1. 明け渡しマニュアル|土地や建物の明け渡しを成功させる方法

明け渡しマニュアル|土地や建物の明け渡しを成功させる方法

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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部屋の「明け渡し(あけわたし)」とは、立ち退きのことを意味します。家賃の滞納は昔から深刻な問題で、賃貸オーナー様をことごとく悩ませてきました。最近では家賃の保証をしてくれる会社も増え、利用することが一般的になってきてはいますが、それでも賃貸物件を保有していれば一度は明け渡しを検討することがあるのではないでしょうか。
 
明け渡し訴訟の主な原因は、家賃の滞納です。何度催促しても一向に支払いがなければ、最後の手段として明け渡し訴訟に出るのは致し方ないことでしょう。人口が減り、ただでさえ入居者が集まらない時代に家賃を滞納され部屋を占拠されているという状態は、オーナー様としてはすぐにでも対処しなければならないものです。なぜなら、空室であればまだ入居者が入る可能性はありますが、部屋を占拠されている状態では滞納分の回収はおろかそれすらも出来ないからです。
 
今回はその対処法の一つとして、明け渡しの請求、つまり立ち退きを請求する方法について詳しくまとめていきますので、オーナー様は是非ご参考下さい。

 

入居者の強制退去をご検討の方へ

強制退去は法的に認められていますが、正しい手続きを踏んだ上で行わないと、あなたが不利な状況になりかねません

強制退去にかかるリスクを減らすには、早い段階で弁護士に相談することがベストです。弁護士に相談・依頼することで以下のような事も望めます。

 

  • 強制退去の手続きを依頼できる
  • 債務者と交渉してもらえる
  • 各書類の作成・送達を依頼できる
  • 実際に立ち退く場合の立ち会い

 

弁護士から強制退去を検討している旨を伝えることで、支払いに応じてくれる可能性もあります債債務者が破産・再生手続きを行う前に、弁護士にご相談ください。

 

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目次

明け渡しとは|明け渡しは一般の債権回収と異なる

本来なら入ってくるはずの金銭が入ってこない…これはどんな分野においても深刻な問題ですが、家賃の回収ができない時に関しては、なおさら初動が肝心と言えるでしょう。
 

明け渡しの概要

明け渡しは話し合いによって行われるものと、強制的に行われるものの2種があります。後者は借家人を強制退去させるために部屋の貸主側が行う強制執行の一種で、国家機関が判決の内容を強制的に実現するというもので、明け渡しを実現させるためにはまず訴訟を行い勝訴判決をもらわないとなりません。
 
借家人と部屋の貸主は本来、入居時に契約書をしっかりと交わして信頼関係を築けているはずです。それが訴訟を起こしてまで強制退去させたいという考えに至ってしまったわけですから、事態は一大事です。
 

行動に出ないと損失が積みあがる

家賃の滞納があった場合、手続きを行わない限り、借家人が支払いを怠ったままズルズルと居座り、その間家賃という債務がさらに膨らみ続けるリスクがあります。一方、一般的な債権回収の場合は、支払いが滞ったとしても、自動的に債務が上乗せされて膨らみ続けるということは滅多にありません。賃貸オーナー様は、借家人の生活の困窮状態=家賃の回収が可能か不可能かを早めに見極め、明け渡し請求を行うかどうかも早めの判断が求められます。
 

債務者以外からも回収できる場合がある

家賃の滞納が起きても、契約により保証人を立てている場合は、借家人本人(債務者)に代わり保証人から支払ってもらうことが出来ます。
 

請求は連帯保証人に対して行うのが望ましい

保証人には単なる保証人連帯保証人がありますが、保証人に「代わりに家賃を支払って欲しい」と請求しても、保証人は「まず債務者本人に請求してほしい」と言って、その請求を拒む場合があります。(催告の抗弁権)しかしこの権利は、連帯保証人にはありません。債権者側としては、面倒を避けたいならば連帯保証人に請求すべきでしょう。
 

債務者の親や親戚に請求は出来ないが支払ってもらえる可能性はある

「子が人様に迷惑をかけたら大変だから」「子が人様に迷惑をかけたら大変だから」という理由から子の借金を親が返すのはよくあるケースです。これは法的には第三者の弁済と言われますが、親は子の借金を返済しなければならないという法的な拘束力があるわけではありません。したがって、直接子の借金を親に請求することは、親が保証人にでもなっていない限りは許されていません。
 

明け渡しのメリット・デメリット

話し合いによる明け渡しのメリット

あくまでも借家人が話し合いのもと自主的に退去するので、貸主は明け渡しの法的手続きなどにおける余計な出費をすることがありません。
 

話し合いによる明け渡しのデメリット

万が一、借家人が期日になっても自主退去しなかった場合、すぐに強制執行に移ることが出来ません。訴訟の提起などには時間がかかります。
 

強制執行による明け渡しのメリット

法的な強制力をもって実行されるものになるので、ほぼ100%明け渡しを達成することが出来ます。
 

強制執行による明け渡しのデメリット

明け渡しまでの具体的な手順と費用で細かく解説しますが、法的な手続きはまず強制執行まで1ヶ月程度、明け渡しの断行まではそれからさらに1ヶ月程度時間がかかるため、その間の家賃収入は得られません。この手続きには費用も発生するため金銭的な負担が大きくなります。
 

明け渡しが可能になる条件

貸地、貸家の明け渡し請求権は、賃貸借契約の終了によって生じる法的権利ではありますが、単に契約違反や債務不履行になったくらいでは、明け渡しの請求は行えません。正確に言うと、許可が下りないのです。それでは、明け渡し請求が可能になる条件とはどのようなものでしょうか。以下にて解説していきましょう。
 

半年以上の長期に渡り家賃を滞納されている

家賃の滞納を理由に追い出そうとしても、家賃滞納という事実ではなく、“貸主と借家人間で信頼関係が失われたかどうか”が重要になります。したがって、1ヶ月分の家賃を滞納されたくらいでは、裁判所は提訴を受け付けてくれません。過去の事例を見ると、3ヶ月間の滞納で受け付けてくれたケースもないことはないですが、一般的には大体半年以上が訴訟を行う目安と考えて良いでしょう。
 

近隣住民からのクレームが絶えず改善の見込みがない

家賃の滞納以外にも、騒音や異臭や奇声などの行為が全く改善されないという場合は、これも大体の目安を半年程度と考えて良いでしょう。
 

暴行を受けたなど身の危険を感じるようなトラブルがある

貸主である自身に対し、凶器を向けたり恐喝をしたり、命をおびやかすような悪質な行為に出てきた場合は、訴訟を行うべきであると言えます。その場合は脅迫罪や強要罪にあたる可能性のある刑事事件としての訴訟となるかもしれませんので、弁護士に相談してみましょう。また、あまりにも酷く身の危険を感じる場合は警察にも相談しましょう。
 

明け渡しに必要なものが揃っている

訴訟により明け渡しが可能になったとしても、以下のものを用意してまた明け渡しを実行する手続き(強制執行手続き)を行わないといけません。
 

①債務名義

賃貸人の明け渡し請求権の存在を公証する文書のこと。
 

債務名義

確定判決

裁判所に支払い請求の訴訟を起こした際に出された判決

仮執行宣言付判決

『仮執行の宣言』のついた判決

執行証書

金銭の一定額の支払、またはその他の代替物、または有価証券の給付を目的とする請求についての内容を公証人が作成した公正証書

和解調書|調停調書

裁判中に和解した場合と訴え提起前の和解の場合に作成されるもの、または調停委員会で合意した場合に作成されるもの

(参考:「債務名義の取得」)
 

②執行文

執行分は、請求権の証明と強制執行を証明するための文書です。これがない事には明け渡しによる強制執行は行えません。
 

③送達証明書

債務名義が相手方に送達されたことを証明する裁判所の書面のことです。強制執行の前には、送達証明書が必要になります。
 

明け渡しが裁判所から認められないケースもある

家賃を滞納している借家人が失業中である、または社会的通念上やむをえない理由があった場合、貸主側の「権利の濫用」となり強制退去が認められないケースもあります。
 

権利の乱用:権利の行使において、その正当な範囲から逸脱して、正当な行使と認められない状態のこと

 
(参考:「強制退去の進め方|家賃滞納による強制退去を行う全知識」)
 
 

明け渡しまでの具体的な手順と費用

明け渡しに至るまでに、まず①~③までの任意交渉(裁判沙汰にはせずに交渉すること)から行う必要があります。この任意交渉から、実際に立ち退きが完了するまでの流れと、それに伴う費用に関して以下で見ていきましょう。
 
(参考:「強制退去の費用の目安と強制退去の費用を安く抑える方法」)
 
《明け渡しまでのおおよそのスケジュール表》

 

①家賃支払い通知を送る

まずは手紙や電話、訪問などで、家賃を支払って欲しい旨を根気よく何度も伝えるようにしましょう。とにかく『話し合いでの円満解決』を目指し、借家人が支払いのアクションを見せるまでは粘り続ける必要があります。また、「支払わなければ保証人に請求を行います」という旨を伝達しておくようにしましょう。
 

②連帯保証人への連絡

賃貸借契約の時に連帯保証を取得することが一般的になっていますが、どれだけ催促を行っても本人から何の反応も得られなければ、連帯保証人に対して、同様に家賃支払いの請求を行いましょう。
 

連帯保証は徹底!

よく見かけるのが、入居者自身が連帯保証人の署名も書いてしまっているケースです。筆跡を見れば明らかですが、いざ連帯保証人に請求する段階になってから、連帯保証人から否定されることもなきにしもあらずです。自主管理のオーナー様でそこまで手が回らないという方は、これを機に管理会社に委託するというのも判断の1つです。
 

③配達証明付きの督促状・内容証明郵便の送付

内容証明郵便で、未払い家賃の支払い督促と、支払いがない場合の賃貸契約解除の通知を行いましょう。この内容証明郵便とは、郵便物の内容文書について、いつ、いかなる内容のものを誰から誰へ宛てて差し出したかということを日本郵便が証明する制度で、裁判では必ず必要な書証類となります。
 

内容証明の送付にかかる費用目安(郵便局で手続きする場合)

内容証明料:420円
書留料:420円
配達証明料:300円
郵便料金:80円
※2枚目から1枚増すごとに250円追加
 

内容証明の送付を弁護士に依頼した場合の費用目安

内容証明の作成と発送:約5万円
 

④契約解除

③に記載した請求期間内に滞納家賃の支払いがなければ、賃貸仮契約解除の効力が生じます。この時には、電気、ガス、水道など公共料金を誰の名義で支払っているか、調べられる範疇で調べておきましょう。裁判所はこの3種類の公共料金の支払者が居住者と認定します。これがバラバラであったり、本来の居住者と違ったりする場合は、居住者が特定できる証拠や書類等が必要となります。
 

 ⑤明け渡し請求訴訟

契約解除、明け渡し訴訟の提起を行なうことになりますが、裁判では建物の明け渡しに加え、滞納家賃等の支払いも請求します。裁判といっても明け渡し訴訟は法廷で争われることはほとんどありません。応接室のような場所で、原告(債権者側)と被告(借家人もしくは保証人)と裁判官の三者が話し合いをする形で行います。弁護士に依頼した場合は、出席する必要すらあまりありません。
 
被告が裁判所に出頭してきた場合は、話し合いによって和解に至ることもあり、その際には判決と同様の強制力を持つ和解調書が作成されます。この和解内容に従わなかった時は、改めて訴訟を提起することなく強制執行をすることができます。和解調書の作成の仕方や書式に関しては、こちらの記事「貸主側に有利な明け渡し合意書の書式例と効力」をご参考下さい。
 
また、被告が答弁書を出さずに裁判を欠席した場合、必要な証拠書類を提出していれば、裁判官は原告の請求を認めた判決を出してくれることでしょう。そしてその後も、自主的に建物を明け渡して退去しないときには、建物明け渡しの強制執行をすることになります。
 

明け渡し請求訴訟にかかる費用目安

収入印紙代:訴額に応じた手数料を収入印紙で納付
予納金の基本額:65,000円
(物件や相手方が増すごとに25,000円が追加)
予納郵便切手:約6,000円
 

⑥強制執行

強制執行とは、法律上の権利、賃金債権、建物明け渡し請求権などを強制的に実現する手続きのことで、運搬→保管→売却の流れで行われます。
 
まず強制執行担当の裁判所の職員(執行官)が借家人を退去させることになり、その際はまずポストや電気、ガスメーターなどにより居住の状況を確認してから、執行官が室内に呼びかけます。債務者が任意に鍵を開けない場合や不在であっても、解錠して強制的に室内に立ち入ることができるので、あらかじめ開錠の技術者を手配しておきます。
 
室内に入ったら、執行補助者が仲に置かれているものを確認し、明け渡し作業費用の見積もりをします。そして債務者が借家人と同居している家族は勿論、家具や動産類を全て運び出して空室の状態にします。運び出した荷物はトラックで執行官が指定する保管場所に運んで保管します。

建物に附属しているものはもともと大家さんの所有物であることが多いことや、仮に借主が入居後に付け加えたものであったとしても建物の一部とされ、大家さんのものとなることが多いです。したがって、明け渡しの執行後に大家さんが処分を検討することになります。後に、明け渡しの断行期日を記載した催告書・公示書を室内の壁に貼り付け、室内をもとの状態に戻して終了です。
 

強制執行にかかる費用目安

解錠技術者費用:1回約2万円~
荷物の運搬費用:1Rの場合で約10万円~
(一般家庭の場合は約30~50万円)
廃棄処分費用:約2~4万円
 

その債権、回収できるかもしれません!

弁護士に依頼することで、諦めていた債権も回収できる可能性があります。弁護士に依頼するメリットや、成功事例を見てみましょう。

 

弁護士に依頼する4つのメリット

家賃滞納が長期化すると時効が成立する

借金には消滅時効という制度があります。一定の状態が長期に渡り継続した場合、社会の法律安全の安定を図るために、その状態をそのまま権利関係として認めるという考えや、長年権利を主張しなければ保護する必要がない、という考えに基づくものですが、ここでは家賃の滞納と時効の関連性について解説していきましょう。
 

家賃滞納による時効の成立条件

消滅時効は家賃滞納においても適用対象となり、民法169条が適用され5年で消滅してしまいます。つまり、滞納賃料を請求する権利は5年で失われるということになります。
 

消滅時効の起算点

どの時点から5年を計るかというと、賃料支払い期日の翌日からになります。
 
【例】

起算点

時効により消滅

賃料支払い期日が
平成26年1月31日
(以降、一切支払いがない場合)

 
平成31年1月1日

 

時効を防ぐ方法

現実的には5年間も家賃の滞納を放置しておくということはないかもしれませんが、万が一その可能性がある場合は、次項の進行を止める法的措置を行う必要があります。これを時効の中断と言い、時効の中断を貸主側から受けると、家賃を滞納し続けても支払い義務はなくなりません。具体的な方法は以下のとおりとなります。
 

請求

貸主(債権者)から家賃を滞納している借家人(債務者)へは以下のような請求を行うことが出来ます。
 

  •   訴状の提出

時間と費用をかけて訴訟を行うこと。
 

  •   支払催促

債権者が契約書や債務確認書などの証拠品持参し、簡易裁判所に申し立てること。
 

  •   調停申し立て

調停(裁判所)で行う話し合いのこと。
 

  •   即決和解申し立て

訴状提出前の和解のこと。
 

  •   催促書類の提出

裁判になる前に、「家賃を支払って欲しい」という内容の書類を貸主から借家人に向けて内容証明郵便で送ること。
 

債務の承認

借家人が1円でも家賃を返済した場合、債務の承認にあたり時効は中断します。さらに、債務の承認は時効期間が満了した場合でも時効を中断する効果があり、時間期間が満了したあとに債務の承認を行ってしまうと、再び一から時効をやり直すことになります。
 

差し押さえ

訴訟や支払督促などにより裁判所が債権者に強制執行の許可を出すと、債権者が債務者の財産を差し押さえることが出来、これにより時効は中断します。
 
 

自分で明け渡し訴訟を行うリスク

明け渡しの請求を行うことにより、いよいよ立ち退かせることが可能になるのは事実です。しかし、良い面だけではありません。どのような訴訟に関しても言えることですが、裁判には訴える側にもリスクがあるということはきちんと覚えておきましょう。
 
(参考:「明け渡し請求の全手順|家賃滞納による建物明渡請求の方法」)
 

借家人との間柄が険悪になる

裁判になることで、借家人と良好な関係を維持することが困難になる場合もあります。
 

相手が破産する可能性がある

追い詰められた借家人が破産を選択してしまうこともあり得ますが、破産をされると以降取り立てることが不可能となります。
 

労力がかかる

裁判所に足を運んだり、手続きを行ったりしなければなりません。弁護士に依頼せずに自身の力で行うのであればなおさら、楽なものではありません。
 

費用がかかる

自分で裁判を行うにも、弁護士に依頼するにも、いずれにせよ費用はかかってしまいます。また、家賃滞納分を回収するにしても、必ず回収可能であるとは言いきれません。金銭的に余裕がなくてどうしても払いは困難という人からは、回収することは出来ません。
 

その債権、回収できるかもしれません!

弁護士に依頼することで、諦めていた債権も回収できる可能性があります。弁護士に依頼するメリットや、成功事例を見てみましょう。

 

弁護士に依頼する4つのメリット

明け渡しによって違法行為をしないよう注意

確かに「家賃を払っていない人が悪い」のですが、追い出したいがために違法行為に触れてしまわないように注意しましょう。交渉での明け渡しはトラブルにも発展することが多いのでこちらも弁護士に相談することが賢明です。
 
あまりにも行き過ぎた行為は、相手から訴えられ民事問題や刑事事件に発展してしまう危険性もあります。
 

勝手に部屋の中に入る|住居侵入罪

いくら相手が家賃を支払っていないからと言っても、契約を結んでいる間は契約者の所有になりますので、勝手に部屋に入ると不法侵入(住居侵入罪)になります。
 

部屋の中に居座る|不退去罪

同じく、部屋の中に入っていつまでも居座っていれば不退去罪も考えられます。
 

暴力行為や脅迫行為|暴行罪・脅迫罪

お金を払っていない相手についカッとなり暴力を振るったり、脅したりすると暴行罪・脅迫罪に該当してくることもあります。
 

家財などを勝手にそとに持ち出す・壊す|器物損壊罪

部屋の中にある家財を勝手に外に出して、破損させてしまうと損害賠償請求されたり、器物損壊罪となってしまうことがあります。
 

カギを勝手に変える|不法行為による損害賠償

「出ていかないならカギを変えてやれ」と考えるかもしれませんが、こちらも不法行為です。場合によっては相手から損害賠償請求されてしまうケースもあります。

 

明け渡し請求を検討中なら弁護士への相談がオススメ

全て自分で手続きしていくことは可能ですが、専門家である弁護士に依頼することが、もっとも適格で迅速であることは言うまでもありません。
 

弁護士と司法書士の違い

弁護士は、法律に関わる全ての業務を行えるため、重要書類の作成や、裁判の代理人となってもらうことも可能です。一方、司法書士や行政書士の可能業務は、法律事務の全般とはされず、限定されています。
 

弁護士へ依頼した場合のメリット

弁護士へ依頼した場合、以下のようなメリットがあります。
 
・裁判を行わなくても解決できる場合がある
・自身の誤った行為によって脅迫や不退去などで訴えられることもない
・家賃の時効を防げる
・滞納に対する抑止力になる
・手続きや裁判そのものがスムーズに進行できる
 
詳細はこちらの記事「明け渡し訴訟は最後の手段|明け渡し訴訟の手順とリスク」にも記載がありますので、是非ご参考下さい。
 

弁護士に依頼した場合の弁護士費用

相談料

正式な依頼をしなくても、相談するだけで費用が発生してしまうケースがあります。目安として、1回の相談で5000円程度が相場であると考えておいて良いでしょう。しかし近年は相談料無料の弁護士事務所も多くあります。
 

着手金

正式な依頼を行い、案件に着手した段階で着手金が発生します。相場としては、1ヶ月の賃料が20万円以下の場合は着手金の相場は10~40万円程度になります。この着手金も事務所によって金額にかなり差が出るので、複数の弁護士事務所を比較して検討してみるのが良いでしょう。
 
《弁護士の着手金の相場》

 

着手金

300万円以下

4%~8%

300万円超、3000万円以下

2.5%~5%

3000万円超、3億円以下

1.5%~3%

3億円超

1%~2%

 

報酬金

借家人の滞納家賃分の回収に成功した際には、弁護士に対し報酬金を支払うことになります。この報酬金の相場は、回収できた金額の約10%程度に設定している弁護士事務所が多数です。
 
《弁護士の報酬金の相場》

 

報酬金

300万円以下

4%~16%

300万円超、3000万円以下

2.5%~10%

3000万円超、3億円以下

1.5%~6%

3億円超

1%~4%

 

明け渡しの成功に注力している弁護士の探し方

インターネットを利用する

当サイト「債権回収ナビ」でも債権回収に注力している弁護士事務所が検索可能です。全国地域に対応している事務所様もございますので、ぜひ有効活用してみて下さい。

 

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無料法律相談を利用する

ほとんどの市町村や県では、定期的に弁護士による無料法律相談会を開催しています。こうした無料相談は事前申込の際に「どんなことを相談したいのか?」を質問されるので「明け渡しの請求をしたい」といえば、その分野が得意な弁護士さんを相談相手としてセットしてもらうことが可能です。
 

大学の窓口を利用する

法学部や法科大学院でも、地域への貢献を目的に無料相談窓口を設けている場合があります。こちらも事前に申込を行うと、債権回収の分野を得意とする弁護士に相談できるように取り計らってくれることがあります。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。一度長期滞納をした滞納者が、円滑に支払いを行ってくれる確率は決して高くないようです。”支払ってもらえないもの”としてドライに考え、家賃の回収よりも明け渡しの決断を優先すべき時もあるでしょう。また、起きてしまったものをどうにかすることももちろん大切ですが、未然防止はさらに重要です。
 
家賃滞納への備えとしては、記事中にも記述したとおり連帯保証人をしっかり獲得しておくこともそうですが、契約書や入金履歴をわかりやすく管理することも備えの1つです。訴訟を起こす上では、証拠として契約書や入金履歴を証拠として提出しましたが、これが整っているかどうかで、訴訟の迅速度が異なります。本記事が、賃貸オーナー様のお役に立てれば幸いに感じます。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債権回収弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債権回収弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。


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