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金銭債権とは?金銭の給付を目的とする債権の種類や特徴などを詳しく解説

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草木 良文 弁護士
監修記事
金銭債権とは?金銭の給付を目的とする債権の種類や特徴などを詳しく解説

金銭債権という言葉を知ったものの、どんな意味があるか分からないので調べている方も多いのではないでしょうか。

できれば、金銭債権の意味を知って債権の回収に活かしたいと思っている方も少なくないでしょう。

金銭債権にはさまざまな種類があり、預金債権や賃金債権など区別もさまざまなので、迅速に適切な対応をすることで、より多くの債権を回収するためにも、早い段階で信頼できる弁護士に相談することをおすすめします。

本記事では、金銭債権の種類や具体例、消滅時効の注意点を詳しく解説します。

金銭債権の特徴なども紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

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金銭債権とは?一定額の金銭の給付を目的とする債権のこと

金銭債権とは、お金の支払いを請求できる権利のことです。

たとえば、貸し借りをした時の借入金の返還を求められる権利や、商品を購入した際の代金の支払いを求められる権利などが金銭債権にあたります。

債権者が金銭債権を有し、債務者は金銭債務を負うことになります。

債権債務関係における金銭の支払い請求権が金銭債権です。

金銭債権は大きく4つに分けることができる

金銭債権には、主に以下の4種類があります。

金額債権

債権の目的となる金銭の額が特定されている債権

絶対的金種債権

債権の目的となる金銭の額が特定されていて、かつ、特定の種類の金銭で支払うことを目的とする債権

例:10万円を●●年発行記念紙幣の1万円札10枚で支払う

相対的金種債権

債権の目的となる金銭の額が特定されていて、かつ、ある種類の金銭で支払うことを目的とする債権

例:10万円を1万円札10枚で支払う

特定金銭債権

特定の金銭(金塊、銀塊、古銭など)を債権の目的とする債権

契約の内容によってどの種類の債権になるかが決まります。

金銭債権の具体例|預金、賃金、売掛金、賃料などがある

私たちの身近なところには、どのような金銭債権があるのでしょうか。

ここでは、金銭債権の具体例についてそれぞれ解説していきます。

1.預金債権|普通預金、定期預金、当座預金など

預金債権とは、預金者が銀行などの金融機関に預けた預金に対する権利のことです。

預金者は預金債権を行使すると、普通預金や定期預金の払い戻しを求めることができます。

つまり、預金債権は預金者が金融機関に対してもつ金銭の返還請求権なのです。

2.賃金債権|給与、残業代、賞与、各種手当など

「賃金債権」とは、労働者が使用者から労働の対価として金銭を受け取る権利のことを指します。

賃金には基本給だけでなく、時間外手当などの残業代も含まれます。

使用者は労働者に適切な賃金を支払う義務があり、労働基準法24条が定める賃金支払いの5原則など法令を遵守しなければなりません。

3.売掛債権|売掛金、受取手形、でんさいなど

売掛債権とは、企業が製品やサービスを提供し、その代金をあとで受け取る権利のことです。

また売掛金とは、まだ受け取っていない売掛債権を意味します。

なお実際に代金を受け取った金銭は、売掛金と呼ばれます。

売掛債権は信用取引に基づいて発生するため、将来の入金を見込んでいる債権です。

なお、「でんさい」とは電子記録債権のことで、電子債権記録機関の記録原簿への電子記録によって、電子記録債権の発生や譲渡をおこなうことができます。

電子記録債権は従来の手形や売掛債権よりも利便性が高く、偽造のリスクが低い金銭債権の新しい形態です。

書類の作成や保管が不要になり、取引コストの削減や事務処理の効率化が期待できます。

4.賃料債権|不動産賃料、小作料など

賃料債権とは、賃貸人が賃借人に対して請求できる家賃や小作料などの金銭債権のことです。

借地借家法では「借賃」と呼ばれています。

賃貸借契約に基づいて発生する主な債権であり、賃貸人にとって重要な収入源となります。

そのほかの金銭債権の例

そのほかにも、以下のような金銭債権が存在しています。

そのほかの金銭債権の具体例
  • ローン債権
  • クレジット債権
  • 工事請負代金債権
  • 診療報酬債権
  • リース債権
  • 受信料債権
  • レンタル料債権 など

日常生活においては、さまざまな金銭債権(たとえば、給与、ローンの返済、商品やサービスの購入代金など)が発生しています。

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金銭債権の特徴|ほかの債権とは異なる金銭債権特有の4つのポイント

金銭債権には、どのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、ほかの債権とは異なる金銭債権特有のポイント4つをそれぞれ解説していきます。

1.原則として金銭の種類は特定されない

金銭債権の場合、金銭の種類を特定する必要がないため、目的物が滅失する心配がありません。

(金銭債権)

第四百二条 債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

したがって、金銭債務は常に履行が可能な状態にあるといえます。

2.金銭債権には履行不能ということがない

物の引渡債権では、目的物を特定しなければならず、その目的物が滅失すれば履行不能になります。

一方で金銭債権には履行不能が存在しないため、両者は債務の履行可能性に違いがあるでしょう。

3.債務不履行の場合は遅延損害金が発生する

遅延損害金は法定利率または約定利率によって計算され、実際の損害額とは関係がありません。

ただし、当事者間で損害賠償額の予定がある場合や、特別の事情があって実損害額が法定利率を大幅に上回る場合などには、実損害額に基づく賠償請求ができる例外があります。

なお、不可抗力を理由に金銭債務の履行拒絶はできません。

(金銭債務の特則)

第四百十九条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。

2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。

3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

4.貨幣価値が下がっても補填する必要がない

金銭債権における名目主義の考え方は、貨幣価値の変動があっても債務額は変わらず、元の金額での支払いが原則とされることを意味します。

金銭債権の回収は「消滅時効」に注意しておこなおう

金銭債権の回収をおこなう際は、消滅時効に注意しなければなりません。

債権が消滅時効期間を経過すると、債務者は債務の支払いを拒否できるようになるため、適切な期間内に回収手続きをおこなう必要があります。

時効期間は債権の種類によって異なりますが、一般的には5年または10年となっています。

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

したがって、手続きを怠らず、期限に余裕をもって対応することが重要です。

さいごに|債権回収をする際は「金銭債権」を正しく理解するのが重要!

債権回収をおこなうなかで金銭債権が生じた場合は、なるべく早く弁護士に相談しましょう。

金銭債権には消滅時効があり、期間を過ぎると債権を回収できなくなる可能性があるため、期間内に適切に回収手続きをおこなわなければなりません。

このような点から弁護士に相談し、最適な回収方法をアドバイスしてもらうことをおすすめします。

場合によっては、訴訟をおこなわなければならないケースがあるため、弁護士を頼ることで手続きの負担を軽減できます。

金銭債権に関する相談がしたいときは、「ベンナビ債権回収」で弁護士を探してみましょう

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この記事の監修者
小野瀬有法律事務所
草木 良文 (東京弁護士会)
弁護士 草木は、これまで数多くの債権回収案件に対応しており、中には1,000万円を超える債権を回収した実績もございます。債権回収でお悩みの方は、まずは一度ご相談ください。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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