内容証明は養育費回収の第一歩です。弁護士事務所を通して内容証明を送付することで、相手に精神的なプレッシャーをかけられるため、今まで応じようとしなかった相手が急に応じるケースもあります。
ただし、滞納された養育費が100万円以下の場合は、費用倒れしてしまうリスクがありますのでご注意ください。
離婚した後、元配偶者は親権を手にした者に対して、養育費を支払う責任があります。しかし、養育費の支払いについて具体的に協議しないまま離婚し、婚姻関係を解消してから未払い問題に直面するケースも一定数あるようです。
厚生労働省の調査によると、離婚したシングルマザーの約80%が養育費を受け取れていないとされています(平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告|厚生労働省)。
このような問題を事前に防止するためには、公正証書を作成しておくことが重要ですが、それでも支払いが滞るケースもあるようです。
ここでは、養育費の支払いを滞る相手に対して効果的な、「内容証明の送達」という催促方法のメリット・デメリット、書き方や費用などを解説します。
内容証明は養育費回収の第一歩です。弁護士事務所を通して内容証明を送付することで、相手に精神的なプレッシャーをかけられるため、今まで応じようとしなかった相手が急に応じるケースもあります。
ただし、滞納された養育費が100万円以下の場合は、費用倒れしてしまうリスクがありますのでご注意ください。
内容証明郵便で催促することで、以下のようなメリットが見込めます。
・直接接触しなくても相手に支払いを催促できる ・未払いを催促した証拠となる ・相手にプレッシャーを与えられる |
なかには、「元配偶者と顔を合わせるのは抵抗がある」「相手の顔を思い出すだけでもストレスだ」と感じる方もいることでしょう。内容証明郵便は、特にそのような方にとって効果的な手段といえます。
内容証明郵便は文書でのやり取りですので、一切相手の顔を見ることはありません。
内容証明とは、日本郵便が提供するサービスの一つで、具体的には手紙の一種に区分されます。内容証明郵便は、送った書面を相手に送付したことを郵便局が証明してくれるため、相手が「そんな書面受領していない」と弁解することができなくなります。
内容証明郵便は、消滅時効が完成間際であるという場合に特に有効に働きます。このような場合に一時的に時効完成を停止するためには、「権利主張をした事実」を証明する必要があるところ、内容証明郵便で文書を送付していれば当該事実を端的に証明できます。
前述した通り、内容証明郵便は裁判時の証拠資料となるため、相手に対して「こちらは裁判の準備をしているんだぞ」という無言のプレッシャーを与えることができます。
内容証明郵便によって心理的なプレッシャーを与えることによって、相手によっては素直に催促に応じてくれる可能性もあります。
内容証明郵便で催促することで、以下のようなデメリットもあります。
・法的効力がないため無視される可能性がある ・作成・送付に手間がかかる ・元配偶者の住所がわからないと利用できない |
内容証明郵便は単に文書送付の事実を証明する手段に過ぎず、何ら法的拘束力を発生させるものではありません。
したがって、相手はこれを無視してもよいので、書面を送っても効果がないということはよくあります。内容証明郵便が功を奏しない場合は、裁判など、他の方法を検討する必要があるでしょう。
内容証明郵便では、書き方が細かく規定されており、作成時は十分に配慮する必要があります。さらに、ポスト投函ができない上、対応している郵便局も限られるため、紙媒体で作成・送付をしようとすれば大きな労力がかかることもあります。
普通の手紙と同様、送り先の住所がわからなければ送ることができません。そのような場合は、探偵などの調査機関に調査を依頼することを検討すべきかもしれません。
内容証明郵便の作成にあたっては、必要かつ十分な項目を記載することはもちろん、文字数や行数などの規定条件についても注意が必要です。ここでは、内容証明郵便の書き方について解説します。
内容証明郵便を作成する際は、差出人の住所・氏名・年月日・相手方の氏名・住所・本文などの事項を記載します。
本文には、相手に養育費の支払義務があること、同義務が履行されていないこと、その履行を求めることを明確に記載します。なお、支払わないと相手に殊更不利益を与えるような脅迫文言を記載すると、「恐喝行為」と評価される可能性がありますので、そのような記載は厳に控えましょう。
内容証明は所定の形式で利用する必要があります。こちらは郵便局の指示に従って下さい。また、その記載方法も以下のように厳格に決められています。
内容証明郵便では文字数や行数が制限されており、縦書きと横書きでそれぞれ異なります。なお、枚数については特段の決まりはありません。
縦書きの場合、1行20字以内・1枚26行以内と定められています。
横書きの場合、1行13字以内・1枚40行以内、1行20字以内・1枚26行以内、1行26字以内・1枚20行以内のいずれかに該当する必要があります。
一例として、相手に内容証明郵便を送る際は、以下のように作成します。
令和○年○月○日 東京都新宿区西新宿○丁目○番○号 アシロ 太郎殿 東京都○○区○丁目○番○号 アシロ 花子㊞ 請求書 私は、貴殿と平成○年○月○日に協議離婚しましたが、その際、貴殿は長男○○、次男○○、三男○○が成人するまで、1人あたり毎月4万円、計12万円の養育費を毎月末日限りで支払うことを約束しました。 しかし、貴殿は、令和○年○月以降の養育費を一切支払っておりません。そこで、本書をもって、現在に至るまでの滞納分合計○○万円及び、今後毎月12万円ずつの養育費の支払いをご請求いたします。 つきましては、本書面到達後1週間以内に、上記金額を私名義の口座あてに送金する方法にてご入金ください。 なお、万が一お支払いが確認できない場合、法的手続きへ移行する予定ですので、あらかじめご了承ください。 以上 |
内容証明郵便を送付する際は、枚数や送付方法によってかかる費用が異なります。ここでは、内容証明郵便の費用について解説します。
内容証明郵便は一般書留として扱われるため、書留料金として430円がかかります。さらに定型内郵便の基本料金82円に加えて、内容証明サービスの対価として430円もかかります。なお、2枚目以降は260円増しとなるため、あまり枚数が多くならないように注意しましょう。
費用例として、内容証明郵便を3枚送る場合、以下のように計算します。
430円(書留料金)+82円(基本料金)+430円(内容証明サービス対価)+(260円(2枚目以降の加算料金)×2)=1,462円 |
郵便局の窓口から内容証明郵便を送付する場合、さまざまなオプションがつけられます。
特に利用されることが多いオプションの一つとして、配達証明があります。配達証明も、内容証明と同様に、郵送した手紙について証明するサービスですが、以下のように証明内容が異なります。内容証明郵便を送る際は、配達証明もあわせて付けておくべきでしょう。
内容証明郵便で証明できること |
配達証明で証明できること |
・手紙を出した事実 ・提出日 ・手紙の内容 |
・相手が手紙を受け取った事実 ・受取日 |
郵便局では、wordファイルをインターネット上にアップロードすることで内容証明郵便を発送できる、電子内容証明というサービスも行っています。
窓口提出の場合は1枚520字までという文字数制限が設けられていますが、電子内容証明の場合は制限がありません。Wordの標準設定で作成した場合、1枚あたり約1600字まで記入できるため枚数を抑えることができ、文字数が多い場合などは割安となります。
例として、電子証明で1,500字の内容証明郵便を送る場合は、以下のように計算します。
430円(書留料金)+82円(基本料金)+15円(電子郵便料金)+375円+298円(謄本送付料金)=1,200円 |
窓口提出の場合、1,500字の内容証明郵便を送るには3枚提出することになり、提出時は1,462円かかります。この場合、電子内容証明を利用することで、262円安く済ませることができます。
電子内容証明で利用できる主なオプションは、配達証明と速達の2種類になります。配達証明は310円、速達は280円となっています。
内容証明は養育費回収の第一歩です。弁護士事務所を通して内容証明を送付することで、相手に精神的なプレッシャーをかけられるため、今まで応じようとしなかった相手が急に応じるケースもあります。
ただし、滞納された養育費が100万円以下の場合は、費用倒れしてしまうリスクがありますのでご注意ください。
相手方の対応姿勢によっては、内容証明郵便を送付したにもかかわらず、養育費が支払われないことも十分に考えられます。ここでは、そのような場合の対応について解説します。
内容証明郵便が奏功しない場合は法的手続を検討することになりますが、まずは手続きが簡単な「支払督促」を検討するとよいでしょう。
支払督促は、裁判所を通じて督促書を送付するだけの簡易・迅速な手続きです。相手方が督促書を受領した後異議を申し立てない場合、督促書に記載通りの権利が確定します。
他方、相手方から異議が申立てられれば、自動的に通常の裁判へと移行することになります。したがって、支払督促を行う際は、あらかじめ裁判まで見据えて検討するべきでしょう。
未払いの養育費を確実に回収する方法として、「強制執行」という方法があります。強制執行を行うには、養育費の支払義務が調停や審判などを通じて確定しているか、養育費の支払義務について明確化した公正証書に強制執行に受諾する旨が記載されている必要があります。
なお強制執行にあたっては、差押えをする相手方の財産を特定する必要があります。そのため、相手の預金口座を押さえるのであれば金融機関と支店名、相手の給与債権を差し押さえるのであれば相手の職場を特定する必要があります。
養育費の支払いが滞ってしまうと、最悪の場合、親権者側は日々の生活すら困難になってしまう可能性もあります。もし約束した養育費が支払われないような場合は、速やかに回収対応を行うべきでしょう。
具体的には、まずは親権を有しない相手親に連絡をとり、養育費の支払について協議するべきです。相手が連絡しても不通であるような場合は内容証明郵便などの書面送付を検討するべきでしょう。そのような対応をしても何ら支払がない場合は調停などの法的手続を検討しましょう。
なお、弁護士に頼るタイミングはいつでも問題ありませんが、早期から依頼しておいた方が選択できる方法も幅広くなるため、円滑な問題解決につながる可能性も高くなります。内容証明郵便を送る際は、弁護士の活用も視野に入れて検討すると良いでしょう。
内容証明は養育費回収の第一歩です。弁護士事務所を通して内容証明を送付することで、相手に精神的なプレッシャーをかけられるため、今まで応じようとしなかった相手が急に応じるケースもあります。
ただし、滞納された養育費が100万円以下の場合は、費用倒れしてしまうリスクがありますのでご注意ください。
◆100万円以上の債権回収に対応◆大手信託銀行の勤務経験◆元・司法書士、マンション管理士等も保有◆家賃滞納・明渡しの他、貸金・売掛金・請負代金のトラブルもご相談を。解決に自信があるからこその有料相談!
事務所詳細を見る【初回面談0円】相手先の納金滞納・未回収分の賃料回収など債権回収に関するお悩みを丁寧にサポート◎ 賃料の立ち退きから回収、個人的な貸金まで、安心してご相談ください【100万円以上の債権回収はお任せください】
事務所詳細を見る【顧問契約5.5万~|約2,000万円の債権回収実績】法人・個人事業主・不動産オーナー様の売掛金回収、未払い賃料回収なら◆企業の福利厚生でのご利用可◆オンライン面談◎※個人案件・詐欺のご相談はお受けしておりません
事務所詳細を見る債権回収でお困りなら弁護士へ無料相談がおすすめ
債権回収では、相手の出方や債権額によってはあまり効果が期待できない場合もあり、自分だけで債権回収を行なおうとしても適切な方法を選択することは難しいでしょう。
そもそも、今の状況でどのような方法を取ればいいのかを提案してくれる弁護士は、相談だけでも力強い味方となってくれます。
「ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)」では、債権回収を得意とする弁護士に直接ご相談ができ、相談料無料、初回の面談相談無料、全国対応で相談を受け付けいる事務所も多くいますので、法人・個人問わず、お金のことで悩み続けているなら、一度債権回収が得意な弁護士にご相談ください。
未払い養育費の回収方法として「内容証明郵便による催促」があります。「養育費が一向に支払われない」という方は、一度検討してみましょう。今回は、内容証明郵便で催促す...
「どうしても離婚相手が養育費を払ってくれない」という場合は、「差し押さえ」を検討するのが良いでしょう。そこで今回は、未払い養育費を差し押える流れや、成功のための...
元配偶者から養育費が支払われない場合は速やかに回収に動きましょう。ただし、回収方法はさまざまあってケースごとに適切な対応は異なるうえ、養育費には時効もあるため回...
慰謝料には時効が定められており、一定期間を過ぎて時効成立したものは原則回収できません。なお、ケースごとに時効期間や起算点などは異なりますが、規定の手続きを行うこ...
裁判所を通して慰謝料の支払いが決定したにも関わらず支払われない場合、さまざまな方法での債権回収が考えられます。この記事では、裁判所を通して慰謝料の支払いが決定し...
「調停で決まった養育費が支払われない」と悩む方のための手段として、「履行勧告」があります。今回の記事では、履行勧告を行う条件・方法・メリット・注意点などについて...
調停で合意した養育費の未払い問題は、早期に解決へ向けた対処をしていかなければなりません。相手に催告しても支払わないのであれば、強制執行による回収まで視野に入れる...
養育費未払いについては放置せず早めに対応することが肝要です。今回の記事では、養育費が支払われない場合の請求方法や請求期限、弁護士に依頼するメリットなどについて解...
未払いのままになっている養育費がある場合は、外部の相談窓口を利用することでスムーズな解決が望めます。この記事では、養育費未払いについて相談できる窓口・相談するメ...
相手が養育費を払ってくれない場合、ただ待っているだけではいつまで経っても回収できない可能性があります。こちらから回収に向けて動きましょう。そこで今回は、未払い養...
今回の記事では、強制執行をするのに必要な手続きの流れに加え、確実な債権回収をする方法、また強制執行される側の債務者の方に向けて強制執行を停止する方法について紹介...
裁判所を通して慰謝料の支払いが決定したにも関わらず支払われない場合、さまざまな方法での債権回収が考えられます。この記事では、裁判所を通して慰謝料の支払いが決定し...
養育費未払いに悩んでいる方にとって弁護士は心強い味方になりますが、弁護士費用が気になって依頼しようかどうか悩んでいる方も多いでしょう。この記事では、養育費未払い...
「どうしても離婚相手が養育費を払ってくれない」という場合は、「差し押さえ」を検討するのが良いでしょう。そこで今回は、未払い養育費を差し押える流れや、成功のための...
「調停で決まった養育費が支払われない」と悩む方のための手段として、「履行勧告」があります。今回の記事では、履行勧告を行う条件・方法・メリット・注意点などについて...
未払い養育費の回収方法として「内容証明郵便による催促」があります。「養育費が一向に支払われない」という方は、一度検討してみましょう。今回は、内容証明郵便で催促す...
「養育費の未払いを回収したい」、「強制執行で財産を差し押さえたいけど手順がわからない」などのお悩みを抱えているひとり親の方に向けて、この記事では強制執行で差し押...
調停で合意した養育費の未払い問題は、早期に解決へ向けた対処をしていかなければなりません。相手に催告しても支払わないのであれば、強制執行による回収まで視野に入れる...
慰謝料には時効が定められており、一定期間を過ぎて時効成立したものは原則回収できません。なお、ケースごとに時効期間や起算点などは異なりますが、規定の手続きを行うこ...
相手が養育費を払ってくれない場合、ただ待っているだけではいつまで経っても回収できない可能性があります。こちらから回収に向けて動きましょう。そこで今回は、未払い養...
相手が養育費を払ってくれない場合、ただ待っているだけではいつまで経っても回収できない可能性があります。こちらから回収に向けて動きましょう。そこで今回は、未払い養...
慰謝料には時効が定められており、一定期間を過ぎて時効成立したものは原則回収できません。なお、ケースごとに時効期間や起算点などは異なりますが、規定の手続きを行うこ...
未払い養育費の回収方法として「内容証明郵便による催促」があります。「養育費が一向に支払われない」という方は、一度検討してみましょう。今回は、内容証明郵便で催促す...
裁判所を通して慰謝料の支払いが決定したにも関わらず支払われない場合、さまざまな方法での債権回収が考えられます。この記事では、裁判所を通して慰謝料の支払いが決定し...
「養育費の未払いを回収したい」、「強制執行で財産を差し押さえたいけど手順がわからない」などのお悩みを抱えているひとり親の方に向けて、この記事では強制執行で差し押...
「調停で決まった養育費が支払われない」と悩む方のための手段として、「履行勧告」があります。今回の記事では、履行勧告を行う条件・方法・メリット・注意点などについて...
未払いのままになっている養育費がある場合は、外部の相談窓口を利用することでスムーズな解決が望めます。この記事では、養育費未払いについて相談できる窓口・相談するメ...
「どうしても離婚相手が養育費を払ってくれない」という場合は、「差し押さえ」を検討するのが良いでしょう。そこで今回は、未払い養育費を差し押える流れや、成功のための...
調停で合意した養育費の未払い問題は、早期に解決へ向けた対処をしていかなければなりません。相手に催告しても支払わないのであれば、強制執行による回収まで視野に入れる...
元配偶者から養育費が支払われない場合は速やかに回収に動きましょう。ただし、回収方法はさまざまあってケースごとに適切な対応は異なるうえ、養育費には時効もあるため回...
養育費未払いに悩んでいる方にとって弁護士は心強い味方になりますが、弁護士費用が気になって依頼しようかどうか悩んでいる方も多いでしょう。この記事では、養育費未払い...
今回の記事では、強制執行をするのに必要な手続きの流れに加え、確実な債権回収をする方法、また強制執行される側の債務者の方に向けて強制執行を停止する方法について紹介...