債権譲渡を弁護士に依頼することで、主に以下のようなメリットがあります。
- 第三債務者が支払ってくれるのか、企業調査を行ってくれる
- 譲渡される債権に不備(事項間近、二重譲渡など)がないか確認してくれる
- 債権譲渡によって、こちら側に損害が発生しないかチェックしてくれる
- より確実な回収が望める
債権回収は、タイミングと交渉方法が重要になります。
債務者が破産してしまうと、弁護士でも回収できません。
本格的な債権回収・債権譲渡を検討している方は、できるだけ早い段階でご相談ください。
債権譲渡が完了した後、譲渡した債権の債務者へ、債権譲渡通知書を郵送しなければなりません。債権譲渡通知書とは、債権が譲渡人から譲受人へ譲渡された事実を知らせるための通知書であり、債務者に債権者が変わったことを知らせるためにも債権譲渡通知書の郵送は必要です。
また債権を譲り受けた譲受人にとって、債務者へ債権を施行するためにも、なるべく早く債務者へ債権者が変わったこと事実を知らせたいと思うのではないでしょうか。
今回の記事では、債権譲渡通知書を作成するにあたり、事前に抑えておくべき知識、実際の作成方法から、どのような手順で債務者へ通知書を郵送していくのかを紹介していきます。
債権譲渡を弁護士に依頼することで、主に以下のようなメリットがあります。
債権回収は、タイミングと交渉方法が重要になります。
債務者が破産してしまうと、弁護士でも回収できません。
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まず債権譲渡通知書を作成する上で、抑えておくべき基本事項から紹介してまいりたいと思います。
そもそも債権譲渡通知書は、債務者へ債権者が変わったことを知らせるための通知書ですが、何故、譲受人にとって通知書を郵送する必要があるのでしょうか。
その理由の一つは、債務者への対抗要件を取得するためです。対抗要件とは、債権を主張するために必要な要件であり、譲受人が債務者へ対して債権の効力を発揮するためには、まずは債務者への対抗要件を取得しなければなりません。
債権譲渡通知書を債務者へ郵送することで、債務者への対抗要件を取得することができるために、債務者への通知を行う必要があります。
また、譲受人が債権の効力を発揮するためには、譲渡人、譲受人、債務者以外の第三者へ対抗要件の取得をしなければいけません。第三者への対抗要件の取得とは、公的に債権者であることを主張するための要件であり、二重に債権譲渡が行われた場合に備えて必要です。
もし債権者が複数存在する場合、債務者は誰に返済するべきなのかわかりません。債務者を保護するためにも誰が正式な債権者かを明確にする必要があり、第三者への対抗要件の取得が必要になります。
第三者への対抗要件を取得するためには、確定日付を取得しなければなりませんが、確定日付とは公的に債権譲渡が行われたことを示すための日付です。もし債権者が複数存在する場合、この確定日付を先に取得した債権者が正式な債権者として債権を公的に主張することができます。
一般的な、債務者へ債権譲渡通知をする際、内容証明郵便が用いられますが、内容証明郵便における局印が確定日付になるためです。
上記のことを踏まえると、譲受人は債権を主張するためにも、早く対抗要件を取得するためにも債務者への通知を済ませたいはずですが、原則、通知書は譲渡人が郵送する決まりです。そのため債権が譲受されたからといって、譲受人には債務者へ通知する権限はありません。
しかしながら譲受人は、代理人としての通知書を債務者へ郵送することは可能です。そのため、債権譲渡契約書の内容に、譲渡人の代理人となる項目を含めた上で譲渡人から署名と捺印を貰いましょう。
また予め債権譲渡通知書を用意しておいて、契約書を交わす際に、通知書の譲渡人の記入欄に署名と捺印を貰うことで、手続きが早く完了させることができます。
参照:「債権譲渡契約書の効力を発揮する為の作成方法と知識のまとめ」
契約書を交わす際に、印紙税がかかることはありますが、債権譲渡通知書自体に印紙税はかかりません。債権譲渡通知書は債権が譲渡された旨を債務者へ報告するための通知書であり、債務者と債権者の間で新たな契約が交わされたわけではないためです。
もちろん債権譲渡において譲渡人と譲受人は新たな契約を結んでいるため、債権譲渡契約書には印紙税が発生します。この際、契約金が1万円未満であれば非課税、1万円以上の場合、200円の印税がかかります。
参照:「印紙税額の一覧表|国税庁」
また、債権譲渡の通知方法については、下記の記事を参考にしてください。
債権譲渡を弁護士に依頼することで、主に以下のようなメリットがあります。
債権回収は、タイミングと交渉方法が重要になります。債務者が破産してしまうと、弁護士でも回収できません。本格的な債権回収・債権譲渡を検討した際は、できるだけ早い段階でご相談ください
では実際に、債権譲渡通知書を作成する上でのポイントや作成方法を確認していきましょう。
契約書ではないにせよ、通知書は債務者への対抗要件を取得したことを証明するための書類です。そのため公的な書類として提示できるよう、以下で紹介する最低限のルールを抑えましょう。
<債権譲渡通知書を作成する際の基本事項>
タイトルを債権譲渡通知書にする
文面の内容は手書きでもパソコンでも可能である
住所・署名は自筆にする
押印は実印にする
上記のルールを抑えた上で、債権譲渡通知書に含めるべき内容について確認していきますが、以下の内容を含めることが一般的です。
譲渡した事実
譲渡人の氏名
譲渡する債権
譲受人の氏名
日付
譲渡する債権に関しては、なるべく債権が特定できるように、債権額、契約の内容、債権の種類、債権が発生した期日などを記載しましょう。
以上の内容を踏まえた上で、実際の通知書のサンプルを提示します。債権譲渡通知書を作成する上で、下記の通知書の雛形を参考にしてください。
債権譲渡通知書
住所 (債務者の住所) 記(譲渡した債権) 振込口座 金融機関名 ○○銀行 支店名 ○○店 |
債権譲渡通知書が完成したら、今度は実際に、内容証明郵便を介して債務者へ通知書を郵送します。
内容証明郵便を利用するにあたり、内容証明郵便にて指定された規定を守りながら通知書を作成することが必要です。
既定の一つとして文字数の制限がまずあげられますが、縦書きの書式の場合、1行あたり20文字以内、1枚26行以内、横書きの場合、1行あたり13文字以内、1枚40行以内または26字以内20行以内に収めなければいけません。また句読点、括弧なども一文字としてカウントされます。
また、用紙の種類やサイズに規定はありませんが、内容証明郵便では自分用と郵便局での保管用の作成も別途で作成する必要があり、郵送相手に使用する用紙と統一させなければなりません。また実印以外の印鑑も使用することは可能ですが、2枚以上の書面の際には、綴じ目に契印をする決まりがあります。
内容証明郵便は全ての郵便局で利用できるわけではありません。地方郵政局長が指定した集配郵便局にて利用することができるため、事前に内容証明郵便の取り扱いが可能なのかどうか確認しましょう。
また利用の際は、印鑑、郵便する書面を3通(自分用と郵便局の保管用を合わせて3通)と、封筒を事前に用意することが必要であり、封筒の表面には郵送先(債務者)の氏名と住所、裏面に自分の氏名と住所を記載します。郵便局側で書面の内容をチャックするため封筒の封は閉じないでおきましょう。
郵送にかかる費用として内容証明郵便では、書留料の430円、内容証明料の430円(2枚目以降1枚につき260円)、配達証明料の310円が手数料としてかかります。
内容証明郵便は、一般の郵便と比べると割高です。そのため譲渡された債権の数が多い場合など、譲渡される債権に伴う債務者の数が多くなるほど、内容証明郵便を介した債務者への通知費用は高額になります。
そこで、債務者の数が多い場合、コストを抑えるために債権譲渡登記制度を利用するのが一般的です。
債権譲渡登記制度とは、債権が譲渡された記録を登記する制度であり、登記することで公的に債権譲渡の事実を示すことができます。公的に事実を示すことができるということは、登記をすることで第三者への対抗要件を取得することと同じです。
つまりは債権譲渡の登記が完了すれば、第三者への対抗要件を取得したことになるため、あえて内容証明郵便を利用する必要がありません。
そのため債務者の数が多い債権譲渡では、債権譲渡登記を介して第三者への対抗要件を満たし、簡易郵便などで債務者への通知を行うことで債務者への対抗要件を満たすことが一般的です。
では債権譲渡を登記するためにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。登記費用は、債権の数に応じて高額になりますが、債権数が5000個以下の登記に関しては、債権数一件あたり7500円、債権数が5000個を超える登記の場合、一件につき15000円の登録免許税を納めなければなりません。
詳しくは、法務局のホームページにてご確認ください。
参照「登記申請の手続き|法務局」
債権譲渡登記制度を利用するにあたり、譲渡人、譲受人の両方が揃って東京法務局にて、登記の申請を行います。
登記の申請するためには、申請書と同時に以下の書類を添えて提出しなければなりません。
・譲渡人(法人)の代表者の資格証明書
・譲受人(法人)の代表者の資格証明書
・委任状(代理人が申請する際の代理権限を証明する書面)
資格証明書に関しては、作成から3ヶ月以内の証明書に限り有効です。また、申請書のフォーマットについては、法務省のホームページか(参照:「債権譲渡登記の申請|法務省」)直接、ダウンロードしてください。
債権譲渡の登記が完了次第、債務者の対抗要件を取得するためにも、各債務者へ登記事項証明書を郵送します。また登記するためにも、ある程度の費用がかかりますが、債務者の数が多いあまり内容証明郵便を利用するよりも、登記にかかる費用が安い場合に債権譲渡登記制度が有効的です。
そのため、債権譲渡登記制度を利用した際にかかる費用の合計額と、内容証明郵便を利用した際にかかる費用の合計額を見比べた上で、どちらの方法を利用するのか判断しましょう。
債権譲渡の登記をする上で、登記上の効力が発生する期間を設定しますが、設定期間には上限があります。譲渡する債権の債務者が特定されていれば50年以内、特定されていなければ10年以内です。
もし、規定された設定期間の上限を超えた年数を設定する場合は、超える事由を証明する書類を、申請時に申請書に添えて提出する必要があります。
債権譲渡通知書の作成は、債権を譲り受ける譲受人にとって、債権の効力を発揮するために重要です。対抗要件を取得するためにも、通知書の作成に限らず、弁護士に依頼した方が手続きはスムーズに進みます。
今回の記事をお読みになった方が、債権譲渡をする上で参考にしていただけたら幸いです。
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