
顧問弁護士とは、顧問契約を交わした上で、継続的に法務アドバイスを提供してくれる弁護士のことです。
顧問弁護士のメリットは
- 困ったことがあれば即座に相談できる
- 自社の事業や経営状況等に理解があることから、何か問題が起きた時に迅速に対応してくれる
- 顧問料の範囲外の依頼についても費用が安くなる
など数多くあります。
法務トラブルを早期に解決し、本業により集中できる体制を構築する上で、顧問弁護士の活用も有力な選択肢となります。今回はそんな顧問弁護士について、実際に依頼した場合の顧問料の相場と料金プラン、安くするコツなどについて解説していきます。
顧問弁護士の相場は3~5万円
日本弁護士連合会のアンケート調査(2009年)では、中小企業による顧問弁護士への月額支払報酬は概ね3~5万円です。
(参考:2009年度アンケート結果版 中小企業のための弁護士報酬の目安|日本弁護士連合会)
【月額顧問料の順位と構成比率】
1位:5万円…43%
2位:3万円…37%
3位:2万円…6%
4位:10万円…5%
5位:4万円…4%
顧問弁護士の料金プランは大きく2つに大別
顧問弁護士の料金体系は主に2つに分類されます。
①月額制
毎月〇万円など決められた金額を弁護士に払う制度です。法律事務所次第ですが、3種類程度のプランを用意している事務所もあり、プランによって相談時間や顧問契約の範囲内で依頼できる内容が異なる場合があります。
尚、顧問契約の相談時間を超えて利用する場合や、範囲外の仕事を依頼する場合には別途で報酬が発生します。
②タイムチャージ制
タイムチャージ制とは、1時間〇万円といった形で、弁護士ごとの時間単価×作業時間で計算される報酬体系のことです。法律事務所によっては、月額定額の部分を無料にしてタイムチャージ制のみを導入している場合もあります。
顧問弁護士の費用を安くするコツ2つ
3つの顧問弁護士費用を抑えるコツをお伝えします。
コツ①:タイムチャージ制のプランを選ぶ
顧問弁護士をつけているものの、実際にはほぼ利用していないのであれば、月の顧問料が無料でタイムチャージ制の法律事務所を選んでください。
月の顧問料を払っているのに弁護士に相談する機会がなければ損です。タイムチャージ制なら無駄なお金は一切かかりません。
例えば1年間で10時間しか弁護士を利用しない場合、以下の通り、タイムチャージ制の方が大幅に費用は少なくなります。※法律事務所によって月の顧問料・タイムチャージ制の料金は異なります。
【月額5万円で顧問弁護士を1年利用した場合】
5万円×12ヵ月=60万円
【タイムチャージ制で10時間の依頼をした場合(1時間1.5万円のケース)】
10時間×1.5万円=15万円
顧問弁護士はいるものの、ほとんど利用する機会がないのであればタイムチャージ制を検討してみてください。
コツ②:ポイント制度のある弁護士を選ぶ
対応事務所は少ないですが、法律事務所によっては、毎月の顧問料の一部についてポイント還元を行っており、月の顧問料以外で発生する事件を依頼したい時にお金の代わりに使うことが可能です。
ポイント制度のある法律事務所を選ぶことで将来的に発生する顧問料を安くできます。
顧問弁護士を雇うメリット
会社に顧問弁護士を雇う主なメリットは以下となります。
困ったことがあれば即座に相談できる
顧問弁護士を雇えば、いつでも気軽にすぐ相談できます。また月額の顧問料を払っていれば、一定時間は無料で相談できるのも特徴です。
※法律事務所や支払う金額によって相談時間は異なります。
トラブルに対してスピーディーに対処できる
一般の弁護士と違って会社の事情をある程度把握していることから、顧問弁護士がいれば、従業員の労働問題・販売した商品の代金を回収したいなど様々な問題に出くわしても迅速な解決が期待できます。
顧問料の範囲外の依頼についても費用が安くなる
日本弁護士連合会のデータを元に顧問弁護士を雇った場合とそうでないケースを表にしましたので参考にしてください。
契約書の作成依頼をした場合
弁護士費用 |
顧問契約がある場合 |
顧問契約がない場合 |
5万円前後 |
49.0% |
25.0% |
10万円前後 |
21.4% |
43.8% |
15万円前後 |
2.3% |
10.9% |
20万円前後 |
3.9% |
8.9% |
30万円前後 |
0% |
5.9% |
0円 |
11.2% |
- |
その他 |
7.2% |
3.9% |
(参考:2009年度アンケート結果版 中小企業のための弁護士報酬の目安|日本弁護士連合会)
売掛金回収の問題を依頼した場合
着手金 |
||
着手金額 |
顧問契約がある場合 |
顧問契約がない場合 |
50万円前後 |
53.3% |
30.9% |
70万円前後 |
20.7% |
19.1% |
100万円前後 |
12.2% |
44.4% |
120万円前後 |
0.3% |
1.0% |
150万円前後 |
0% |
1.3% |
その他 |
10.2% |
1.6% |
報酬金 |
||
報酬金額 |
顧問契約がある場合 |
顧問契約がない場合 |
100万円前後 |
35.2% |
17.4% |
150万円前後 |
29.6% |
17.1% |
200万円前後 |
26.0% |
58.2% |
250万円前後 |
1.0% |
3.6% |
300万円前後 |
0% |
0.7% |
その他 |
5.3% |
1.3% |
(参考:2009年度アンケート結果版 中小企業のための弁護士報酬の目安|日本弁護士連合会)
顧問弁護士を雇うデメリット
顧問弁護士を雇うデメリットは固定費用が発生することが挙げられますが、こちらはタイムチャージ制を採用することで解決可能です。
(関連記事:顧問弁護士を利用するメリット・デメリットと費用のまとめ)
顧問弁護士を選ぶポイント
顧問弁護士を雇う際に重視すべきポイントをご紹介します。
自社の業界に適している弁護士かどうか
弁護士が取り扱う分野は、債務整理・債権回収・労働など幅広く、各弁護士にはそれぞれ得意としている分野があることから、自社の業務内容にマッチしている弁護士を選ぶことが肝要です。
素早く対応してくれるかどうか
何か問題が起きた時には1分1秒が勝負の分かれ道です。普段から電話・メールなどの連絡に対し、返信が早いようであれば、問題が起きた場合にも迅速に対応してくれる弁護士といえます。
レスポンスの早い弁護士を雇うには、最初の連絡の早さで見極めましょう。
まとめ
顧問弁護士の費用相場は3~5万円です。年間に置き換えると36~60万円。この金額が安いかどうか企業次第ですが、問題が起きた時、迅速に対応してくれる利点を重視するのであれば顧問弁護士を雇うべきであり、実際に数多くの企業が顧問弁護士を抱えています。
法務トラブルを早期に解決し、本業により集中できるような体制づくりに向けて、顧問弁護士の活用は一つの有力な選択肢です。顧問弁護士を起用するかどうかのご検討にあたって、本記事が少しでもお役に立てば何よりです。

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