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支払い督促
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支払督促を弁護士に依頼するメリットと費用の相場

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五十嵐 沙織 弁護士
監修記事
支払督促を弁護士に依頼するメリットと費用の相場

支払督促は、訴訟などの回収方法と比べると手続きが簡易的ではありますが、やはり弁護士などの専門家のサポートがあったほうが心強いでしょう。

相手がすんなり支払いに応じてくれない場合や、自力で手続きができるか不安な場合などでも、弁護士に依頼することでスムーズな債権回収が望めます

本記事では、支払督促を弁護士に依頼するメリットや費用相場、支払督促が向いているケースや弁護士を探す際のポイントなどを解説します。

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支払督促の流れ

弁護士に依頼する前に、支払督促における最低限の知識は知っておいたほうがよいでしょう。

支払督促とは、裁判所から債務者に対して債務の支払いを命じてもらう手続きで、「仮執行宣言付支払督促」という債務名義を取得できる手続きでもあります。

仮執行宣言付支払督促を取得すれば、債務者が保持する金銭債権などを強制的に差し押さえたりして債権回収できるようになります。

仮執行宣言付支払督促を取得するまでの主な手順は以下のとおりです。

  1. 支払督促の申立
  2. 支払督促の発付・送達
  3. 仮執行宣言の申立
  4. 仮執行宣言の発付・送達

なお、支払督促を申し立てると債務者には通知が届き、この通知には債務者が異議を申立てるための「督促異議申立書」が同封されています。

書類の送達から2週間以内に債務者から異議申立てをされた場合には、支払督促から通常訴訟へ移行しなければなりません

支払督促を利用したほうがよい人

特に以下のようなケースにあてはまる場合は、支払督促が有効です。

債権者側に落ち度がない

支払督促は、訴訟などと比べると手続きが簡易的であまり時間がかからないという点がメリットですが、異議申立てをされて訴訟へ移行してしまったら、結果的に手間も時間もかかることになります

督促異議申立てがおこなわれるのは債務者側が強気なケースが一般的で、そもそも債権者と債務者の間で債権の取り決めについて問題がある場合が多いです。

そのため、こちら側にある程度の落ち度があるようなケースでは、支払督促はあまり債権回収において適切な手続きではありません。

一方、こちら側に落ち度がなければ、そもそも弁済に応じない債務者のほうが圧倒的に不利な立場にあるため督促異議の申立てをしてこない可能性があり、支払督促が有効です。

債権が金銭債権である

支払督促の場合、請求対象となる債権は金銭債権に限定されています。

これは、支払督促というものが、裁判所が民事間での金銭関係における紛争を処理するうえで、簡易的に済ませることを目的に作られた制度だからです。

回収したい債権が金銭債権であれば、支払督促を検討しましょう。

相手の所在地がわかっている

支払督促は、相手側の所在地がわかっていないと利用することができません

支払督促では、相手側の住所地を管轄する簡易裁判所へ申立てをおこなう必要があります。

すでに所在地などを把握しているのであれば、支払督促の利用を検討しましょう

支払督促を弁護士に依頼するメリット

支払督促は弁護士なしで自分でおこなうことも可能ですが、弁護士に依頼すれば以下のようなメリットが望めます。

申立書などの書類作成を任せられる

支払督促は簡易的とはいえ裁判所を介した手続きであり、申立書類の作成収集などにある程度の手間と時間を要します

裁判所の書類チェックは厳しく、記入漏れや書類不足などがあった場合には受理してもらえません。

そのような事態を防ぐためにも、裁判所の手続きに慣れている弁護士に書類作成などを任せるのは負担を減らす意味でも効果的です。

訴訟へ発展した場合も対応してくれる

債務者が督促異議申立てをおこなった場合は訴訟へ移行することになりますが、訴訟手続きでは手間と時間を要するため負担が大きくなるでしょう。

訴訟を取り下げることも可能ですが、仮執行宣言付支払督促の取得後であれば強制執行の手続きと並行しておこなうべきです。

訴訟と強制執行の手続きは別々でおこなわなければいけないため、より手続きの負担が重くなることが想定されます。

弁護士に依頼する大きなメリットとして、弁護士であれば訴訟に関する手続きや出廷時の代理人なども任せられるという点があげられます。

依頼者の状況に合った解決方法を提案してくれる

なかには手続きが簡易的であることを理由に支払督促を検討している方もいるかもしれませんが、債権内容・債務者または債権者自身の状況などによって適切な債権回収の方法は異なります

弁護士に依頼する大きなメリットとして、これまで数多く扱ってきた事案での経験をもとに、依頼者に合った債権回収の方法をアドバイスしてくれるという点もあります。

支払督促を成功させるための弁護士の選び方

ここでは、弁護士を探す際にどのような点をチェックするべきか解説します。

法人相手の債権回収の実績が豊富か

弁護士を探す際は「法人相手の債権回収の解決実績が豊富な弁護士」を選びましょう。

弁護士の対応分野は幅広いうえ、弁護士によって得意とする分野は異なります。

多くの法律事務所はホームページ上に解決実績や注力分野などを掲載しているため、実際にホームページの情報を確認してみるのもよいでしょう。

なお、当サイト「ベンナビ債権回収」では債権回収が得意な全国の弁護士を掲載しており、相談内容や地域を選ぶだけですぐに弁護士検索できます。

弁護士への相談や依頼を検討している方は、一度利用してみることをおすすめします。

弁護士との相性が良いか

弁護士を探す際は「弁護士と相性が合うかどうか」も重要なポイントです。

支払督促を依頼する場合、弁護士とは二人三脚で取り組まなければなりません。

その際、弁護士に的確に動いてもらうためには十分に話し合って情報共有などをする必要がありますが、お互いの相性が悪いとそれも難しいでしょう。

債権回収を成功させるためにも、正式に支払督促を依頼する前に、相談の段階で弁護士と自分との相性の良さを確認しておく必要があります

過去に問題を起こした弁護士でないかどうか

基本的にトラブルの多い弁護士は避けたほうがよいでしょう。

「不当に高額な弁護士費用を請求した」「依頼を受けたにもかかわらず十分な仕事をしなかった」など、問題を起こした弁護士は弁護士会から懲戒処分を受けることになります。

弁護士懲戒処分検索センター」で懲戒処分を受けた弁護士を確認できるため、依頼をする前に確認してみましょう。

支払督促を弁護士に依頼した場合の費用の相場

支払督促を弁護士に依頼する場合、以下のような相談料・着手金・成功報酬などの弁護士費用がかかります

項目

相場

相談料

1時間あたり5,000円~1万円程度

着手金

請求額によって異なる

成功報酬

回収額の15%~20%程度

ただし、あくまでも上記は一例にすぎず、依頼先事務所によってもバラつきがあるほか、別途実費や日当などが請求される場合もあります。

ここでは、支払督促でかかる主な弁護士費用について解説します。

相談料|1時間あたり5,000円~1万円程度

弁護士に債権回収を依頼する際、まずは弁護士と法律相談をおこなうのが通常です。

ここでは、債権回収の方法や裁判手続きの内容などを相談でき、1時間あたり5,000円~1万円程度の相談料が発生します。

ただし、事務所によっては初回相談無料のところもあります。

着手金|請求額によって異なる

相談後に弁護士へ支払督促を依頼する場合、着手金という費用が発生します。

着手金は依頼結果にかかわらず発生し、基本的に事件処理に失敗しても返金されません。

基本的には支払督促で請求する金額に比例して高額になり、一応の目安としては以下のとおりです。

請求額

費用相場

100万円未満

15万円程度

100万円~300万円未満

24万円程度

300万円~500万円未満

30万円程度

500万円~1,000万円未満

50万円程度

1,000万円~5,000万円未満

80万円程度

5,000万円~1億円未満

100万円程度

1億円~

150万円程度

成功報酬|回収額の15%~20%程度

弁護士に依頼して債権回収が成功した場合、成功報酬が発生します。

成功報酬の相場としては回収額の15%~20%程度ですが、実際のところ弁護士事務所によっても異なります。

弁護士に依頼する際は、事前に費用の見積もりを出してもらいましょう。

裁判所費用

支払督促をおこなう場合、弁護士費用とは別に以下のような裁判所費用なども発生します。

支払督促申立ての費用

支払督促の申立てでは、主に以下のような費用がかかります

【収入印紙代・申立手数料】

請求金額

収入印紙代・申立手数料

100万円以下

10万円につき500円

100万円超500万円以下

20万円につき500円

500万円超1,000万円以下

50万円につき1,000円

1,000万円超10億円以下

100万円につき1,500円

10億円超50億円以下

500万円につき5,000円

50億円超

1,000万円につき5,000円

さらに、債務者の数に応じて郵便切手代がかかるほか、法人として申し立てる場合は資格証明書(450円)、請求先が法人の場合は登記簿謄本(600円)なども必要です。

支払督促の申立費用については以下の記事で詳しく解説しています。

仮執行宣言申立ての費用

仮執行宣言の申立てでは、郵券代として以下のような費用がかかります。

  • 債権者用:140円
  • 債務者用:1,250+85円×債務者数

督促異議申立てをされた場合の費用

債務者から督促異議申立てをされた場合、訴訟を取り下げるか通常訴訟に移行するかで費用が異なります

訴訟を取り下げる場合、申立手数料はかかりませんが、裁判所によっては郵券代が発生することがあります。

通常訴訟に移行する場合、郵券代として6,000円発生します。

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支払督促の弁護士費用の支払いが難しい場合の対処法

支払督促の弁護士費用を工面するのが難しい場合、以下のような方法が有効です。

無料相談を有効に活用する

法律事務所の中には、初回であれば相談料無料のところもあります。

ホームページなどで無料相談が利用できる事務所をリストアップして、いくつか回ってみるのもよいでしょう。

ただし、相談できる時間は限られているので、事前に質問内容をまとめておくことをおすすめします。

自分でまかなえない範囲だけを弁護士に依頼する

ある程度のところまで自力で対応して、難しい部分は弁護士に依頼するという手段もあります。

そのためには、事前に支払督促について知識を蓄えておくことが必要です。

「書類作成だけを依頼する」「訴訟に移行した場合だけ代理人として依頼する」など、依頼内容を限定すれば弁護士費用を安く抑えることが可能です。

ただし、弁護士事務所によってサービスの内容は異なるため、具体的な費用に関しては弁護士とよく相談しましょう。

事前に費用の見積もりを出してもらう

相談の段階で、弁護士費用の見積書を作成してもらうことも大切です。

支払督促では、場合によっては訴訟へ移行することもありますし、仮執行宣言付支払督促の取得後に債務者が弁済に応じなければ強制執行へ移行することになります。

状況によっても弁護士費用は変動するため、シチュエーション別に費用の見積もりを出してもらいましょう。

申立書を通して申立費用を請求する

支払督促を申し立てる際、申立書にて申立費用の請求に関する記述をすることで、債務者へ申立費用を請求することができます。

ただし、弁護士費用に関しては請求できないため注意が必要です。

支払い督促を弁護士に依頼する際のよくある質問

ここでは、支払督促を弁護士に依頼する場合によくある質問について解説します。

債権回収に時効はある?

債権には時効があり、時効期間を過ぎて時効成立したものについては請求できません

時効期間については、民法で以下のように定められています。

(債権等の消滅時効) 第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

引用元:民法第166条

支払督促は弁護士なしでもできる?

支払督促は弁護士なしでおこなうことも可能です。

ただし、十分な知識がないまま手続きを進めようとすると、記入ミスなどで受理してもらえないおそれもあるため、債権回収が得意な弁護士に依頼することをおすすめします。

まとめ

弁護士であれば支払督促の手続きを一任でき、ミスなく迅速に対応してもらえます

支払督促では回収が難しい場合も、弁護士なら代理人として訴訟などにも対応できるため、心強い味方になってくれます。

当サイト「ベンナビ債権回収」では初回相談無料の弁護士も多く掲載しており、弁護士への依頼を迷っている方もまずは一度相談してみましょう

支払い督促の利用をご検討中の方へ

支払い督促は誰でも簡易的に利用できますが、記入漏れなどが見つかった場合、申し立ては受理されません。

そして支払督促の申し立てが受理された後には、仮執行宣言申立書を作成しなければならないのです。

 

また支払い督促をしたことで、解決まで余計に時間がかかるケースも存在します。

支払い督促でお悩みの方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士に依頼をすれば、下記のような活動をしてもらえます。

 

  • 自身の状況にあった債権回収のアドバイス
  • 支払い督促に必要な書類を作成
  • 債務者との交渉の代理

 

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
広尾有栖川法律事務所
五十嵐 沙織 (第一東京弁護士会)
経営コンサルタントや一般企業の監査役、企業内弁護士としての経験を有する。企業の債権回収を中心に、個人間の債権問題にも柔軟に対応している。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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