顧問弁護士が英語のスキルを持っていることで、顧問契約を結んでいる会社や個人には大きなメリットがあります。 もともと弁護士が得意とする業務は裁判やトラブルの解決であり、依頼者が法廷で有利になるために依頼者を代理し、法律知識を駆使して戦います。この弁護士が、英語ができることで、特に債権回収という分野においてどのような利益をもたらしてくれるのでしょうか?
ちなみに、顧問弁護士を英訳すると、(legal advisor、corporation lawyer、family lawyer、legal adviser)などの単語が並びます。
今回の記事では、この弁護士と英語の関係について、また、顧問弁護士を探す上で英語ができる弁護士をどのように探したらいいのかという点についても解説していきます。
そもそも債権回収とはどのような手続きなのか、基本的な流れや弁護士に依頼するメリットについては、こちらで詳しく解説しています。
英語のできる顧問弁護士の最大メリットは英文契約書の作成が可能なこと
顧問弁護士が英語を駆使できれば、契約している依頼者は一般的な法的サポートの他に、英語によるサポートやケアが受けられるようになります。中でも『英文契約書』が作成可能になることで、特にグローバルな取引をしている企業にとってはこれ以上ない恩恵を受けることが出来ます。詳しく以下で解説していきましょう。
英文契約書の概要
英文契約書とは、国際間の取引で用いられる英語で書かれた契約書のことで、売買の目的・数量・価格・支払い条件など契約に必要な様々な条件が記載されます。英文契約書の種類としては ・国際売買契約書 ・販売代理店契約書 ・ライセンス契約書 ・合弁事業契約 ・共同研究開発契約 ・秘密保持契約 などがあり、こうした英文契約書があることによって、取引をする双方が安心して円滑に取引を行うことが出来ます。
国内契約書と英文契約書の違い
英文契約書はもともとアメリカやイギリスの国内取引で用いられていた契約書で、もとになる法律は英米法です。したがって、英文契約書の作成・チェックを行う際には、日常英語やビジネス英語ができるというだけでは足らず、この英米法の知識が必要になります。英米法は日本の法律とはかなり異なり、日本の契約書を翻訳するというだけでは英文契約書にはなりません。
日本人はトラブルが生じた場合、まずは話し合いによって和解することを前提にと考えている人が多く、日本国内の取引でも人と人との信頼関係に基づいて契約書が交わされていますが、一方国際取引は国によって文化や法制度が異なるため、信頼関係ではなく契約書の内容が全てになります。 したがって国際取引で交わされる英文契約書では、取引条件を詳細に定めるようになっています。
もしトラブルが発生しても英文契約書に記載されていないことは裁判の証拠として採用されないというのが基本であり、トラブルが生じた際にどのように解決するかといったことも契約書に詳細に定められます。
英文契約書を作成するメリット
国際売買取引が行える
グローバル化が進み、企業の大小に関係なく海外の企業と契約を結ぶケースも増えてきました。その上で必須となる英文契約書を顧問弁護士が作成することができれば、依頼している企業にとってはビジネスの幅がぐんと広がることになります。
国際法務に関する実績と感覚を英文契約書に反映できる
どのような条項のリスクが高いか、どのようにリスクを軽減すべきかというような、国際法務に関する実績と感覚を英文契約書に反映して、実践的な英文契約書を作成することが可能になります。
トラブルへの備え・トラブルの解決ができる
英文契約書により契約を交わした後に仮に当事者間でトラブルが生じた場合、そのトラブルについて法的アドバイスをしたり、時には裁判をするなどして早期解決が行えるのは、原則として弁護士のみです。そのため、こうしたスキルのある弁護士が顧問弁護士となることで、万が一のトラブルにしっかりと備えることができます。
取引相手が外国人でも迅速な取引が行える
契約書が英文ならば、直談判やトラブルが起きた際のクレーム対応など、取引にまつわることは全てを英語を用いて行うことになりますが、こうした法に関与してくる重要な取り決めなどに関しても顧問弁護士に対応を任せることで取引自体をスムーズに行うことができます。
債務者が外国人でも迅速な交渉が行える
取引相手のみならず、相手が外国人の債務者である場合も同様に、外国人の家賃滞納や不法入居などのトラブルが起きた際には言葉が通じないという障壁を取り除き債務者に対して催促や交渉を行えるので、早期に債権回収できる確率が高まります。
英語のできる顧問弁護士がいることで避けられるトラブル
事業の大小を問わず、自社に合う優秀な弁護士と顧問契約を結ぶことで、ビジネスには数々のメリットがもたらされますが、それは”トラブルを未然に防ぐ”という点においても同様です。自社に英語のできる顧問弁護士がいると、以下のようなトラブルも回避することが出来ます。
日本語にはない表現による認識の違い
例えば、「ごちそうさま」という挨拶は日本では毎日のように食後に使いますが、アメリカやイギリスには「ごちそうさま」に相当する表現はありません。(尚、「ごちそうさま」を翻訳サイトで翻訳したところ「Thank you for the meal」となりますが、これは和訳すると「食事をありがとう」という意味合いになります。)
このように私たちが当たり前のように使う表現であっても、単に翻訳、和訳しただけでは若干ニュアンスが異なるという現象が起きてしまいます。これは契約書上においても、日本人と外国人が取引を行う上での会話においても同様です。
安易に契約を結ぶリスク
企業間取引における契約書の中でも特に英文契約書は、記載内容をそのまま鵜呑みにしたり、ひな形に沿って作成するといったことがないようにしなければなりません。国が違えば帰属する法体系も異なるため、日本国内で交わす契約書よりも遥かにリスクが高まります。
英語スキルがなく、単に英訳しただけ、和訳しただけの契約書では本来の意味や本来の意図が伝わりにくく、契約書という重要書類にも関わらず誤解や相違が生じてしまい、最悪の場合はビジネスに多大なマイナスの影響を与えてしまいますから、重要な契約ではしっかりとその契約内容を把握する必要があるのです。
事実、よく契約書の内容を確認せずにサインしたせいで長期間にも及ぶ訴訟問題に発展してしまったというケースもあります。海外の大きな企業から取引の依頼があった際、英語に長けた顧問弁護士がいることで良い意味で取引成立までワンクッションを挟むことが出来ます。
英文契約書の内容を把握できないまま取引を進めてしまうと、認識の齟齬から長期間の訴訟に発展し、想定していなかった金銭的損失を被るおそれがあります。初回相談無料やオンライン相談に対応している事務所もあるので、気軽に相談するのがおすすめです。
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複数の弁護士による翻訳で意味の確認をする
英文を翻訳サイト上で翻訳したらとんでもない文章になったという経験を多くの人がしたことがあると思います。英語はシンプルそうに見えて実はとても奥が深いもので、単に直訳するだけで意味が伝わるものではありません。また、海外にはない日本独特の言い回しというものも存在しており、中にはいろいろな意味合いに取れる一文もあります。
こちらが取り決めを作成した際も、取引相手が取り決めを作成した際も、複数の弁護士が翻訳を行うことで、言葉の違いによる認識ミスを回避することができます。
英語のできる弁護士を探す方法
実際に、英語のできる弁護士を探すにはどのようにしたらよいでしょうか?以下で解説していきましょう。
弁護士に相談する際の費用や注意点、無料相談を活用する方法については、こちらで詳しく解説しています。
同業者から紹介してもらう
無難な方法として、同業者から紹介してもらうという方法があります。本来は弁護士によっても得意分野・不得意分野があるので慎重に判断する必要がありますが、同業者から紹介された弁護士であれば自社の業務を把握し、その分野に特化している弁護士であることは間違いないでしょう。
知人や友人に紹介してもらう
紹介してくれる友人や知人が信頼のおける人物であることが前提ですが、この方法はまず間違いなく評判の悪い弁護士を避けることが出来ます。ただし、その弁護士の腕は保障されても、自身や自社と相性がいいかどうかはまた別になります。人間と人間の相性の良さは、トラブルの解決が迅速に上手くいくかどうかの結果にも関係してきます。
インターネット上で探す
『債権回収ナビ』のように、その分野に特化した弁護士が登録しているポータルサイトから事務所を検索しましょう。また、その事務所の公式ホームページにどれだけの実績が掲載されているかどうかを調べましょう。
掲載されているトラブル解決実績が掲載されている実績が多ければ多いほど信頼出来ます。また、法律に関する単語、内容は難しいものですが、それを一般の人にもわかるような言葉で記述しているところは、依頼する側の目線に立ってくれていると言えます。
まとめ
トラブルが起きた時の対策、早期解決策として顧問弁護士をもうけることは企業として大切なことですが、トラブルを未然に防ぐという姿勢を保ち続けることも重要です。
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