債権回収会社へ取立てを委託するメリット・デメリットは?|ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)
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債権回収会社へ取立てを委託するメリット・デメリットは?

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債権回収会社へ取立てを委託するメリット・デメリットは?

お金を貸したけど返してくれない、取引先企業から売掛金を回収できない、など自力での債権回収が困難なケースはありませんか?

自力での取立てが難しい場合は債権回収会社に依頼をして取立てをおこなうということもひとつの手段です。

今回の記事では債権回収会社へ取立てを委託するメリット・デメリットや依頼する際の注意点などを紹介します。

記事を読んでいただき、債権回収会社に委託することで、経済的かつ効率的に回収ができそうであれば、改めて検討してみてはいかがでしょうか?

今すぐに債権の回収が必要な方、法的な手段での回収を希望の方は下の案内から弁護士事務所をお探しください。

債権回収会社に取立を委託しようかと悩んでいる方へ

「債権回収で困ったときは、債権回収会社に委託すれば解決してくれる」と考えている方も多いでしょう。

しかし会社によって対応はさまざまで、なかには違法な取立てをおこなったり、無認可の会社なども存在します。安易に依頼してしまうとトラブルに巻き込まれる恐れもあります。回収対応は弁護士にも依頼でき、以下のような特徴があります。

 

  1. 法律トラブルに巻き込まれる心配がない
  2. 債権回収会社よりも幅広い種類の債権回収が可能
  3. 裁判手続きなどのリーガルサービスが受けられる

 

トラブルなくスムーズに回収してほしいという方には弁護士がおすすめです。無料相談可能な事務所もありますので、まずはお近くの弁護士にご相談ください。

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債権回収会社とは?

債権回収会社とは、サービサーとも呼ばれる借金の回収を専門業としている会社のことで、債権者に代わって債権回収をおこなっています。

しかし、あまり馴染みのない業者だけに依頼に対して不安も大きいでしょう。

以下で債権回収会社について詳しく解説していきます。

債権回収会社に依頼するメリット・デメリットは?

債権回収業務を委託する場合のメリットやデメリットについてまとめていきましょう。

債権回収会社に依頼するメリット

債権回収会社への委託や譲渡による一番のメリットは、自社の債権を処分できるという点でしょう。

通常は、代金が支払われれば債権も消滅します。

しかし支払われないままではずっと債権は残ったままになってしまいます。

企業としてはこのような不良債権ははやく処分したいという心理があります。

  • 債権処分により資産圧縮が可能になる
  • 債務者が支払いに応じやすくなる
  • 法令を遵守した回収業のため安心して任せられる
  • 権回収を委託するか譲渡するかを選択できる
  • 債権回収の手間がなくなるため本業に注力できる
  • 債務者が破産しても損失がない
  • 顧客トラブルを回避できる

債権回収会社に依頼するデメリット

債権回収会社の債権買取価格によっては、自社で回収業務をおこなった場合よりも損失を計上することになる可能性もあります。

これは、債権回収会社が債権買取価格を債務者の状況に応じてかなりディスカウントするケースが多くあるためです。

  • 新たな損失を計上するケースがある
  • 自社で回収をおこなう場合のコストと比較する必要がある
  • 手数料が発生する

債権回収会社と弁護士に依頼した場合の違い

債権回収は、債権回収会社の他に弁護士にも依頼をすることが出来ます

債務者はどちらかというと弁護士が関与してくるほうが圧を感じるようですが、決定的な違いとして、以下の三点が挙げられます。

回収できる債権の種類に制限がある

債権回収会社が特定金銭債権以外の債権を取り扱えるように承認を受けることは不可能ではありませんが、承認を受けていても、法律事務所にあたらない範囲の業務しかおこなうことが出来ません。

一方、弁護士は対象債権が特定金銭債権以外のみと限定されているわけではないので、幅広い範囲での債権回収が可能です。

回収を依頼できる業種に制限がある

基本的には金融関係の企業からの依頼に限られるのが債権回収会社です。

弁護士の場合は個人であっても企業であっても、債権回収を相談・依頼することが出来ます。

知らずに無認可の債権回収会社に依頼した場合も罪に問われる可能性がある

弁護士以外の無資格者や認可を受けていない業者が業務として意見したり何かを代理したりすると、弁護士法違反で逮捕されることになります。

したがって、万が一債権回収代行会社を装って債権回収をおこなっている悪質な業者に依頼してしまった場合、依頼した側も共犯としてみなされるかもしれません。

このように、罪に問われるリスクの有無についても違いがあります。

弁護士の力を借りて債権回収を検討される場合は、お近くの弁護士にまずは相談してください。

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債権回収会社への債権回収依頼を検討すべきケース

どのようなケースで、どのようなタイミングで債権回収会社に委託をおこなうべきなのでしょうか?

以下で解説していきます。

自社で債権回収したが回収の見込みがないとき

かなり悪質な債務者の場合だと、もはや電話や請求書などの任意的な交渉では動じない場合があります。

したがって、自社で債権回収を試みたが債務者から全く支払われずにいるという場合には、債権回収のプロに債権回収を委託するなど別の回収手段を取る必要性があります。

債権回収の知識がないとき

債権を回収したくても、何からどう手をつけていいのか、どのような言い回しが失礼に値せずスムーズに回収できるかなど、一般的な債権回収の知識に乏しい場合、まず回収のためのノウハウを覚えていたのでは回収までに時間を要します

一方、債権回収会社であれば合法なやり方で迅速に債権回収を進めてくれます。

特定金銭債権を回収したいとき

債権回収会社は特定金銭債権のみ回収が可能です。

特定の事業者である場合等を除き一般的な個人の方の債権は取り扱いできないことになっていますが、この特定金銭債権を回収したい時には弁護士ではなく債権回収会社に委託をしたほうが結果的にコストを抑えることも出来ます。

債権回収会社による一般的な取立ての流れ

基本的に債権回収会社も弁護士も法の規定に従い回収業務をおこないます

債権回収会社を勝手に名乗った悪質な会社でもない限りは、回収方法自体に具体的な違いはありません。

電話や書面による請求

債務者に対して断続的に電話・書面による催促をおこないます。

これらは債務者との物理的な距離を克服でき、回収にかかるコストも通話料・請求書発行分のみになるので最も手軽な回収方法であると言えます。

内容証明の送付

以下のような、支払いの催促が記載された内容証明郵便(いつ、いかなる内容のものを誰から誰へ宛てて差し出したかということを日本郵便が証明する制度)を送付します。

《債権回収をする際の内容証明の文章例》

通知書

当社はお客様に対しこれまで再三に渡りお客様の未払い債務解決のためのご案内を差し上げておりますが、残念ながら本日までお支払いがされておらず、大変困惑しております。
当社といたしましては、現在でも話し合いによる解決を望んでおりますが、このままの状態を無期限に継続することは出来ません。つきましては、本状到着後7日以内に○○円を当社口座にご送金下さい。
万が一ご送金、ご連絡がない場合、真に不本意ながら法的手続きの準備に入ることを念のため申し添えます。
尚、本状行き違いの場合にはご容赦のほどお願い申し上げます。

債権回収方法としては、内容証明はオーソドックスなものであると言えます。

債務の消滅時効を中断すすることが可能で、且つ相手に対して心理的なプレッシャーを与えることが出来ます。

しかし、この内容証明郵便に法的な拘束力はなく、一通出すのに1,300円くらいかかるので、コストパフォーマンスが良いとは言えません。

支払督促の申立

債権者が支払督促(しはらいとくそく)を申立すると、裁判所書記官は債務者の言い分を聞くことなく支払督促を発することが出来ます。

債務者への送達後2週間以内に異議がなければ、30日以内に債務者の申立によって仮執行宣言が付されます。

ただし、これに対し異議の申立があれば訴訟に移行します。

訴訟

全く回収の見込みがない場合は、強制執行を見据えた訴訟の提起をします。

これにより判決で白黒の決着をつけ、勝訴することで正式に強制執行の手段を取ることが出来ます。

強制執行は、財産の差し押さえや自宅の明け渡しなどがこれにあたりますが、文字どおり「相手の意に反して強制的におこなう手続き」になります。

債権回収会社へ取立てを委託する際の注意点

債権回収会社の名を騙る悪徳詐欺に注意する

債権回収会社を名乗り、インターネットのアダルト請求や、身に覚えのない売買代金を請求してくる会社もあります。

また、回収できもしないのに、回収業と偽り委託費用を請求してくる会社もあります。

こうした悪質な詐欺業者のおかげで「債権回収代行」と聞くだけで怪しんでしまう一般人も多くいます。

事実、国民生活センターにはこのような悪質な架空請求の相談が2023年には16,314件にも達しています。

詐欺業者かどうかを事前に見分ける方法

法務省のホームページをチェックする

債権回収会社への委託にあたっては法務大臣が許可した正規の会社かどうかを必ず確認しないといけません。

以下の法務省のホームページ上では、注意喚起をおこなうとともに、法務省が営業を許可した債権回収業者の一覧を見ることができます。

債権会社を詐称したことがある業者一覧を確認する

以下の一覧からは、過去に債権回収会社を詐称したという情報を確認することが出来ます。

しかし正規の債権回収会社であっても、詐欺業者が実在する会社名を名乗って営業をするケースがあり、それによりインターネット上に悪質な業者であるという情報が出回ってしまうことがあります。

これは正規の債権回収会社としては迷惑極まりないことです。

最終的には、電話番号や所在地が正規の債権回収会社のものであるかどうかを確認するようにしましょう。

債権回収会社についての豆知識

もう少し詳しく債権回収会社について知りたい方は参考にしてください。

債権回収会社として国から認定される基準

債権回収会社は法務大臣による許可を受けて債権回収をおこなっています。

《法務大臣による許可要件》

1:資本金5億円以上の株式会社であること
2:債権回収行の営業許可を法務省から取り消された場合、その日から5年以上が経過していること
3:債権回収業に関する特別措置法第24条の規定及び弁護士法によって罰金刑に処せられた場合、刑の執行終了から5年以上が経過していること
4:取締役に弁護士を選任すること
5:暴力団員および暴力団員でなくなった日から5年が経過する人物が事業を支配していない
6:暴力団員を業務に従事させていないこと
7:取締役および執行役、その他同党の支配力を有する人物に以下の項目が当てはまらないこと

✓成年被後見人もしくは被保佐人
✓破産者で復権を得ない人物
✓禁固刑以上の刑に処せられ、刑の執行終了から5年未満の人物
✓債権回収業および弁護士法により罰金刑が処せられ、刑の執行終了から5年未満の人物
✓債権回収、管理の際に刑法、暴力行為等処罰に関する法律、賃金業の規制に関する法律、暴力団員による不当な行為防止等に関する法律により罰金刑に処せられ、刑の執行終了から5年未満の人物
✓暴力団員

8:会社の商号に「債権回収」という文字を必ず入れること

引用元:サービサーとは債権回収会社のこと|取り立ての手口や対処法を解説|ベンナビ債務整理

平成10年に不良債権回収を進めるための「債権回収業に関する特別措置法」が制定され、それまで弁護士しかおこなうことが出来なかった債権回収業務が株式会社でもおこなえるようになりました。

しかし上記のような認定基準があり、債権回収業務は原則として国から許可を得た業者でなければおこなうことは出来ません

もしも許可を得ていない業者が債権回収を業としておこなった場合、サービサー法3条違反として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方の刑罰を科されることになります。

債権回収会社の仕組み

主に事業者向けの貸付債権を中心に回収をおこない会社としての収益を出していますが、個人向け銀行ローンや個人のクレジット債権なども取り扱うことが可能で、入金状況・債権内容などのデータ管理や、支払い案内(請求書)の発送業務なども委託できます。

債務者はこの債権回収会社とやり取りすることになり、督促状や電話なども債権回収からくるようになります。

債権回収会社は債権回収代行による手数料を収益としている

主に債権回収会社に委託をおこなっているのは金融機関や保証会社です。

委託の際には金額に応じた手数料を支払わなければなりませんが、債権回収会社はこの手数料を収益としています。

債権回収会社は債権を買い取り実際に回収した差額を収益としている

債権回収会社の収益となっているのは、本来の債権者から支払われる手数料だけではありません。

債権者から債権を買い取り、実際の金額よりも上乗せして債権回収をおこなうことで、その差額も収益としています。

債権回収会社へは債権の委託と譲渡を選択して依頼できる

債権は、委託の他に譲渡も可能になります。

状況に応じて、本来の債権者はより有益なほうを選ぶことができます。

債権の委託

債権者に代わり債権回収会社が債務者との交渉窓口となります。

債権者は移行することはありません。

債権の譲渡

債権譲渡をおこなうと、債権者そのものが債権回収会社に移行します。

債権譲渡後は、債務者は債権回収会社と交渉しながら債権回収会社に対して返済をおこないます。

債権回収会社の規制

原則として、債権回収会社はサービサー法にしたがい、以下の特定金銭債権しか回収することが出来ません

主な特定金銭債権
  • 通信料債権
  • 物販債権
  • リース債権
  • クレジット債権
  • マンション管理費債権
  • 家賃債権
  • 心療報酬債権
  • その他の債権

特定金銭債権とは金銭の給付を目的とする債権ではあるが当事者間で目的物が特定されている場合の債権のことを示します。

また、債権回収会社では特定の事業者である場合などを除き、個人の方の債権は取り扱いできないことになっています。

債権回収の業者と聞くと、厳しい取り立てや執拗な請求電話などをイメージする人が多くいますが、法に従って回収業務がおこなわれるため、決してそのようなことはありません。

極力両者に大きないざこざが起きないような解決を見据え、返済・支払いのための手立てを提案もおこなってくれます。

サービサー

引用元:法務省

まとめ

債権回収会社についての概要や委託の際のメリット・デメリットについてまとめた今回の記事はいかがだったでしょうか。

債権回収会社に委託するメリットはたくさんあります。

しかし、無認可の業者に委託してしまうことだけは絶対に避けなければなりません。

また、債権回収の一番のポイントは、『債務者と争って追い詰めることではなく、いかにうまく請求・交渉をして支払い意思を持ってもらえるかどうか』です。

そのためのアドバイスを、まずは交渉のプロである弁護士から無料相談を通して受けてみるのも有効な手段のひとつです。

債権回収会社に取立を委託しようかと悩んでいる方へ

「債権回収で困ったときは、債権回収会社に委託すれば解決してくれる」と考えている方も多いでしょう。

しかし会社によって対応はさまざまで、なかには違法な取立てをおこなったり、無認可の会社なども存在します。安易に依頼してしまうとトラブルに巻き込まれる恐れもあります。回収対応は弁護士にも依頼でき、以下のような特徴があります。

 

  1. 法律トラブルに巻き込まれる心配がない
  2. 債権回収会社よりも幅広い種類の債権回収が可能
  3. 裁判手続きなどのリーガルサービスが受けられる

 

トラブルなくスムーズに回収してほしいという方には弁護士がおすすめです。無料相談可能な事務所もありますので、まずはお近くの弁護士にご相談ください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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