相続放棄していれば別ですが)。そのため、請求自体は正当な行為です。しかし、いくらこちらが至極当然の要求をする場合であっても、相手に対する常識的な配慮は必要でしょうから、慎重に対処法を選んでいくことが大切です。

 

家賃滞納者への対処法3つ

一般的な家賃滞納者への対処法として、「交渉または話し合い」、「支払いを求める裁判手続き」、「立ち退きを求める裁判手続き」の3つが考えられますが、いずれの対処法が適しているかはケースバイケースで判断する必要があります。



物件の管理を行う上で、借主の賃料の支払状況を月別にデータとしてまとめることで滞納が悪化しそうな借主を浮き彫りにすることができるので、これらを参考に対処法を選んでいくことが大切です。
 

ここでは、家賃滞納者への代表的な対処法3つをご紹介します。

 

穏便に済ませるなら「交渉」

大家さんが借主と顔見知りであったり、同一物件内に各々の部屋があったりするようなケースでは、滞納家賃を裁判で請求するのに勇気がいるかもしれません。

 

そんなとき、穏便に家賃を回収する手段としては、やはり「交渉または話し合い」が有効でしょう。

 

もし家賃の支払いが数日遅れている程度であれば、借主に電話等で確認を行うことで、払い忘れを思い出してすぐに支払ってもらえることもあります。

 

短期間の滞納であり、借主がこれまできちんと家賃を支払ってきているケースでは、まずはきちんと借主の現状を確認することが大切です。

 

また、相手が親族や友人・知人といったケースでは、すぐに裁判を行うよりも未払い賃料が発生している旨を伝えて交渉を重ねたほうが、後々の人間関係のトラブルを防ぐ意味でも適しているかもしれません。もちろん、相手が家賃を踏み倒すつもりでいる場合には交渉よりも裁判がよいでしょう。このあたりもケースバイケースで対応しましょう。

 

確実に回収するためには「裁判」しかない

やむを得ず家賃を滞納してしまったり、家賃を支払う意思を示したりしている借主は、交渉することで滞納家賃を支払ってくれる可能性があります。しかし、そうでない借主の場合には、裁判手続きを利用して滞納家賃を回収するほうが現実的です。

裁判手続きには大きく2つあり、いずれかを検討することになります。

 

  1. 滞納家賃を回収するだけの手続き|支払督促・少額訴訟
  2. 滞納家賃の回収+物件の立ち退きを求める手続き|明渡請求訴訟

 

家賃回収のみを求める場合|支払督促・少額訴訟

借主を追い出したいわけではなく、単に滞納されている家賃を支払ってもらいたいだけの場合には、支払督促や少額訴訟といった裁判手続きがおすすめです。

 

①支払督促

支払督促は、裁判所へ申し立てることで裁判所から借主へ督促の通知を送ってもらうという手続きです。

 

支払督促によって裁判所が2回督促を行い、借主が無視するなど何の反応もしない場合には、仮執行宣言の申立てを行うことで「仮執行宣言付支払督促」というものを取得できます。この仮執行宣言付支払督促は、強制執行の根拠となる「債務名義」という書類に該当するので、最終的に強制執行をかけることで家賃の回収が見込めるというわけです。

 

支払督促のメリットとデメリットは、次の通りです。

 

メリット

デメリット

裁判所に行く必要がない

借主が異議を唱えると通常の訴訟に移行することになる

書類審査で裁判所が督促手続きをしてくれる

公示送達が利用できないので借主が失踪している場合には利用できない

 

▶参考:支払督促とは|申立方法と手順や弁護士選びに必要な知識まとめ

 

②少額訴訟

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを請求する際に、原則1回の期日で結審するというスピーディーな裁判手続きです。少額訴訟で勝訴すると仮執行宣言が付けられるので、この場合にも強制執行の根拠になる「債務名義」が取得できます。

 

少額訴訟のメリットとデメリットは次の通りです。

 

メリット

デメリット

通常の訴訟よりも手数料が安く時間がかからない

相手方が行方不明の場合には通常訴訟になってしまう

通常の訴訟よりも簡単に訴訟を起こせる

判決に異議を申し立てられると通常訴訟になってしまう

 

▶参考:はじめての少額訴訟でも安心|未納金を回収する方法と費用を徹底解説

 

家賃回収+物件の立ち退きを求める場合|明渡請求訴訟

滞納家賃を支払ったうえで物件から退去してもらいたい場合には、通常の民事訴訟で「明渡請求訴訟」を行っていくことになります。これは名前の通り建物を明け渡して(出て行って)もらうことを目的とする訴訟ですが、併せて滞納分の家賃を請求することもできるので1つの訴訟手続きで完結します。

 

明渡請求訴訟は地方裁判所へ民事訴訟の形で提起し、一般的な裁判手続きが行われることから、訴える側の大家さんにもある程度の法的知識が要求されます。したがって、この場合には弁護士などの専門家を利用した方が適切と言えるでしょう。

 

▶参考:

明け渡し訴訟の全手順|明け渡し訴訟の手続きと手順まとめ

明け渡し請求で借家人とトラブルにならないために押さえておきたい全知識

 

強制執行とは

強制執行は、判決といった「債務名義」を根拠に、それに示された内容を裁判所の力を借りて強制的に実現するための手続きです。例えば以下のような場合に効果を発揮します。

 

  • 「○○円支払え」という判決が出たにも関わらず支払ってもらえなかった
  • 「△月△日までに明け渡せ」という判決にも関わらずこの日を過ぎても退去してもらえなかった

 

強制執行をするためには、裁判所に執行力のある債務名義を提出した上で、強制執行の申立てを行います。この際には所定の書類と予納金(※)が必要になります。

※予納金とは
予納金(よのうきん)は、裁判所に納める費用で、強制執行の手数料というか執行費用のようなものです。

 

なお、東京地裁の場合は「建物明渡しの強制執行」で予納金が65,000円(1物件・相手方1人の場合)、「金銭支払いの強制執行(債権執行)」で郵便切手代+手数料が8,000円程度かかります。

 

ちなみに、建物明渡しの強制執行の場合には、次のような費用が発生します。

  • 解錠費用:2万円
  • 運搬費用:1Rの場合で約10万円/一般家庭の場合で約30万~50万円
  • 廃棄処分費用:約2~4万円

予納金はこれらの費用に充てられますが、足りない分は申立人が別途支払う必要があります。

その債権、回収できるかもしれません!

弁護士に依頼することで、諦めていた債権も回収できる可能性があります。弁護士に依頼するメリットや、成功事例を見てみましょう。

 

弁護士に依頼する4つのメリット

家賃滞納はいつから対処すべきか?

さて、以上が家賃滞納トラブルの基本的な知識になりますが、数日の滞納で裁判というのも難しいですし、放置しすぎてもよくないというのは想像がつきますよね。

どの程度の滞納期間を目安に対処を行っていくのが良いのか分からない方も多いかと思いますので、家賃滞納の対処時期の目安を簡単にご紹介します。

 

家賃滞納に時効はある?

実は滞納家賃も時効によって消滅してしまうので、数年単位で家賃の滞納がある場合には速やかに対処を始めることをおすすめします。

 

家賃は民法169条の定期給付債権に該当し、5年の消滅時効が適用されます。この消滅時効の起算点は権利を行使することができるとき=家賃を支払うべき日の翌日(※民法140条は初日不算入の原則を採用しています。)となっているため、例えば支払日が2017年11月30日だった場合には、2022年12月1日にこの未払い家賃を請求する権利が消滅するということになります。

 

ただし、家賃に関する時効は個別に進行するので、前述の例で11月支払分と12月支払分の家賃を滞納していた場合には、2022年12月1日に消滅するのは11月分の家賃だけです。

 

また、この時効は大家さんが支払督促や裁判を行うことで中断することができます。単なる口頭での督促や書面による請求では中断することはできないので、必ず裁判所を介した手続きを行うようにしましょう(ただし、時効期間完成前にこのような督促を行うことで、時効完成を6ヶ月間延長することは可能です。切羽詰まっている場合は、まず催告手続を取ってから、6ヶ月以内に訴訟提起をしましょう)。

 

なお、滞納した11月の家賃8万円のうち4万円を支払ったなど一部の弁済がなされると、債務の承認として時効が中断されます。

 

時効の中断は一時停止というわけではなく、一旦リセットしてそこから新たな時効がスタートするということなので、上記のような一部弁済を受けた場合には、弁済時から再度5年の時効期間がスタートすることになります。いずれにせよ期間が迫っている場合には早急な手続きが肝心といえます。

 

対処時期は店子との関係性に大きく左右される

例えば家賃滞納者が何度も滞納を繰り返しているような場合と、それまで一度も滞納したことがなかった場合とでは、明らかに前者の方が緊急性が高いといえるでしょう。また、借主が身内や友人など気心の知れた仲の場合、相手の経済状況などを考慮した対処が望ましいでしょうし、借主が亡くなった場合に遺族等へ家賃を請求するのは相手方が落ち着いたタイミングを計って行うのがよいかもしれません。

 

このように、家賃滞納トラブルへの対処時期は大家さんと借主との関係性や、それまでの家賃支払実績・滞納に至った経緯等から個別に判断するのが大切で、早ければ早いほどいいとも言い切れないものです。

 

かといって時効ギリギリまで放っておくことは避けましょう。滞納が相当期間続いた場合には、まず借主に状況を確認し、その際の相手の態度、対応を踏まえて滞納分家賃の精算を求めていくのが適切です。

 

契約解除を希望するのであれば、目安は3ヶ月~半年の滞納

家賃滞納者との賃貸借契約を解除したいと思っても、数日の家賃滞納で借主を追い出せるわけではありません。

 

家賃滞納がどの程度続けば賃貸借契約の解除が認められるかという点について、明確な決まりはありません。裁判所はこの点を信頼関係破壊の有無によって判断しています。すなわち、2~3ヶ月程度の家賃滞納は、よほど悪質な場合でない限り、ただちに信頼関係を破壊するものではないため契約解除はやりすぎでしょう。他方、3ヶ月を超えて家賃滞納が続いており、賃借人側に家賃滞納の正当な理由がないという場合には信頼関係が破壊されていると評価されてもやむを得ないでしょう、ということです。したがって、実務的には3ヶ月~半年程度家賃滞納が続いているのであれば、「貸主(大家)と借主(店子)の信頼関係が破壊された」ということを主張して、契約を解除し、明け渡しを求めるという選択肢を検討すべきでしょう。

 

▶参考:家賃滞納者を強制退去させる手順と強制退去にかかる費用

 

要注意! これだけはNGな督促行為

以上が家賃滞納者への一般的な督促行為になりますが、賃貸人は法律を遵守した上で、督促行為を行わなければなりません。その上で、以下の督促行為は法律に違反する危険があり、裁判になった際に不利になるのでやめましょう。
 

  • 連帯保証人以外の第三者(親族・勤務先・学校)への督促行為
  • 鍵の交換・荷物の持ち運び
  • 早朝、深夜(午後9時~朝8時)の督促行為
  • 弁護士など代理人として選任した人以外の第三者(友人や不動産会社など)へ督促行為を依頼すること
  • 滞納の事実を周囲の人間に知らせる行為

 

シチュエーション別・家賃滞納者への対処法

家賃滞納トラブルは物件や滞納者の状況によってさまざまなので、ここではシチュエーションごとに考えられる対処法をご紹介していきます。 

 

家賃滞納者に支払いの意思がある場合|交渉や支払い方法の見直し

例えば家賃滞納者が単に支払いを忘れていたにすぎない場合や、やむを得ず家賃を滞納してしまったような場合では、相手方と家賃の支払いに関する話し合いを持つのがおすすめです。

 

電話で未払い家賃の確認を行い、なぜ未払いなのか、いつならば支払えそうなのかなどを話し合うことができれば、裁判所を介した手続きをせずとも家賃が回収できる可能性があります。また、この時点で相手方の態度に不満があれば、その後に滞納があった場合に支払督促や契約解除といった対処法も視野に入れることができるので、数日~2週間程度の滞納が発覚した場合には借主に連絡してみるのがよいでしょう。

 

悪質な家賃滞納者の場合|強制退去や保証人への請求

何度も滞納を繰り返していたり、未払い家賃を支払う意思が感じられなかったりする家賃滞納者の場合には、話し合いよりも第三者を介した手続きが効果的かと思います。そのため、裁判所を交えた手続きである支払督促・少額訴訟や、明渡請求訴訟が役に立つケースと言えるでしょう。

 

とはいえ、できれば面倒な手続きは避けたいでしょうから、こういった場合には滞納者に「保証人に請求しますよ!」と告げ、それでもリアクションがなかった場合に保証人へ請求してみるのもよいかと思います。滞納者が学生など若い人の場合は、親が保証人になっていることが多いので、代わりに支払ってくれる可能性が高いです。

 

ただし、保証人にも突っぱねられてしまった場合には、やはり裁判手続きを利用するのが確実なので、弁護士等の専門家へ相談するのがおすすめです。

 

家賃滞納者が行方不明の場合|公示送達や保証人等への請求

家賃滞納トラブルでよく聞くのは、賃借人が行方不明になってしまったという事例です。電話や督促状の送付、交渉などは、相手と連絡が取れることが前提になってしまうため、借主の所在が分からない場合は公示送達や保証人等への請求を行うことになるでしょう。
 

公示送達

行方不明の相手に対して建物の明け渡しを求める場合には、公示送達という手続きを利用します。


公示送達は行方不明の被告に申立の送達が届いたことを公的に容認する手続きなので、単に相手が郵便物などの受け取りを拒否しているだけの場合には利用できません。また、支払督促や少額訴訟では利用することができませんので、建物明渡請求訴訟をすることが前提という点に注意しましょう。

 

公示送達を利用すると、裁判所の掲示板に訴状などの書面を一定期間掲示し、相手方が何の反応も示さなければ原告が勝訴できるので、最終的に強制執行が可能になります。

 

ただし、公示送達は「最終手段」とも言える方法。裁判所の判断で公示送達が認められないケースもあり得るので、弁護士等の専門家の意見を取り入れつつ手続きを進めた方が無難でしょう。

 

連帯保証人への督促

賃借契約を締結する場合、連帯保証人からの同意を得ている場合がほとんどでしょう。借主が督促を無視するようであれば、連帯保証人にも督促を行いましょう。

 

連帯保証人は、滞納分の賃料に関して家賃滞納者と同等の責任を負うため、賃借人が行方不明の場合は連帯保証人に連絡をすることが大切です。

 

▶参考:

家賃滞納者への法的対処|督促状の作成方法と応じない時の法的措置
家賃滞納は内容証明を送れば解決!?内容証明郵便・催告書の効果と作り方
 

配偶者への請求

一般的には保証人以外の第三者へ督促行為を行うことはできませんが、もし家賃滞納者の配偶者が同居していた場合、契約者が配偶者本人でなくても賃料の請求ができます。

借主とその配偶者が同居している場合は、配偶者は日常の生活費として負った債務(衣食住にかかる費用など)を負担しなければならない(民法761条・日常家事債務の連帯責任)とされているので、配偶者に請求し、それでも埒が明かない場合に保証人へ請求するという流れで手続きをするのがよいでしょう。

 

親族等に無償で貸し出しをした場合|交渉や内容証明郵便の活用

不動産経営をしていて、親族に無償で部屋の貸し出しをしている方は珍しくありませんが、別の賃借人候補が見つかり退去を希望される場合もあるでしょう。

 

この場合は賃貸借契約を結んでいなくとも、法律上は使用賃借契約に該当するので、同契約の終了を理由として退去を求めていくことになります。もっとも、無償の使用貸借契約であるからといって、必ずしも使用貸主の希望通りに退去を求められるわけではありません。

 

この点は弁護士等の専門家に相談しましょう。

 

家賃滞納のトラブルは弁護士に相談するのがおすすめ

家賃滞納問題に頭を悩ませる大家さんは多いと思いますが、弁護士に依頼するべきか、判断に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで、こういったトラブルで弁護士に依頼するとどういった効果があるのかについて、簡単にご説明します。
 

滞納者の状況に合わせた督促行為の提案

家賃滞納の状態によって、取るべき督促手段は異なります。簡単な話し合いで済むようなケースだったのに、いきなり立ち退きを要請したことで話がこじれてしまったら本末転倒ですよね。

弁護士はこれまで扱った事件の経験を活かして、どういったアプローチが最適かを判断できますし、滞納者の状況を見ながら回収の可能性を見極めることも可能です。

 

判断が難しい督促行為の選び方や時期なども、弁護士ならば適切な判断が期待できます。
 

滞納者が督促に応じる可能性が高くなる

弁護士がついていると分かっただけで、滞納者にはこちら側の本気度が伝わるでしょう。弁護士に依頼した場合、督促状などに弁護士の名前が記されますから、受け取った側は事態の深刻さを認識することが多いのです。

これによって相手方が交渉に応じやすくなるうえ、交渉においても支払時期や支払方法など、相手方の状況を考慮した、相手方の応じやすい形で話をまとめてくれるので、滞納家賃をしっかり回収できる可能性が高くなります。
 

手続きの負担が軽くなる

立ち退きをしてもらうための手続きは、督促状の作成や裁判所の申立に伴う書類作成から裁判への出頭など、賃貸人にとって時間がかかる上に負担が大きいでしょう。

弁護士に依頼した場合、書類作成から裁判所の手続きまで代理で行ってくれるため、不動産経営に集中することができます。
 

弁護士費用は確定申告時に経費算入できる場合がある

家賃滞納トラブルで弁護士に依頼すると、大家さんの確定申告の経費に弁護士費用が算入できるケースも多いのをご存知でしょうか。

 

依頼内容によって項目は異なりますし、経費として認められない場合もありますが、概ね次の表のような内容で経費として扱うことができます。詳しくは税理士へ尋ねてみましょう。

 

具体的な事例

弁護士費用の経費算入の可否

備考

家賃滞納者への交渉・裁判がしたい!

不動産所得の必要経費

立ち退き費用を出しても入居者に出ていってもらいたい!

・不動産取得の必要経費(賃貸経営を続ける場合)

・譲渡所得の譲渡費用(賃貸物件を売却する場合)

事業としてではなく身内や友人に貸している物件でトラブルがあった

家事関連費

明らかにトラブルになりそうな気配があったが無理にその物件を取得したところ、後日トラブルが起こった

紛争があることを予想しながら不動産を取得した場合、原則として経費にできません。

入居者に嫌がらせをして物件から追い出そうとしたところ、相手が弁護士を立ててきた

故意や重過失によって他人の権利を侵害した場合、原則として経費にできません。

その債権、回収できるかもしれません!

弁護士に依頼することで、諦めていた債権も回収できる可能性があります。弁護士に依頼するメリットや、成功事例を見てみましょう。

 

弁護士に依頼する4つのメリット

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

家賃滞納トラブルは近年増加傾向にあり、2ヶ月以上の家賃の滞納は全国で1.8%(2017年上期)起こっています(参考:日本賃貸住宅管理協会)。賃貸物件のおよそ60軒に1軒程度は、2ヶ月以上家賃を滞納している世帯があるということです。

 

これを多いとみるか少ないとみるかは人によるかも知れませんが、家賃トラブルは決して珍しいものではありません。基本的な対処法は覚えておくとよいでしょう。

 

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

家賃・管理費を滞納されていてお困りの方へ

家賃・管理費の回収は長引けば長引くほど、大きな損になります。あまりにも悪質な滞納の場合は強制退去などを検討しなければなりません。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債権回収弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債権回収弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。


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