
未回収の債権に関しては、外部に委託せずに自社内で対応している企業は多いでしょう。しかしながら、取引先の会社の倒産や、債権回収の方法が適切でないため、債権が回収できなかった例は多々あります。
どの債権回収の方法がベストなのか、回収する債権の種類や、債務者の状況によって異なるため、判断することは難しいです。そのため、未回収の債権に関しては、専門家へ債権回収を代行してもらった方が、状況に応じて対応することができるため確実に回収することができるでしょう。
今回の記事では、債権回収を外部に代行するために、回収業務を行っている専門家・業者の説明から、抑えておきたい債権回収の知識などについて紹介していきます。
未回収の債権でお悩みではありませんか?
債権回収には時効があるため、滞納が続くようでしたらできるだけ早く弁護士にご相談ください。弁護士に依頼するメリットは以下の通りです。
- 債務者との交渉
- 最適な債権回収方法の提案
- 内相証明や督促状の作成・発送
- 差し押えの手続き・書類作成 など
弁護士に依頼することで、最大限の金額を回収できる可能性があります。債債務者が破産・再生手続きを行う前に、弁護士にご相談ください。。
債権回収を代行できる業者
まず債権回収業務を代行できる業者として、「債権回収を扱っている法律事務所」、「債権回収会社(サービサー)」、「ファクタリング会社」の3つがあります。どの業者へ代行してもらうべきか、債権の種類や債権者の状況によって異なるため、3つの業者の違いについて確認していきましょう。
法律事務所
まず債権回収を行う上で、法律事務所に依頼すると、債権回収するのに必要な手続きを代行してもらうことができます。「弁護士に依頼した場合の債権回収の流れ」でも説明しますが、書類の作成や申立、訴訟の代理人など素人が行うにはハードルが高い業務を代行してもらうことが可能です。
代行してもらう業務の内容、債権回収によって得られる経済的利益を元に法律事務所への費用が算出されます。
個人から法人まで顧客
また、未回収の債権を抱えているのは法人だけでなく、個人の方で未回収の債権を抱えている方も多くいることでしょう。法律事務所によって取り決めは異なりますが、債権回収を行う上で、個人・法人問わずに債権回収を代行してもらうことができます。
対象になる債権が幅広い
債権者によって、回収したい債権の種類は異なると思いますが、法律事務所ではそれぞれの債権における回収の代行を依頼することができる上に、債権の種類や債務者の状況から、依頼主にとって適切な債権回収方法を提示してくれます。
法律事務所に頼むメリットとデメリット
では実際に法律事務所に依頼するメリットやデメリットはどういったところにあるでしょう。以下、メリット・デメリットについてまとめました。
<メリット>
-
弁護士に後ろ盾により弁済に応じやすくなる
-
適切な債権回収の方法の提案
-
債権回収にかける時間・労力のコスト削減
<デメリット>
-
弁護士費用の報酬(「債権回収を弁護士に依頼した場合の費用相場」にて後述)
-
取引先との関係の悪化
-
債務者が破産した場合、十分な債権回収が望めない
-
債権回収できなくても費用がかかる
法律事務所への代行に適した債権者
メリット・デメリットを踏まえた上で、以下のような債権者は法律事務所へ債権回収の代行を依頼した方が良いでしょう。
-
債務者が回収に応じてくれる可能性が高い
-
債務者が差し押さえられる対象の資産・債権を所有している
-
債権がある程度、高額の場合
債権回収会社(サービサー)
サービサーとは、自社に代わり債務者へ債権を回収してもらうための会社ですが、法律事務所とは取り決めが大きく異なります。
【関連記事】
主な業務内容
サービサーの主な業務内容は、債権の買い取りになりますが、債権の評定価格をサービサーが行った上で、債権譲渡という形で債権の売買が行われます。
参照:「債権譲渡で債権回収をするために必要な知識と手続きの手順」
法律事務所との違い
まずサービサーに債権回収を依頼する際、債権回収会社から未回収の債権を買いとってもらう(債権回収会社へ債権譲渡)ため、法律事務所のように債権回収の業務における費用は発生しません。
依頼主の債権がサービサーへ譲渡された後は、サービサーが独自に債権者として債務者へ債権回収を行うため、基本的に依頼主はその後の債権に関してはノータッチであり、買取金額とサービサーが回収した債権の金額の差額分が、サービサーの利益です。
そのためサービサーに依頼した未回収の債権価格と比べ、買取金額は低く設定されます。
金融機関が顧客
また、サービサーへのクライアントは基本的には金融機関が対象なるため、当記事をお読みになる方にはあまり縁がないかもしれません。またサービサーが扱いことができる対象の債権は、特定の金銭債権に限られていて、主に貸与金債権が対象となります。
債権回収会社(サービサー)に頼むメリットとデメリット
サービサーへ債権回収の代行を依頼するメリット・デメリットについては以下の通りにまとめました。
<メリット>
-
未回収の債権を確実に資産化できる
-
債権回収の手続きにかかる負担の軽減
-
債務者が破産しても損失はない
弁護士に債権回収の代行を依頼した場合、債務者に支払能力がない場合、破産する場合など債権回収が上手くいかない場合があります。その反面、債権回収会社に代行を依頼すれば、実際の債権額よりは低額になりますが、確実に資産化できる点がメリットです。
<デメリット>
-
依頼できる債権者(金融機関など)が限定されている
-
実際の債権より安値で売却することになる
-
特定の金銭債権しか扱えない
-
悪徳サービサー業者が存在する
また、逆に特定の金銭債権以外、債権回収会社は取り扱うことができません。主に取り扱える特定の金銭債権は以下の通りになります。
-
金融機関等が有する貸付債権
-
リース・クレジット債権
-
資産の流動化に関する金銭債権
-
ファクタリング業者が有する金銭債権
-
倒産手続き中の者が有する金銭債権
-
保証契約に基づく債権
-
その他政令で定める債権
悪徳サービサーへの懸念
デメリットとして悪徳なサービサーについて触れましたが、サービサーを運営する上で法律上、弁護士または認定司法書士が経営に関わっていなければならず、債権回収会社は法人として登記する上で、行政から許可を得えなければいけません。
もし、違法に経営しているサービサーに債権回収の代行を依頼した場合、債権を譲渡した依頼人も罪に問われるため事前に、確認する必要があります。
【参照】
▶「債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法-|法務省」
▶「サービサーとは債権回収会社のこと|適切な対処法まとめ」
債権回収会社への代行に適した債権者
また、債権回収会社へ債権回収を依頼した方が良い、債権者は以下のような場合でしょう。
-
債務者が回収できるだけの資産を持ち合わせていない
-
債権額が低額の場合
-
上記で表記した特定金銭債権を所有している
ファクタリング会社
ファクタリングは、主に金融機関が行っている債権回収の代行サービスですが、サービサーと同様に未回収の債権を買いとってもらうことができます。
主な業務内容
ファクタリング会社も債権者の売掛金債権を債権譲渡によって買い取りを行う業務の会社のことを指します。融資ではないため、保証人なしでも即日で資金化することが可能な上に、負債として売上に計上されません。
法律事務所との違い
そのため、サービサーと同様に売却後は、ファクタリング会社が債権回収の手続きを行ってくれますが、売却する前にファクタリング会社へ手数料を支払わなければならず、手数料の相場としては、売却する債権額の10%~20%を目安にしてください。
また、対象となる債権は主に売掛金債権になります。
ファクタリング会社に頼むメリットとデメリット
では、ファクタリング会社へ債権回収の代行するメリット、デメリットはどういったものでしょうか。メリット、デメリットについて以下、数点に絞りまとめました。
<メリット>
-
未回収の売掛金債権を資産化できる
-
即日の資金調達が可能
-
債権回収に伴う手続きの負担の軽減
-
決算上、負債計上されない
-
売掛先が倒産してもリスクがない
<デメリット>
-
手数料が別途で発生する
-
債権を買いとってくれるとは限らない
-
債権譲渡の対抗要件を取得する上での費用
ファクタリング会社へ債権回収の代行を依頼するメリットとデメリットについては、先ほどの記述で理解することは容易だと思いますが、債権譲渡の対抗要件を満たす件についてはまだ触れていませんでした。
通常、債権譲渡を行う上で、譲受人(ファクタリング会社)が債務者へ売掛金を回収するためには、債務者への対抗要件、第三者への対抗要件を満たさなければなりません。
※対抗要件:債権の移行した際に、新しい債権者が債権の存在を主張するために必要な要件
対抗要件を満たすためには、内容証明郵便を介して債務者へ債権譲渡の通知、または債権譲渡登記制度を利用するのが一般的ですが、譲渡する債権の数や債務者の数に応じて高額になりますが、費用は依頼主が負担します。
【参考】
▶「債権譲渡で債権回収をするために必要な知識と手続きの手順」
▶「債権譲渡の通知の重要性と対抗要件を満たすための2つの方法」
ファクタリング会社への代行に適した債権者
ファクタリング会社へ債権回収の代行を依頼するのに相応しい債権者は以下の通りです。
-
手数料と比べて高額な売掛債権を所有している
-
今すぐ資金を調達したい
-
債務者が回収できるだけの資産を持ち合わせていない
債権回収を代行する場合の注意点
では今度は、債権回収を外部へ代行する際の注意点について確認していきましょう。
弁護士に代行する場合
まず、弁護士に代行する場合の注意点ですが、弁護士に依頼する場合、弁護士費用が発生します。
弁護士費用と債権額のバランス
弁護士費用は低額ではないため、債務者へ依頼する債権額、または回収が見込める債権額とそれにかかる費用を見比べることが必須です。弁護士に債権回収を代行する際の、費用面について以下の記事を参照にしてください。
【関連記事】債権回収の弁護士費用の相場とは?弁護士費用を安く抑えるコツ
弁護士へ依頼する場合の選定基準
また、より高額な債権回収するためには優秀な弁護士に依頼するべきでしょう。弁護士を選ぶ基準としては、法人相手の債権回収の実績のある弁護士に限ります。
選ぶ上で大切なポイントは、弁護士事務所のホームページに記載されている経歴を参考にすることです。実績のある事務所であれば、事務所の宣伝文句としてホームページに過去の実績を掲載しているでしょう。
債権回収会社やファクタング会社へ代行する場合
債権回収会社やファクタリング会社へ債権回収の代行を依頼する際の注意点は以下の通りになります。
債権額の買い取り価格が低額
悪徳なサービサー、ファクタリング会社ほど債権の買い取り価格が低額な傾向にあります。そのため、買取を依頼する際は、何社から見比べてみて適正な評価価格を定めてください。
高額な手数料
また、ファクタリング会社へ売掛金債権の買い取りを依頼する際、手数料を支払わなければなりません。
悪徳なファクタリング会社ほど法外な手数料を請求する傾向にあるため、売掛金債権に対して10%~20%からかけ離れた手数料を請求された場合は、その業者へ債権回収の代行を依頼するべきでないでしょう。
弁護士法に違反していないか
債権回収会社は、近年、法律によって整備された比較的新しいサービスです。そのため弁護士法に乗っ取った上で業務をしなければなりませんが、もし弁護士法を守っていない債権回収会社へ債権回収の代行を依頼した場合、依頼主も法律で罰せられます。
また、債権回収会社は法務省から認定された会社のみが運営することができるため、債権回収会社に債権回収の代行を依頼する前に、違法な運営している業者かどうか「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧|法務省」から確認しましょう。
またファクタリング会社に関しては、「悪質業者の被害にあわないために|日本賃金業協会」にて確認することができます。債権回収業務と弁護士法の違反に関しては詳しくは以下の記事を参考にしてください。
参照:「債権回収と弁護士法の関係|悪徳業者を識別する為の事前知識」
弁護士に依頼した場合の債権回収の流れ
サービサー、ファクタリングと異なり、法律事務所・弁護士に債権回収の代行を依頼する上で、業務内容ごとに費用が異なるため、債権回収の方法について理解するべきでしょう。一般的な債権回収の流れについて確認していきたいと思います。
弁護士との面談
まず、最初に依頼主(債権者)と弁護士との間で面談が行われるのが一般的な流れでしょう。
法律事務所への無料相談
基本的には初回は無料相談で行っている弁護士事務所が多いため無料相談を有効に活用してください。相談する際は、現在の会社の状況、債権の内容、債務者(取引先)の経営状態などを事前にまとめておくと話の進みが早いでしょう。
債権者の状況にあった解決方法の提案
また、依頼主の方によって債権、債務者の内容によってそれぞれ債権回収の方法は変わってきます。相談を通して、弁護士から依頼主の目線に立って、効果的な債権回収の方法を提案してくれるでしょう。
では以下、具体的な弁護士に債権回収を代行した場合における債権回収方法について確認していきます。
催告書の送付
まず、一般的に債権回収をする上で、債務者へ弁済を促すために電話や催告書を通知するのが最初のステップです。督促行為の中でもハードルが低いため多くの債権者が最初に行う債権回収の方法でしょう。
催告書を作成する際、債権の内容や催告書を通知するに至った経緯、また弁済方法などを記述します。実際に、通知をする際には、内容証明郵便を介いして催告書を郵送するのが一般的ですが、郵送した事実を証明するためです。
催告書の作成については、「内容証明郵便による催告」を参照にしてください。
交渉
もし債務者が電話、または催告書に応じてくれた場合、今度は債務者と弁済に関する交渉を行います。そのまま、弁済してくれるケースもありますが、交渉の際は、弁済額の減額、弁済期間の延長など、相手側が弁済しやすい弁済方法を提案すると、相手側も同意しやすいでしょう。
公正証書の作成
交渉がまとまり次第、交渉の内容をまとめた文書(債務者の実印付き)を持った上で、公証役場にて公正証書を作成します。公正証書とは、契約書を公的に証明するために、公証人が当事者の口述、契約書を元に作成する文書です。
公正証書を作成する理由として、債務名義(公的に債権を証明する文書)を取得する目的がありますが、もし債務者が再び支払いに応じなかった場合、債務者へ差押えを強制執行するために債務名義が必要になります。
参照:「③公正証書の作成」
法的手段による対応
また、債務者が電話・催告書などの督促行為に応じなかった場合は、法的手段を通して債務名義を取得しましょう。債務名義の取得方法として、民事調停、支払督促、訴訟の3つがあげられます。
民事調停
法的手段に訴える上で、民事調停は一番、敷居が低い手続きです。裁判所に指定された調停委員の仲裁の元に、債権者・債務者の意見をまとめた上で、互いの同意を計るための手続きになりますが、債務者から同意を得て初めて調停が成立します。
また、債務者側が裁判所へ出頭しないこともあるため、時間や費用がかからない分、法的手段の中では一番、債務名義を取得しづらい手続きです。もし、相手側と交渉が上手くまとまれば、債務名義として調停調書が作成されます。
参照:「債権回収における民事調停の有効性と利用方法のまとめ」
支払督促
法的手段の中では、訴訟が一番、時間と費用がかかりますが、訴訟を視野にいれた上で、できるだけ手続きを簡略化したい方の多くが支払督促を選択されます。
支払督促は、裁判所に申立を行うことで、裁判所が債務者へ弁済の督促をする手続きですが、手続きが順調に進めば債務名義として仮執行宣言付支払督促を取得することが可能です。
強制執行をする上で、通常、強制執行の手続きとは別に執行文付与の申立を行う必要がありますが、仮執行宣言付支払督促、確定判決などの債務名義における強制執行においては執行文付与の申立をする必要がありません。
また、支払督促に関しては対象とできる債権は、貸与債権、売掛金など金銭債権に限定されています。さらに手続きの最中に、債務者から督促異議の申立てをされた場合は訴訟へ移行しなければなりません。
支払督促に詳しい内容は、以下の記事を参照にしてください。
【参考】
▶「支払い督促を介して仮執行宣言付支払督促を取得する方法」
▶「支払督促に必要な申立書の書き方と添付書類の作成方法まとめ」
訴訟
法的手段の中でも訴訟によって債務名義を取得することが一番、確かな方法ですが、その反面、時間や費用が一番かかる手続きです。通常、第一審の裁判で確定判決を取得するのは難しく、仮執行宣言付判決に落ち着くことが多いでしょう。
一般的には、第二審まで裁判を行えば、確定判決を取得することができますが、仮執行宣言付判決も債務名義の一種であるため、強制執行の手続きを行うことはできます。
また、一般の訴訟と比べ時間と費用を軽減するために少額訴訟という手段を取ることができますが、60万円以下の金銭を支払いの請求を目的とした訴訟の場合においてのみ適用されます。
通常の訴訟と異なり、一回の審理で訴訟を完了させることができるため、手続きの負担を大幅に減らすことが可能です。さらに少額訴訟で取得できる少額訴訟判決は執行力が含まれた債務名義のため、執行文付与の申立が必要ありません。
【参考】
▶「少額訴訟の金額と請求可能な金額|少額訴訟の条件と手続き」
▶「債権回収の民事訴訟を起こす上で抑えておきたい知識まとめ」
強制執行による差押え
以上の手続きを通して、債務名義を取得することができたら、強制執行の申立を行うことで債務者の財産、債権などを差押えすることで、債権回収をすることができます。
差し押さえる財産によって異なる強制執行の種類
しかしながら、注意していただきたい点として、強制執行の申立は、差し押さえの対象によって異なる点と、強制執行の申立をしたのに関わらず、差し押さえるものがなかったケースが珍しくない点です。
主に、強制執行の種類としては、債権執行、不動産執行、動産執行の3つに分かれますが、対象の財産や債権の違いは以下の通りになります。
対象の例 |
|
債権執行 |
給与債権・預金債権・売掛金債権・貸与金債権など |
不動産執行 |
土地・建物(自宅・自社ビル)など |
動産執行 |
骨董品・貴金属・現金・商品の在庫など |
上記のことから債務者が保有している財産や債権によって、執行する手続きを選択する必要がありますが、法人同士の強制執行においては債権執行を選ぶケースが多いでしょう。
また、実際に債権執行を選択する際も、差押えの対象とする債権を特定する必要があるため、相手側が保有する債権の中でも差押える価値のある債権を対象にすることが必要です。
【参照】
▶「強制執行で差し押さえするために必要な知識と方法のまとめ」
債務名義の種類によって異なる強制執行の手続きの手順
また、「弁護士に依頼した場合の債権回収の流れ」でお伝えした通り、債務名義の種類によって執行文付与の申立の手続きが必要な場合とそうでない場合に分かれますが、先ほどの内容を踏まえた上で以下の通りにまとめました。
執行文付与の申立の有無 |
|
公正証書 |
○ |
調停調書 |
○ |
仮執行宣言付判決 |
〇 |
確定判決 |
〇 |
少額訴訟判決 |
× |
仮執行宣言付支払督促 |
× |
また債務者からの強制執行停止の申立を行われた場合でも、執行力のある債務名義(執行文付与の申立が必要ない)を取得していれば、債務者側は強制執行の手続きを止めることができません。手続きの流れや強制執行停止に関しては、以下の記事を参照にしてください。
【参照】
▶「強制執行の一連の流れと差押さえまでの手順の解説」
▶「強制執行停止の申立の手順と手続きにおける2つの注意点」
財産を処分されないための仮差押・仮処分
また、差押えをする段階になって、差押える資産・債権がすでになかった事態を未然に防ぐために、仮差押・仮処分の手続きをオススメします。
仮差押・仮処分とは、差押えしたい債権・財産を債務者が勝手に処分しないようにするための手続きであり、強制執行を確実にするために効果的な手続きです。(参照:「仮差押さえ|財産の処分の禁止」)
債権回収において弁護士が代行できる内容
では以上の知識を踏まえた上で、債権回収において弁護士に代行できる内容について確認していきましょう。
書類作成・申立書類作成の代行
まず、債権回収を行う上で、催告書や裁判所への申立書類など、作成する書類が沢山あることはすでにおわかりいただけたかと思います。文面では中々、伝えづらいのですが、上記の手続きにおいて必要な書類を作成するのは、時間や手間がかかるために楽ではありません。
債権回収は時に、取引先の(債務者)の経営状態が悪くなった、または取引先の倒産、債権の時効が迫っているなど、手続きを早く済ませなければならない場合がります。
そこで、弁護士に必要な書類作成を代行してもらうことは、負担をなくすだけなく、早く手続きを済ませる上でも効果的です。
弁護士の名前が催告書にあることへの効果
また、催告書は、個人でも作成できることも可能ですが、弁護士に催告書の作成を代行してもらった方が、債務者側から弁済に応じるケースが多々あります。催告書に弁護士の名前が入っているだけで、債務者側も事態の深刻さを捉えるようになるためです。
法的文言など誤字脱字の回避
裁判所へ申立をする際、書類のチャックは厳しく行われます。再提出になるケースもあるので、誤字脱字をなくすためにも弁護士に申立書や添付書類の作成を代行してもらうのが確実です。
債務者との交渉の代行
直接、話し合うことで、債務者と弁済に関する交渉する際、弁護士に交渉の代行を行ってもらうこともできます。債務者側も弁護士を立てている場合も考えられるので、少しでもこちら側に有利な内容に、交渉をまとめるためにも弁護士に交渉を代行してもらうのは効果的です。
また債権回収に慣れている弁護士であれば、交渉の落としどころをよく理解しています。
訴訟に発展した場合の代理人
交渉や、民事調停で話がまとまらない、または支払督促において督促異議を申し立てられた場合、訴訟にて債務名義を取得しなければなりません。債権者の中には、裁判に合わせて日程を空けるのは大変だと思いますが、弁護士に依頼することで代理人として出廷してもらうことができます。
適切な債権回収の方法の提案
また、債権回収をする上で、債務者から回収できる財産・債権によって回収方法は異なりますが、弁護士に依頼することで、適切な調査方法の提案してもらうことができます。例えばですが、債務者が保有する売掛金債権を強制執行により差押えをする場合を想定してください。
売掛金債権に対して別の債務者(第三債務者)が存在するわけですが、売掛金の総額以上に、第三債務者に支払能力があるかどうかも重要です。
債権回収する上で相手が保有する債権・財産の中で、最も割りに合っているも債権・財産はどれか、それに対しどの債権回収がベストなのか、債権回収の案件に慣れている弁護士であれば適切な手段を提案してくれるでしょう。
債権回収を弁護士に依頼した場合の費用相場
では実際に、弁護士に債権回収の代行を依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。費用は大きくわけて「着手金」、「成功報酬金」に分けることができますが、案件の内容や債権額によって変動するため、各案件ごとにおける、費用の相場を紹介していきます。
内容証明郵便による催告書の通知
まず催告書の通知を弁護士に依頼する場合の費用の相場ですが、弁護士名を表記するかしないかで料金は異なりますが、大体以下の表を相場として考えてください。
着手金 |
成功報酬金 |
|
弁護士名の表記なし |
1万円~3万円 |
なし |
弁護士名の表記あり |
3万円~5万円 |
なし |
その他の手数料
また、催告書を郵送する際は、内容証明郵便を利用しますが費用として1通あたり1470円以上を想定してください。
交渉
次に債務者と交渉する際における、弁護士費用になりますが、請求する債権の額に応じて着手金や報酬金が変わります。以下の表を相場として参照にしてください。
着手金 |
成功報酬金 |
|
100未満 |
10万円 |
案件によって依頼主が得た経済的利益の10%~15% |
100万円~300万円未満 |
15万円 |
|
300万円~500万円未満 |
20万円 |
|
500万円~1000万円未満 |
30万円 |
|
1000万円~5000万円未満 |
40万円 |
|
5000万円~1億円未満 |
60万円 |
|
1億円~ |
80万円 |
その他の費用
また弁護士費用とは別途で、内容証明郵便による郵券代として1470円以上、交通費、登記簿の取寄費用として600円(参照:「法務省」)がかかります。
民事調停
民事調停における、弁護士費用としては同様に、以下の表を参考にしてください。
着手金 |
成功報酬金 |
|
100未満 |
12万円 |
案件によって依頼主が得た経済的利益の10%~20% |
100万円~300万円未満 |
18万円 |
|
300万円~500万円未満 |
24万円 |
|
500万円~1000万円未満 |
36万円 |
|
1000万円~5000万円未満 |
48万円 |
|
5000万円~1億円未満 |
70万円 |
|
1億円~ |
90万円 |
裁判所費用
また簡易裁判所に収める費用として、郵券代として1015円、手数料として収入印紙代の費用がかかります。収入印紙代に関しては訴訟金額に応じて高額になりますが「申立方法」を参照にしてください。
督促・訴訟
着手金 |
成功報酬金 |
|
100未満 |
15万円 |
案件によって依頼主が得た経済的利益の15%~20% |
100万円~300万円未満 |
24万円 |
|
300万円~500万円未満 |
30万円 |
|
500万円~1000万円未満 |
50万円 |
|
1000万円~5000万円未満 |
80万円 |
|
5000万円~1億円未満 |
100万円 |
|
1億円~ |
150万円 |
裁判所費用
裁判所への費用は、予納郵券代、収入印紙代による手数料、資格証明書、官製はがきの費用がかかりますが、支払督促と訴訟における費用は以下の通りです。
|
支払督促 |
訴訟 |
予納郵券代 |
4000円 |
6000円 |
収入印紙代 |
訴訟の半額 |
参照:「支払督促の申立て」 |
資格証明書 |
1000円 |
|
官製はがき |
50円 |
仮差押・仮処分
仮差押・仮処分に関する弁護士費用の相場は、以下の通りです。
-
着手金:原則30万円~
-
成功報酬金:得られた経済的利益の15%~20%
裁判所への実費
また裁判所への実費として、印紙代2000円、予納郵券代、資格証明書1000円、不動産全部事項証明書1000円(1件につき)、登録免許税として請求額の0.4%が課されます。予納郵券代に関しては差し押さえの対象によって金額が異なりますが、以下の金額を相場として想定してください。
-
債権仮差押え:3000円
-
不動産仮差押え:2000円
-
不動産仮処分:1000円
強制執行
強制執行における弁護士費用は、以下の金額を相場として考えてください。
-
着手金:原則20万円~
-
成功報酬金:得られた経済的利益の15%~20%
裁判所への実費
裁判所への実費に関しては、強制執行の手続き、債務名義の種類によって大きく異なるため下記の記事を参考にすることをオススメします。
参照:「強制執行で差し押さえするために必要な知識と方法のまとめ」
まとめ
未回収の債権を回収するために、外部へ代行を依頼した方が確実なのは確かです。当記事では弁護士に代行した場合について詳しく触れましたが、柔軟な方法で債権回収を行いたい方は、弁護士に依頼することをオススメします。
未回収の債権でお悩みではありませんか?
債権回収には時効があるため、滞納が続くようでしたらできるだけ早く弁護士にご相談ください。弁護士に依頼するメリットは以下の通りです。
- 債務者との交渉
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そもそも、今の状況でどのような方法を取ればいいのかを提案してくれる弁護士は、相談だけでも力強い味方となってくれます。
「ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)」では、債権回収を得意とする弁護士に直接ご相談ができ、相談料無料、初回の面談相談無料、全国対応で相談を受け付けいる事務所も多くいますので、法人・個人問わず、お金のことで悩み続けているなら、一度債権回収が得意な弁護士にご相談ください。

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