振り込め詐欺に遭ったら、一人で悩まず、すぐにでも専門機関に相談することが重要です。
警察や法律事務所はもちろん、消費生活センターにも相談することができます。
消費生活センターとは、各地方公共団体が運営する、消費者の困りごとを支援する機関です。
全国に800ヵ所以上設置され、国家資格を有する消費生活相談員などが所属しています。
消費生活センターの活動のひとつに、消費者ホットライン「188」があります。
消費者ホットライン「188」では、毎日24時間体制で電話相談を受け付けています。
本記事では、消費生活センターの概要や相談のコツ、被害金を取り戻すためにどのようなことができるのかなどについて解説します。
振り込め詐欺について消費生活センターに相談するメリット
振り込め詐欺にあった被害者のなかには、「あとから思えばだまされずに済んだかもしれない」と反省し、自分のせいだから仕方がないと泣き寝入りしてしまう方も少なくないようです。
しかし、消費生活センターや法律事務所に相談したことでトラブルを解決し、振り込んでしまったお金を取り戻すことができたケースも多くあります。
加害者は、巧妙な手口でお金をだまし取ってきます。
だまされた自分が悪いということは決してないため、すぐにでも専門機関に相談しましょう。
まずは、消費者センターに相談するメリットについて紹介します。
今、何をすべきかについてアドバイスをもらえる
消費生活センターの相談窓口を活用すれば、今、何をすべきかについてのアドバイスをもらうことができます。
消費生活センターで相談に応じているのは、消費生活相談員・消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタントなどの資格をもつ相談員または資格に準じた相談員です。
専門知識や経験を豊富に有する相談員が、それぞれの状況に適したアドバイスをしてくれます。
消費者ホットライン「188」では、まず相談員が電話で相談内容をしっかりとヒアリングし、解決に向けた助言をおこないます。
ケースによっては、消費生活センターへの訪問を提案され、被害者が自分でできることについてのアドバイスはもちろん、より適切なトラブル解決策を提言してくれます。
状況に応じてやるべきことが明確になることが、消費生活センターへ相談する大きなメリットであるといえるでしょう。
トラブル相手との和解の仲介をしてもらえる
消費生活センターを利用すると、場合によってはトラブル相手との和解の仲介をしてもらうことができます。
和解というと一般的には仲直りのようなイメージがあり、相手を許さなければならないのかと考える方も少なくありません。
しかし、法的な解決手段としての和解は、平たく言えば互いの条件を調整することです。
たとえば、「振り込んだお金を全額返してくれれば警察に被害届を出さない」「提出した被害届を取り下げる」などと、条件を直接交渉していく方法などがあります。
このようなことを、法的には和解といいます。
詐欺は刑事事件で扱う犯罪であるため、警察に被害届や告訴状を提出することができる事件です。
もしも逮捕されて有罪となれば、前科がつきます。
詐欺の刑罰は10年以下の拘禁刑であり、罰金で済ませることはできません。
そのため、刑事事件化されないよう返金に応じる加害者もいます。
消費生活センターには、紛争解決委員会が設置されています。
紛争解決委員会は、和解の仲介または仲裁を専門とする機関です。
仲介委員が、紛争解決を目指して当事者間の交渉を仲介してくれます。
消費生活センター紛争解決委員会のメンバーには、弁護士を中心に消費者生活相談員や著名大学の法学部教授など、65名にも及ぶ専門家が所属しています。
ただし交渉をおこなうためには、トラブル相手も参加する必要があります。
振り込め詐欺の場合は、そもそも相手と連絡がつかなくなってしまうケースも多いため、必ずしも利用できるわけではありません。
弁護士など適切な窓口を紹介してもらえる
消費生活センターは、簡易的かつ迅速な解決を図るための窓口です。
そのため、被害の内容によっては、より高度な専門性を有する相談機関への相談が適している場合もあります。
そのようなケースでは、弁護士などの専門家を紹介してくれます。
弁護士のほかにも、建築士など土地や住宅の専門家、医師など医療の専門家、決済手段や自動車の線専門家など、多岐にわたる職種の方々と連携し、適切な窓口を案内してくれます。
自分のケースでは、どのような専門家に相談・依頼をすればよいのかわからないという場合であっても、消費生活センターの利用は有効といえるでしょう。
詐欺の被害内容によって適切な相談先は異なるため、たとえば投資に関する詐欺被害であれば、投資詐欺に詳しい弁護士に直接相談する方法も検討してみましょう。
振り込め詐欺について消費生活センターへの相談方法
実際に消費生活センターへ、振り込め詐欺の被害を相談するには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、相談方法の手順を紹介します。
消費者ホットライン「188」へ電話
消費生活センターに相談する際は、消費生活センターが設置する消費者ホットラインに電話をかけましょう。
局番なしで188をダイヤルすると、最寄りの消費生活センターにつながります。
消費者ホットラインの受付時間は、地域や窓口によって異なりますが、年末年始も毎日利用することが可能です。
ただし、一部のIP電話やプリペイド式携帯電話からはつながりません。
各地方公共団体が住民サービスとして実施しているため、各地域に在住・在勤・在学の方が対象となります。
出張先からの相談であっても、住まいの郵便番号がわかれば、アナウンスに従って入力することができ、地域の窓口につながる仕組みになっています。
早急に相談したい場合は、出先からでも活用しましょう。
「188」ダイヤル後の流れ
188に電話をかけると、アナウンスが流れます。
案内に従って、操作を進めましょう。
住んでいる地域の郵便番号がわかる場合は1番、わからない場合は2番を押します。
郵便番号がわかる場合は、7桁を入力することで、ナビダイヤルを通じて住まいの最寄りの窓口につながります。
郵便番号がわからない場合、固定電話では近隣の都市名が流れるため、案内に沿って該当の都市に振り当てられた番号を押しましょう。
携帯電話からは、電話をした時点で相談を受け付けている最寄りの相談窓口につながります。
最寄りの窓口につながった時点から、通話料金が発生します。
話し中でつながらない場合は「平日バックアップ相談」へ
もしも、消費者ホットラインに電話をしても話し中でつながらない場合は、国民生活センターの「平日バックアップ相談」という窓口を利用することができます(電話番号:03-3446-1623)。
受付時間は、平日10時00分~12時00分と13時00分~16時00分です。
消費生活センター以外にも、詐欺被害の相談先はいくつかあります。窓口ごとの違いや使い分けについては、こちらで詳しく解説しています。
消費生活センターへの相談前に知っておきたい注意点
すぐにでも相談したいからといって、相談内容を整理せずに電話をかけてしまうことは、避けるほうが賢明です。
また、電話の前に確認しておいたほうがよい注意点もあります。
ここからは、消費生活センターへの相談をするにあたって、知っておきたいことや準備しておくべきことについて説明します。
1.相談には通話料金がかかる
消費生活センターに相談する場合、相談料自体は無料ではあるものの、通話料金が発生します。
通話料は全国一律ですが、電話の種類によって価格が異なります。
また、通話料は契約プランによっても異なる場合があります。
基本的には、たとえ通信会社で通話料金定額プランに加入していたとしても、ナビダイヤル通話料金は別途発生するものです。
しかし、通信会社会社によっては、一定時間内の通話であれば、ナビダイヤルであっても通話料無料となるプランがあるようです。
ただし、無料対象の時間内で対応してもらいたいというような要望は受け付けられません。
通話時間は相談内容によって異なるため、利用時には基本的に通話料はかかるものだと心得ておきましょう。
2.来所が必要な場合もある
電話をかけると、消費生活相談員が状況を聞いてくれます。
そのなかで、直接の来所によるアドバイスやサポートが適していると判断されれば、来所が必要になることがあります。
たとえば、電話相談窓口では相談員が契約書を見ることができないため、書類の確認が必要な案件では来所を促されることがあります。
また、相談員の数が限られているうえに、相談したい消費者は数多くいます。
そのため、解決までに時間がかかる可能性のあるケースでも来所を提案されることがあります。
3.契約関係の書類などを準備しておく
消費生活センターへ相談する前に、あらかじめ関係書類などを準備しておきましょう。
振り込め詐欺にあった場合は、次のようなものを用意しておきましょう。
- 請求書
- 相手が支払いを要望してきたメールやLINEの文面
- 受け取った郵便物
- お金を振り込んだ口座の情報
- 振込記録
- 該当するWebサイトのスクリーンショットを印刷したもの など
振り込め詐欺の手口は多岐にわたります。
また、相手はなるべく証拠が残らないように詐欺行為をおこないます。
そのため、書類などが整っていない場合でも諦めず、わずかな情報であっても準備して相談に臨みましょう。
4.個人属性のほか、一見トラブルと直接関係なさそうなことを聞かれることもある
消費生活センターは、税金で運営されている公的機関です。
いたずらなどの不適切な案件への対応を防ぎ、本当に困っている方へのサポートに注力する必要があります。
そのため、相談員は相談者や相談内容が信頼できるものかどうかを見極めるという観点から、相談受付時に氏名・性別・年齢・電話番号・市区町村までの住所・職業などの個人属性を尋ねられます。
その際、商品金額や購入経路、クレジット会社名など、一見するとトラブルと直接的関係がなさそうだと思われるような質問をされることがあります。
これらは、国民生活センターが消費生活相談を継続して続けていくために情報収集することを目的としているため、応じるようにしましょう。
5.原則本人が相談する必要がある
消費者センターへの相談は、原則として本人が相談する必要があります。
ただし、トラブルに遭った本人が、認知症や病気によって電話するのが困難だという場合や、介護をしている方からの相談については、受け付けてもらうことができます。
振り込め詐欺被害に遭ったらすぐに警察と金融機関へ連絡を
明らかに被害に遭ったと確信できるときは、警察と金融機関へすぐに連絡しましょう。
ケースによって、振り込んでしまったお金を取り戻すことができるかもしれません。
「振り込め詐欺救済法」で被害回復できる可能性がある
日本には、振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)という法律があります。
この法律によれば、金融機関は振り込め詐欺救済法に基づき、犯罪被害によって資金が振り込まれた口座、つまり被害者がお金を振り込んでしまった口座をおよそ2ヵ月ほどで凍結することができ、加害者は口座や残っているお金を使う権利を失います。
その後、預金保険機構のホームページにおいて、被害者の資金分配をおこなうことを周知(公知)します。
所定の周知期間(60日以上)内に申請のあった方に対して、資金を分配するかたちで返還されます。
ただし、手続きの都合上、実際に資金をお返しできるまでには半年程度かかります。
そのため、被害者が多い場合は自分の被害総額全てが返ってこないこともあります。
また、加害者が口座からすでにお金を引き出してしまっていた場合は口座残高が少なくなるため、ほとんど取り戻せないというケースもあります。
被害回復分配金を支払ってもらうには金融機関へ申請を
振り込め詐欺の被害に遭ったら、すぐに警察や振込先の金融機関に連絡することが重要です。
しかし、ただ報告するだけでは被害回復分配金を受け取ることはできないため、金融機関への申請が必要です。
なお、申請時には次のようなものが必要です。
- 各金融機関が指定する申請書
- 運転免許証などの本人確認書類
- 振込記録など振り込んだことが確認できる資料
また、申請には期限があり、各金融機関が設定する60日以上の公告期間内におこなう必要があります。
被害に気づいたら、とにかく早めに専門機関に連絡しましょう。
振り込め詐欺救済法による返還は、手続きに半年ほどかかるうえ、口座残高が少なければ被害金の一部しか戻らないこともあります。1円でも多く取り戻したい場合や、投資話に絡む詐欺で相手方への直接請求を検討したい場合は、弁護士に相談することで、示談交渉や訴訟など制度外の回収手段も選択できます。初回相談無料やオンライン相談に対応している事務所もあるので、気軽に相談するのがおすすめです。
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さいごに|振り込め詐欺に遭ったらすぐに相談!
くり返しになりますが、振り込め詐欺にあったら、警察や法律事務所などの専門機関へすぐに相談してください。
被害が確定しておらず怪しいと疑った時点でも、消費生活センターに相談することで判断やアドバイスを受けることができます。
正しい手続きをとることで被害金を取り戻せる可能性もあります。
また、自分が相談したことによってさらなる被害者を増やすのを防ぐことにつながるかもしれません。
決して一人で悩んだり躊躇したりせずに、しかるべき窓口に相談してください。
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