史上最大とも言われた台風19号では、全国で約6万棟が浸水し、約3万棟が全壊・半壊するなどの被害が発生しています(参考:国土交通省)。
このような災害地域では屋根修理を騙った詐欺が発生しやすいと言われています。
訪問や電話などで「今すぐ屋根を修理した方がいい」「火災保険を適用すれば自己負担が生じない」など、さまざまな誘い文句で契約をすすめられるようです。
このような誘い文句で契約してしまい、前金を支払ったのに工事すらされなかった、ずさんな工事をされたというケースが典型例かもしれません。
警察署や市役所、消費生活センターでも、チラシやHPなどで警戒を促しています。
この記事では、詐欺業者の手口や相談事例、お金を取り返せるケース、相談先などをご紹介します。
災害後によくある屋根修理詐欺の手口と事例
まずは、よくある詐欺の手口・事例をご紹介します。
手口1:急に訪問し「今すぐ」と契約を急かされた
「『ちょっと屋根を確認させていただきましたが、この間の台風の影響で屋根瓦がずれていて危険です。
今すぐ修理した方が良いですよ』などと契約を急かしてきた」というケースです。
このような場合、訪問業者の言うままに契約するのは極めて危険です。
そもそも、まっとうな業者であればわざわざ被害物件に訪れてリフォームを進めるなどの対応はしません。
このような訪問をしている時点で非常に怪しい業者であると言わざるを得ません。
また、このように急いで契約した結果、非常に不公平な契約条件が記載されていたり、キャンセル時に多額の違約金が設定されていたりという可能性も大いにあります。
このような契約をしたことで、契約をたてに金銭を脅し取られるという可能性もあります。
したがって、このような訪問業者については最初から疑ってかかるべきですし、仮にその場で契約をもちかけられてもすぐに応じることは絶対に避けましょう。
少なくとも契約書類をもらって親族や友人に相談などするべきですし、契約書の公布を渋るような業者であれば100%詐欺業者ですので、帰ってもらいましょう。
手口2:緊急対応としてビニールシートをかけられ高額な手数料を請求された
「修理業者に見積もりを依頼したところ、『緊急対応としてビニールシートをかけて保護しておきます』などと勝手に対応を進められ、あとになって高額な手数料を請求された」というケースです。
このような場合、たとえ工事を依頼しなくても「緊急対応した分の手数料は支払ってもらう」などと責められ、泣き寝入りしてしまうこともあり得ます。
しかし、このような対応について明確に支払いを合意していない限り、基本的には金銭を支払う義務はありません。
自分が依頼していない行為や対価の支払いについて説明を受けていない行為について、後日支払いを求められても、すぐに支払わないでください。
このような勝手な行為に支払いをしないからといって、直ちに何らかのペナルティが生じることはありません。
手口3:火災保険が利用できるといい契約したが結局使えなかった
「『火災保険がおりるから実質0円で修理できますよ』などと勧められて契約したものの、実際には保険金がおりなかった」というケースです。
このような場合、保険金がおりない以上、自腹で修理費用を負担しなければなりません。
また「自腹では支払えない」と工事の中止を申し出た際には、高額な違約金を請求されてしまうこともあります。
これが詐欺行為といえるかどうかは微妙ですが、契約に当たり重要な事実について虚偽等があれば、法律上、契約を取り消すことが可能です。
したがって、このような場合には、当初の説明と異なることを理由に支払いを拒むという対応は十分あり得ます。
手口4:電話営業で先にお金を振り込んだのに、後日何もなかった
「業者からの電話営業を受けて、言われた通り依頼金を振り込んだものの、工事が行われず連絡もつかなくなった」というケースです。
まず、まっとうな業者であれば、いきなり電話をかけてきて指定口座に金銭を支払わせるということは、絶対にありません。
したがって、突然の電話で金銭の支払いを求められた場合は、ほぼ間違いなく詐欺ですので、絶対に払ってはいけません。
このケースでは支払った金銭は即時に引き下ろされてしまいますし、電話口の相手がどこの誰かもわかりませんので、回収は絶望的です。
【要求別】被害に遭った後の対処法
もし詐欺被害に遭ってしまった場合は、即時の対応が極めて重要です。
ここでは、上記のようなリフォーム詐欺事案の対処法について解説します。
【契約を解消したい】クーリングオフ利用で契約解消
「契約を解消したい」という方は、クーリングオフを利用しましょう。
クーリングオフとは「一定の期間内において、契約の申し込み撤回・契約の解除ができる制度」のことです。
もし、訪問勧誘や電話勧誘に応じて何かしらの契約をしてしまった場合でも、一定期間内であれば無償かつ無条件で契約を解消することができます。
例えば、訪問販売や電話勧誘の場合には、契約書面交付から8日間は無条件で契約解除が可能です。
なお、クーリングオフは、必ず書面で行う必要があります。
書面の形式は問われませんので、例えば以下のような通知をはがきで送ることでもクーリングオフが可能です。
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契約解除通知書 契約年月日 令和○年○月○日 工事名・契約名 ○○○○ 契約金額 ○○○万円 会社名 ○○株式会社 担当者氏名 ○○○○ 上記日付の契約を解除します。 つきましては、契約に際して支払った代金○○万円を、ただちに返金してください。 令和○年○月○日 住所 ○○県○市○町○丁目○番○号 氏名 ○○○○ |
【お金を取り戻したい】弁護士を通しての債権回収
既に支払ってしまったお金を取り戻したいが、自力での対応には不安があるという場合には、弁護士の力を借りましょう。
弁護士には、解決に向けた具体的なサポートが任せられ、被害者に代わって返金交渉・裁判対応の代行を依頼できます。
また回収対応にあたっては、スピードも一つのポイントとなりますので、スムーズに進められる自信がない方は依頼するべきでしょう。
なお当サイト『ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)』では、債権回収を得意とする弁護士を都道府県ごとに検索することができます。
被害金の回収を希望するのであれば、ぜひご利用ください。
債権回収の基本的な仕組みや時効、弁護士に依頼するメリットについては、こちらで詳しく解説しています。
【相手を逮捕してほしい】警察へ相談
詐欺被害にあった場合に、「相手を逮捕してほしい」「相手に刑事責任を取らせたい」という方は、警察へ相談するのも良いでしょう。
仮に加害者が刑法上の詐欺行為を行っていると明確に認められる場合には、警察が刑事事件として立件し、逮捕・勾留・起訴という流れを通じて有罪の判断がされる可能性はあります。
ただし注意点として、警察が詐欺事案を事件として立件するハードルは極めて高いということです。
したがって、何かしら詐欺被害にあったと申告したとしても、加害者の情報が不足していたり、詐欺行為であることを示す資料が不足していたりという場合、警察が動くことはまずありません。
この場合には、弁護士に刑事告訴等の可能性について相談することを検討しましょう。
詐欺業者からお金を取り返せる3つのケース
もし詐欺被害に遭ってしまった場合、被害金の回収は極めて困難です。
もっとも、以下の3ケースに該当するようであれば、被害金を回収できる可能性もゼロではありません(逆に言えば、これらが充足されないケースでは、被害金の回収は絶望的な場合が多いと思われます)。
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屋根修理詐欺に限らず、投資詐欺など他の詐欺被害からお金を取り返す方法については、こちらで詳しく解説しています。
相手の氏名や住所が分からない、被害から時間が経ってしまっているなど、ご自身のケースが上記の条件に当てはまるか不安な方も多いはずです。悪質な訪問販売業者は身元を隠すことに慣れており、個人で相手を特定し資料を集めるのは容易ではありません。初回相談無料やオンライン相談に対応している事務所もあるので、気軽に相談するのがおすすめです。
→今すぐ悪質商法詐欺に強い弁護士に相談する
詐欺被害に遭わないための3つの対策
現在、業者に屋根修理を依頼しようと考えている方は、悪徳業者に騙されないよう注意が必要です。
ここでは、詐欺被害に遭わないための対策を解説します。
最初からはっきり断り家に入れない
悪徳業者は「すぐに修理した方が良いですよ」「とりあえず話だけでも」などと言葉巧みに、あの手この手で迫ってきます。
もし押し負けてしまい、家に入れてしまえば、さらにしつこい勧誘が続くことになるでしょう。
また「今忙しいので」「お金がないので」などと曖昧に返答してしまうと、「では手短に済ませます」「割引しますよ」と切り返されてしまい逆効果です。
詐欺被害に遭わないためにも、はじめから「契約はしません」とはっきり断って、家には入れないようにしましょう。
急かしてきてもすぐに契約しない
なかには「自己負担はゼロなので契約だけでも」「今日中に契約すればキャンペーン対象となりますよ」などと、こちらに考える隙を与えずに、契約を迫ってくるケースもあります。
契約内容や保険の適用範囲などを十分に確認せずに、業者から言われるがまま契約を結んでしまうと、キャンセル時に高額な違約金が請求されたり、保険が適用されずに全額自腹となったりするなど、大きなトラブルに繋がりかねません。
のちのちのトラブルを避けるためにも、業者から契約を急かされても応じないようにしましょう。
同じ事例がないかネットで調べる
「信頼できる業者かどうか」判断する際は、同様の事例がないかネットで調べるのも効果的です。
もし悪徳業者であれば、ネガティブな情報がヒットするでしょう。
安心して修理依頼を済ませるためにも、業者名や担当者名をもとに一度は調査することをおすすめします。
まとめ
現在、業者に屋根修理を依頼しようと考えている方は、今回ご紹介したポイントを踏まえて、詐欺被害に遭わないよう注意しましょう。
また、各市区町村では修理費の給付なども行っていますので、そちらを利用しても良いかもしれません。
なお、もし詐欺被害に遭ってしまったという方は、少しでも多く被害金を回収するためにも、被害発生から速やかに弁護士へ相談するのが適切でしょう。
その際は、『ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)』から探すことをおすすめします。
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