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事業承継型MBOの基礎知識|メリットやデメリット・仕組みや流れを紹介!

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 弁護士
監修記事
事業承継型MBOの基礎知識|メリットやデメリット・仕組みや流れを紹介!

事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことをいいます。
会社の更なる発展のために、事業承継はとても大きな問題ですよね。誰に、そしていつ引き継ぐかといった問題は、経営者の頭を悩ませるところだと思います。

今回は、事業承継の1つの手段としても位置づけられるMBO(Management Buy-Out:マネージメント・バイアウト)について、解説していきたいと思います。

事業承継の1つの形として、ぜひご理解いただければと思います。

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事業承継とMBOの基礎知識

事業継承には、親族内承継、親族外承継、M&Aなどがありますが、その中の1つとしてMBOという手段があります。これは「Management Buy Out」(マネージメント・バイアウト)の略称で、会社の代表者等の役員がオーナーから株式を取得することで、新たなオーナー経営者となる処理をいいます。

MBOは事業承継方法のひとつ

事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことを意味しますが、その中の1つの手段としてMBOがあります。

これまで日本では「家業」という意識から、その会社の後継者を、親族内の人物に選任することが主流でした。

しかし最近では、親族内承継が35%、親族外承継が65%と、その割合は親族内継承を大幅に越えています。会社内には有能な人物がいることも多々ありますし、役員や従業員であれば会社内部のことをよく知っているということから、それまで築き上げてきた事業を今後も発展させていける可能性が充分にあるといえます。

引用元:中小企業庁「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会(第1回)

MBOはそんな親族外承継の中の1つで、社内の役員(通常は代表取締役)に株式を譲渡することにより、その経営を引き継ぐことをいいます。

MBOの仕組みと概要

MBOとは、会社の代表者等役員が現オーナーから株式の譲渡を受け、その会社のオーナー経営者となる事業承継の形です。現経営者から株式を買い取る必要があるため、多額の資金が必要となるのですが、その際に株式を買い取ることを目的としたSPCという法人会社を設立し、SPC名義で資金を調達して株式譲渡を行うのが一般的です。

順序立てて説明しますと、

  1. 後継者となる役員が、現経営者から株式の買い取り資金調達のためにSPCを設立
  2. 法人会社であるSPCが、金融機関から融資を受ける
  3. SPCが現経営者に株式の購入代金を支払い、現経営者から株式の譲渡を受ける
  4. SPCと対象企業が合併し、後継者の役員がその企業の経営者となる
  5. 事業承継が完了

図にするとこのような感じです。

④まで済んだ後、SPCと現経営者の所有する会社が合併し、その新会社の経営を後継者である役員が引き継ぎ、事業承継が完了となります。

EBOとの違い

MBOが役員に株式を譲渡して、その経営を譲ることに対して、EBO(Employee Buy out:エンプロイー・バイアウト)は、役員ではなく従業員に株式を譲渡し、その後継者として任命することをいいます。

つまりMBOとEBOの違いは、会社の後継者となるのが「役員」であるのか、「従業員」であるのかということです。

MBOは最終的には合併

社内の役員が会社の株式を買収して経営権を握ることをMBOとご説明しましたが、その全てを自己資金で買い取ることは稀であり、ほとんどの企業が買い取り資金を銀行やファンドから調達します。

上の図のように、まずはSPCと呼ばれる株式の買い取りを目的とした会社を設立します。

そのSPCが事業継承を行う会社の株式を買い取り、その後に両者が合併をするという流れが一般的ですね。

近年ではこうした融資制度を金融機関でも奨励しているケースが多く、後継者は金融機関からの融資を受け、現経営者から株式を購入します。

事業承継でMBOを利用するメリットとデメリット

事業継承を行う際にMBOという手段を使うメリットとデメリットには、どんなものがあるのでしょうか?ここではそれぞれについて、ご説明していきます。

事業承継MBOを活用するメリット

MBOは、会社の事情や経営方針をよく知る役員が後継者となることで、その承継がスムーズに進むということが大きなメリットです。優秀な役員にその経営権を譲ることにより、会社の発展に大きな力となるケースも多いでしょう。

事業承継MBOを活用するデメリット

一方、事業継承型MBOのデメリットとしては、資金の調達が難しいということが挙げられます。経営権を譲ってもらうために必要になる株式は3分の2以上ですから、なかなかその買収ができないということがほとんどです。

このように、多額の資金を出資してくれる銀行やファンドの協力が必須であるという点はMBOのデメリットといえるかもしれません。

事業承継型MBOの流れ

それではここで、事業継承型MBOの流れについて簡単に解説していきます。

SPCを設立する

事業承継型MBOとは、社内の役員が株式を買収して経営権を掌握することですが、その資金を調達するのは難しいということをお伝えしました。その際、SPCという受け皿になる会社を設立し、このSPCが承継を行う会社の株式を買収します。

SPCは事業を行うための会社ではなく、株式の買収という特別の目的を果たすために設立される会社として機能しています。

SPCの目的とメリット

SPC設立のメリットは、MBOスキームに要する資金について、個人資金と別個独立の管理が可能になる点、外部からの借入をSPC名義として行うことでMBOを行う役員が直接夫妻を負うことを回避できる点が挙げられます。

買取資金を調達する

SPCを設立し、まずは金融機関から資金を調達する必要があるのですが、ここが最大の難関箇所です。その会社の成長性、または財務体質などから、資金を調達できるかが判断されます。

これらの結果、資金を融資するのに適性ではないと判断された場合は、資金調達ができない可能性もあります。

SPCが経営者から株式を買い取る

無事に資金を調達できたら、SPCがその会社の現経営者から株式を購入します。

合併する

そして最後にその会社とSPCが合併し、経営権を掌握して、借入金を返済していくという流れです。

事業承継型MBOの注意点

事業継承型MBOには、次の2つの注意点が存在します。

資金の調達が難しい

まずはやはり、資金の調達が難しいことです。MBOの仕組みはここまでお伝えしてきたように、現経営者の株式を社内の役員に譲渡して、事業を承継していくいことです。

しかし、この株式を買収するには莫大な資金(株式の3分の2以上)が必要なため、多くの場合はSPCを設立し、資金調達をしていきます。会社の更なる発展のためにMBOという制度が存在するのですが、そこにまず立ちはだかるのが、資金調達という大きな問題です。

まとめ

今回は、事業承継の1つの手段であるMBOについて、解説してきました。この記事でもお伝えしたように、最近は親族内承継よりも親族外承継の割合の方が高く、それまでの役員を後継者とするMBOでの事業承継も増えてきています。

そこには資金調達という大きな障害がありますが、それを解消する方法としてSPCという会社を設立する手段も存在しています。

ぜひこの記事をご覧いただき、事業承継の1つであるMBOについて、理解を深めていただけたらなと思います。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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