未払いの養育費にも時効はある?更新は?知っておきたい基礎知識|ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)
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養育費・慰謝料
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未払いの養育費にも時効はある?更新は?知っておきたい基礎知識

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六甲法律事務所
松田 昌明 弁護士
監修記事
未払いの養育費にも時効はある?更新は?知っておきたい基礎知識

債権問題の中でも、養育費の未払いがトラブルになっているケースも少なくありません。

「少し前から支払いが滞ってきた」「そもそも取り決めをしていない」など、さまざまなケースがあるでしょう。

今まさに養育費を請求しようと考えている方もいるかもしれません。

しかし、未払い期間が長くなると、請求できなくなる可能性があります。なぜなら、養育費の支払いにも時効があるからです。

「いつの間にか時効になっていた!」とならないためにも、確認しながら手続きを行っていきましょう。

この記事では、養育費の時効や時効を更新する方法を紹介します。

養育費を全額回収したい方へ

養育費の回収は、交渉から始まり最終的に裁判手続きによって回収するのが一般的です。一刻も早く養育費を回収したいのであれば、弁護士を通し、元配偶者にプレッシャーをかけながら交渉していくのが最善の方法になります。

ただし、滞納金が100万円以下の場合は費用倒れになるリスクがありますのでご注意ください。

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養育費支払いの合意パターン

養育費の取り決め方は、おもに4パターンあります。

  1. 口約束での合意
  2. 夫婦で合意書などの書面を作る
  3. 公正証書を作成する
  4. 裁判所の調停手続きで決める

それでは、1つずつ見ていきましょう。

1.口約束での合意

1つめは、離婚の際に「毎月、養育費払ってね」「わかった」と、口頭で養育費を決める方法です。

手軽に約束を交わせる反面、トラブルに発展しやすいのも、口約束のケースではないでしょうか。

最初は支払ってもらえるものの、あとから滞るようになり、「毎月○万円払うと言った」「いや、そんなことは言ってない」と、トラブルになりかねません。

口頭での約束は、録音などをしていない限り証明することが困難なため、養育費を決める際は書面に残しましょう。

もしどうしても書面に残すのが難しい場合には、口頭で約束した内容をメールやメッセージなどで確認しておくようにしましょう。否定されなければ有利な証拠に使えることがあります。

2.夫婦で合意書などの書面を作る

2つめは、夫婦間で誓約書や合意書などの書面を作成する方法です。

「離婚協議書」というタイトルで書面が作成されるケースが多いですが、誓約書・同意書・確認書、といった名目でも問題はありません。

様式や内容に関する定めはないため、夫婦間で取り決めた内容を自由に記載できます。

また、合意書としての効力があるので、養育費などの法的請求に関する取り決めについては、争いになった場合にも法的に意味のある証拠として提示できるメリットがあります。

3.公正証書を作成する

3つめは、公正証書を作成する方法です。

公正証書は、本人たちではなく、「公証人」と呼ばれる第三者が立ち会って作成します。
夫婦間で養育費や財産の分け方などを話し合い、公証役場に出向いて手続きを行います。

公正証書は、公証人が関わって作成されますので、夫婦間で作成した書面より、さらに強い効力をもつのが特徴です。

公証人の関与のもと、いわゆる「強制執行認諾文言」という条項を入れておけば、万が一、支払いが滞った際にはこの公正証書に基づいて差押えなどの構成執行が可能になります。支払いの継続に不安がある方は公正証書を作成しておくと安心でしょう。

4.裁判所の調停手続きで決める

4つめは、裁判所の調停手続きで決める方法です。

離婚の話し合いは、こじれるケースも珍しくありません。
養育費の金額も、なかなか合意に至らないのが実情ではないでしょうか。

夫婦の話し合いで養育費が決まらない場合は、どちらかから家庭裁判所に調停を申し立て、「調停委員」と呼ばれる第三者を介して話し合います。

調停委員が間に入って双方の主張を聞き、双方が合意できる解決を目指す方法です。

養育費にも「時効」がある

養育費にも時効があります。

時効には「取得時効」「消滅時効」の2種類がありますが、養育費については「消滅時効」が問題となります。

  • 取得時効とは、一定期間が経過することで権利を取得するもの
  • 消滅時効とは、一定期間が経過することで権利が消滅するもの

養育費の時効期間は、5年または10年です。
「なぜ期間が変わるの?」と思った方もいるでしょう。

養育費に関する時効期間は、「養育費の取り決め方」によって異なるからです。

以下、パターン別に時効期限を見ていきましょう。

パターン別の時効について

時効のパターンは3つあります。

  • 当事者間で取り決めた場合は5年
  • 裁判所の手続きで取り決めた場合は10年
  • 養育費の取り決めをしていない場合は時効なし

当事者間で取り決めた場合は5年

夫婦で養育費を決めた場合、時効は5年です。

5年分は遡って請求できますが、5年を経過したものに関しては時効が成立しているため、原則認められません。

【例】

  • 3年経過した場合 → 3年分全て遡れる
  • 6年経過した場合 → 1年分が時効にかかる・5年分は遡れる
  • 7年経過した場合 → 2年分が時効にかかる

 

また、養育費は「毎月〇万円を支払う」といった約束をするのが一般的となっています。

定期的な支払いであることから、「定期給付債権」と呼ばれており、月ごとに請求する権利・時効が発生しています。

【例】

2021年1月20日

取り決めを交わす
「毎月20日に5万円を口座に振り込む」

2021年5月20日

養育費が支払われなかった

2021年6月20日

養育費が支払われなかった

2026年5月21日

2021年5月分の養育費は時効となる

2026年6月21日

2021年6月分の養育費が時効となる

「時効=養育費すべて消滅する」わけではないため、諦めずに未払い期間を確認してみましょう。

裁判所の手続きで取り決めた場合は10年

裁判所の手続きを介して養育費を決めた場合、時効は10年です。

例えば、離婚調停の話し合いで養育費を決めた、あるいは訴訟などの裁判によって決めたケースが該当します。

未払いがあっても10年間は請求できますが、10年を超えると時効にかかるため、「後で…」と考えず、早めに請求することをおすすめします。

養育費の取り決めをしていない場合は時効なし

中には、「養育費を決めていない」ケースも見受けられます。

夫婦の間で養育費を決めていない場合、時効にはかかりません。
正確に言えば、「そもそも時効にかかる養育費を請求する権利が発生していない」のです。

まずは、夫婦で養育費について話し合うところからスタートしましょう。

養育費未払いの時効を更新する方法

「時効によって未払い金がチャラになっては困る」と感じる方もいるでしょう。

養育費の時効は、手続きを行うことで更新することができます。
「更新」というのは、カウントしていた時効期間がリセットされることを意味します。下記では、3つの手続き方法を紹介します。

  • 請求
  • 差押え・仮差押え・仮処分
  • 債務承認

なお、以前は「時効の中断」という文言でしたが、2020年4月1日以降、民法が改正され「時効の更新」へと名称が変更しています。
参照元:民法 第147条|e-Gov法令

請求

支払督促や調停など、裁判所の法的手続きにて請求を行う場合です。

【請求手続き方法一覧】

支払督促

裁判所を通じて相手に督促状を送る手続き。

相手が一定期間内に異議を申し立てない場合、督促の権利が確定し、時効が更新される。

調停

裁判所を介して当事者間で話し合う手続き。

一定の合意を得られれば、調停時に時効が更新される。

訴訟

裁判所に訴えを提起する手続き。

判決や和解によって請求内容が確定すると、確定時に時効が更新される。

例えば、裁判で「約束したにもかかわらず、支払ってもらえていない3年分の養育費を支払ってください」と訴えたとしましょう。

裁判を起こした時点で、時効の完成がいったん猶予され(時効期間のカウントが一旦ストップする)、判決が下った場合や、相手方が「支払います」と合意し、和解した場合は、そのとき時効が更新されます。

反対に、請求の権利が確定しないまま裁判が終了した場合は、時効は更新されませんが、手続き終了から6ヵ月間は時効の完成が猶予されます。

強制執行

差押えなどを実行する手続きです。

養育費の支払いを受けるときには、債権執行が用いられています。

債権執行とは、養育費などを支払ってほしい人の申立てに基づいて裁判所が差押さえ命令を出し、相手方の給料や預貯金を差し押さえる手続きです。

強制執行の手続きをとった場合は、その手続きが終了した時点で時効が更新されます。

債務承認

債務を支払う義務のある人が、債務の存在を認めたときも、時効は更新されます。

【例】

  • 養育費を支払ってほしいと思っている妻Aに対し、夫Bが養育費の一部を支払った
  • 友人Cが、お金を借りている相手Dに、「返済もう少し待って」と猶予を申し入れた

夫Bや友人Cは、相手に対して「自分が支払うべき債務があること」を認めている状態です。

支払いをするべき人が、債務の存在を認めたとき、承認があったとみなされ時効が更新されます。

時効成立後は未払いの養育費を請求できない?

養育費の時効が成立した後でも、請求すること自体は可能です。

というのも、請求を受けた時に時効を主張するかどうかは、その人に委ねられているからです。

請求に対して時効による債務の消滅を主張することを時効の援用と言います。簡潔にいうと「時効満了を主張すること」です。

例えば、養育費を支払っている当事者が、「もう時効が成立しているはずだ」と主張することが時効の援用にあたります。

相手方が時効の援用を主張しない、または気がついていないケースでは、時効成立後でも未払い分を支払ってもらえる可能性があります。

どうしたらいいかわからない方や、時効成立後でも請求をしたい方は、法律のプロである弁護士に相談してみましょう。

弁護士なら、どのような手続きをしたらいいかアドバイスをしてくれるので、手続きを進めやすくなります。

まとめ|養育費を受け取るためにも時効を意識しよう

養育費の時効は、取り決め方によって異なりますが、5年または10年です。

「期間が長いな」と思った方もいるかもしれませんが、月日は、あっという間に過ぎるものです。

養育費未払いのまま放置すると、「いつの間にか権利が消滅していた」ということにもなりかねません。
また養育費に限らず、債権を回収する場合には早めに対応することが大切です。
養育費をなかなか払ってもらえず困っている場合は、お近くの弁護士に相談されることをおすすめします。

養育費を全額回収したい方へ

養育費の回収は、交渉から始まり最終的に裁判手続きによって回収するのが一般的です。一刻も早く養育費を回収したいのであれば、弁護士を通し、元配偶者にプレッシャーをかけながら交渉していくのが最善の方法になります。

ただし、滞納金が100万円以下の場合は費用倒れになるリスクがありますのでご注意ください。

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この記事の監修者
六甲法律事務所
松田 昌明 (兵庫県弁護士会)
街弁(街の弁護士)として兵庫県内・神戸市内の様々な事案を扱う。相続・交通事故・労務問題・不動産・少年事件・刑事事件などの個人案件から、企業からの法務・労務問題などにも幅広く対応。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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