マンション管理費の滞納トラブルは大きな悩みの1つです「平成25年度マンション総合調査結果|国土交通省」によると、管理費の滞納者がいるマンションの管理組合の割合は、全体の37%を占めます。
管理費の消滅時効は5年であるため、現在、滞納者を抱えている方は、できるだけ早く対応しなければなりません。今回の記事では、滞納されている管理費を回収する方法を紹介していきます。
「今すぐ管理費を回収したい人」必見!!
未払いの管理費、今すぐにでも回収したいですよね。何度催促しても支払ってくれない相手には、弁護士を通して催促するようにしましょう。
弁護士に相談することで以下のようなことが望めます。
- 督促状・内容証明の作成・送達
- 裁判になった場合の手続き・代理
- 債務者との交渉
- 立ち退きを請求すべきかの相談
- 立ち退き請求をする場合の手続 など
弁護士に依頼することで、最大限の金額を回収できる可能性があります。債債務者が破産・再生手続きを行う前に、弁護士にご相談ください。
マンションの管理費を滞納された場合の対処法
マンション管理費を滞納された場合、基本的に以下のような流れで対応していきます。
|
では詳しくご紹介していきます。
1:文書による支払いの催促(滞納から1ヶ月以内)
初めての滞納で、支払い期限から1ヶ月以内の場合は、相手が支払いをうっかり忘れていることがあります。まず、文書で「支払われていない旨、いつまでに支払って欲しいかなど」を明記し、滞納者に送りましょう。
2:内容証明郵便で催告書を発送する
1ヶ月以上滞納しており、支払いに関する書類を送っても無反応だったり、「払う」というものの一向に支払いがなかったりする場合は、弁護士を通し催告書を内容証明郵便で発送してもらいましょう。
内容証明は、文書の内容や発送日時、宛先、送り主を公的に証明できる郵便方法になるので、裁判での有効な証拠になります。また、弁護士を通して発送することで、相手に精神的プレッシャーを与えられるため、受け取ってすぐ支払いに応じるケースも珍しくありません。
3:支払督促など法的手段に出る
催告書を送っても反応がなかったり、交渉が成立しなかったりする場合は法的手段に訴えましょう。この段階で行える法的手段は主に3つです。
- 支払督促
- 少額訴訟(債権額が60万円以下の場合)
- 民事訴訟(通常訴訟)
支払督促は、申立てが認められれば裁判所から滞納者に対し支払い命令が下される法的手続きです。民事訴訟(通常訴訟)は、少額訴訟と異なり請求額に上限がないため、債権額が60万円以下の場合でも選択できます。2、3では、滞納者に対し支払いを求める訴訟手続きになります。どの法的手段が最適かは弁護士と相談し決定しましょう。
4:滞納者のマンションを競売にかける
法的手続きを申し立て、訴訟し滞納者の支払いが認められたにも関わらず、支払いがない場合、滞納者のマンションの差押えを申し立てることが可能です。これを「不動産執行」といい、滞納者のマンションを差押え強制的に売却することで、債権を回収する方法になります。
もし、マンションを競売にかけても債権額を回収できない場合は、他の財産が差押えられないかも検討しなくてはなりません。
マンションの管理費だけでなく、賃貸物件の家賃滞納や、支払いに応じない入居者の立ち退きに頭を悩ませている方には、以下の記事も参考になります。
不動産の差押えを弁護士に依頼した場合の費用
事務所により料金設定が変わりますので、あくまで目安として参考にしてください。確実な費用につきましては相談の際、各事務所に相談しましょう。
<着手金>
着手金は一般的に、滞納者に請求する金額によって変動します。
|
請求金額 |
請求金額に対する割合 |
|
300万円以下 |
4~8% |
|
300万円~3,000万円以下 |
2.5~5% |
|
3,000万円~3憶円以下 |
1.5~3% |
<報酬金>
報酬金は一般的に、滞納者から回収できた金額によって変更します。
|
回収金額 |
回収金額に対する割合 |
|
300万円以下 |
4~16% |
|
300~3,000万円以下 |
2.5~10% |
|
3,000万円~3億円以下 |
1.5~6% |
着手金・報酬金の相場を見て、費用倒れにならないか不安に感じた方もいるかもしれません。管理費の滞納者がそのまま賃貸物件の家賃も滞納していたり、支払いに応じず居座り続けたりするケースでは、立ち退きまで見据えた対応が必要になることもあります。初回相談無料やオンライン相談に対応している事務所もあるので、気軽に相談するのがおすすめです。
→今すぐ家賃滞納・立ち退きに強い弁護士に相談する
マンションの管理費滞納が発生した場合の注意点
マンションの管理費滞納が発生した場合、正しい回収方法について注意・確認すべき点がいくつかあります。ここでは、まず確認すべき注意点についてご紹介します。
また、2026年4月1日に施行された区分所有法等の改正によりマンション管理に関するルールが見直されているため、滞納対応の具体的な手続きを進める前に、管理組合の管理規約や集会決議の内容もあわせて確認しておくことをおすすめします。
請求前にマンション管理費の時効を確認する
マンションの管理費の消滅時効は最終支払い日の翌日から起算して5年です。そのため、5年を超える滞納金については、時効の援用を行われると請求できなくなります。ただし、4月1日以降に発生した債権に関しては、権利行使可能であることを知ってから5年に統一されました。
ただし、時効成立前に内容証明を送って催告すれば、時効の完成が6か月間猶予されます(この間に裁判上の請求など別の手続きをしなければ、時効はそのまま完成します)。まず、あなたが抱える債権の時効がいつになるのか確認し、必要であればすぐにでも時効の完成猶予・更新の手続きを検討しましょう。
自分で催促する場合は方法や言動に注意する
滞納されている管理費を回収する際、まずはご自身で回収しようと検討するかと思います。しかし、その場合は、方法や言動に注意しなければなりません。
例えば、書面で催促する場合も、「期限内に支払わなければ力ずくでも追い出す」などと記載して支払いを求めることは、脅迫や恐喝などに抵触する恐れがあります。また、毎日何十枚の催促書を投函したり、家・職場に対する執拗な電話や訪問したりする行為も絶対にやめましょう。
一度送っても、反応がない場合、弁護士に依頼してしまった方が安全でより早い解決を望めます。
滞納者名などは公表しない
滞納者に早く支払ってもらおうと、許可なくマンション内の掲示板などに滞納者の氏名や住所、滞納額を掲示・公開することは絶対にしてはいけません。このような行為は、プライバシーの侵害や名誉毀損などとして、責任を求められる可能性があります。
遅延損害金の利率に注意する
遅延損害金の利率は、年10%~18.25%の間を適用していることがほとんどです。あまりに高い利率を請求すると滞納者は余計に支払えなくなったり、裁判で「公序良俗に反する」として要求が無効になったりします。
どのくらいの利率が妥当かは、弁護士と相談して決めることをおすすめします。
状況別|管理費の滞納者へ債権回収する方法
では、最後にシチュエーション別に滞納された管理費を回収する方法を確認していきましょう。
既にマンションに抵当権が設定されていた場合
まず、一般的にマンションを購入する上で、住宅ローンを組みますが、銀行はローンの返済ができなかった場合に備えて、マンションに抵当権を設定します。
抵当権者(銀行)は、マンションが競売されると、売却代金から優先的に配当を受けることができますが、一般的な債権者は残った配当金から弁済を受けることになります。そのため、一般的な債権者は、マンションを競売にかけても十分な弁済を受けることは難しいでしょう。
一応、管理費に関しては、区分所有法第7条から、優先的に弁済を受けるための先取特権が認められていますが、抵当権等担保権者には優先できません。
第七条 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三百十九条 の規定は、第一項の先取特権に準用する。
引用:第七条:区分所有法
なお、59条競売によっても管理費を回収するだけの十分な弁済を受けられる可能性は低いですが、その場合、競売により新たにマンションを取得した者へ残りの管理費を請求することができます。
第八条 前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。
引用:第八条:区分所有法
滞納者がマンションを売却した場合
もし、滞納者がマンションを売却した場合、滞納した管理費はどうやって回収すればいいのでしょうか。この場合も区分所有法第8条から、マンションの購入者へ管理費を請求することが可能です。
売却物件だが入居者が見つからない場合
売却予定物件であれ入居者が見つかるまでの間は、管理費が発生します。売却が決まるまでは、マンションの所有者は売主であるため、管理費は売主が負担しなければなりません。
マンションが相続された場合
管理費の滞納者が死亡した場合、管理費は誰に請求すればいいのでしょうか。もし、相続人が滞納者のマンションを相続した場合、相続人へ請求することができます。
また、管理費は一般債権として共同相続人が相続分に従い相続しますので、各共同相続人に対して請求することも可能です。
まとめ
以上が管理費の滞納を防ぐ方法や、滞納した管理費を回収する方法になります。管理費の滞納でお悩みの方に、今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。また、管理費を回収する上でどうしたらいいかわからない方は、弁護士に相談してみるのもいいでしょう。
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