「借家人が家賃を支払ってくれない」「近隣住民とのトラブルが絶えない」などの理由で立ち退きを要求しても、思うように話が進まなかったり、トラブルが複雑化してしまったりすることは珍しくありません。
自力で対応するのが不安な場合は、外部の相談窓口を利用することで、スムーズな解決が望めるでしょう。
ただし相談先はいくつかあり、各窓口によってサポート内容が異なりますので、どこに相談するべきかを状況に応じて判断する必要があります。
この記事では、立ち退き問題について相談できる窓口のほか、相談するタイミングや相談前の準備などを解説します。
立ち退きについて悩んでいる方は参考にしてください。
立ち退きについて相談できる窓口
立ち退きについて相談を受け付けている窓口としては、以下があります。
弁護士|法的手続きで問題解決したい方向け
相手が任意で退去しない場合は、法的手続を利用せざるを得ません。
訴訟手続で建物明渡しについての債務名義を取得した後、強制執行という手順が基本ですが、手続きにあたって和解が成立して任意に退去してもらうこともあります。
弁護士であれば、上記の専門的な手続をすべて一任できます。
なお、弁護士が動いて督促をすれば、相手が任意で退去するケースも珍しくありませんので、場合によっては想定外に早く解決することもあります。
この点は立ち退き事案だけでなく、未払い家賃の事案でも同じことが言えます。
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法テラス|弁護士費用が準備できない方向け
法テラスは街の身近な法律相談窓口で、無料相談を行っています。また、一定の資力要件の下で弁護士費用の立て替え制度も用意されているので、すぐにお金を支払えないような場合でも弁護士に対応を依頼できる場合があります。
東京共同住宅協会|とにかく話を聞いて欲しい方向け
社団法人東京共同住宅協会では、不動産業界の立場から、家賃の滞納者に対してどのようなアプローチをすればいいのか、電話相談を受け付けています。
どちらかというと、不動産運営のノウハウの普及活動をメインに行っている団体ですが、家賃滞納や近隣トラブルなどの相談も可能です。
ちんたい協会|とにかく話を聞いて欲しい方向け
社団法人全国賃貸住宅経営協会では、家主や入居者を対象とした賃貸住宅に関する電話相談を受け付けています。
なお、具体的な債権回収の手続きなどは取り扱っていないため、現状の問題を整理して、今後の対応を検討するきっかけとして利用するとよいでしょう。
家賃滞納を理由に立ち退きを求める場合の相談窓口や解決までの流れについては、こちらで詳しく解説しています。
立ち退きについて弁護士に相談する3つのメリット
立ち退き請求は、自分で行うことも可能です。
しかし、弁護士にサポートしてもらうことで、以下のようなメリットが望めますのでお勧めです。
依頼状況に合った解決方法を提案してくれる
たとえば、家賃滞納者が相手の場合には、家賃の支払いを求める、退去を求める、その両方を求めるなどいくつかの対応があるでしょう。
弁護士に依頼すれば、これまでの経験を活かして最善の対応を提示してくれるはずです。
立ち退きに関する手続きを一任できる
実際のところ、賃料滞納や契約違反などで立ち退きを求める場合、自分で行うには大変な時間と手間がかかります。
法的手続を履践するのであれば、この点は更に顕著です。
弁護士に依頼すれば、弁護士費用はかかるものの、負担のかかる対応や手続を全て一任できます。
貴重な時間を取られることもないので、生活に与える影響が軽減できるのは大きなメリットといえるでしょう。
穏便な問題解決が望める
賃貸人と賃借人で直接話し合いを行おうとしても、相手が納得してくれず感情的になったりして解決が遠のいてしまうこともあります。
弁護士なら、法律的な視点から適切な解決へと導いてくれます。
依頼者である貸主側の主張と借主側の状況を考慮しながら、法律的な視点から的確に対処してくれるため、紛争を最小限に抑えて成果を出してくれるはずです。
立ち退きについて弁護士に相談するタイミングはいつ?
賃料不払いの相手に任意での支払いを求めたり、期間満了や更新拒絶などにより強制退去を要求したりしても拒否されるようであれば、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
任意での対応が望めない場合、ただ放置しても時間だけが過ぎてしまうので、法律知識のある弁護士が介入することで早期解決が期待できます。
もし相談料が心配であれば、まずは法テラス・行政・団体の窓口で無料相談をする、初回相談無料の弁護士を探す、などの方法も検討してみてください。
家賃滞納者への具体的な対処法については、こちらで詳しく解説しています。
立ち退きについて弁護士に相談する際の準備
立ち退きについて弁護士に相談する際は、以下の準備を進めましょう。
立ち退きを求めるまでの経緯を整理しておく
弁護士に相談する際には、こちらの事情をスムーズに弁護士に理解してもらう必要があります。
そのため、どのような経緯で賃貸借契約を締結し、なぜ立ち退きを求めることになったのかを時系列順に整理しておきましょう。
また、いつ頃から家賃を滞納しているのか、以前から滞納・遅延があったのか、どのような迷惑行為があったのかなどの詳細をメモに書き出しておけば、スムーズに相談を進められます。
契約内容などの資料をまとめておく
以上のこととも関連しますが、賃貸借契約書・重要事項説明書などの重要な書類は、相談時に持参できるようにしておきましょう。
仮に弁護士から事前に指示がされていなくても、資料はすべて持参したほうが賢明です。
立ち退きについて弁護士に相談する際の選び方
なるべく有利な形で協議を進めるためにも、弁護士に相談する際は以下のポイントに注意しましょう。
賃貸トラブル・債権回収に注力している
立ち退きの交渉・手続きや滞納家賃の回収などを進めるには、不動産に関する法律知識と実績が欠かせません。
ただし注意点として、弁護士にはそれぞれ注力分野があり、取扱分野によって対応方法にも差が生じます。
法律事務所のホームページにアクセスし、不動産トラブル・賃貸トラブルや債権回収に注力している事務所に相談した方が、実りのあるアドバイスを得られるでしょう。
家賃滞納者への対処方法や賃貸物件にまつわるトラブル解決策のコラム、解決事例などを掲載している事務所もありますので、参考にすると良いでしょう。
費用や支払い方法が明確である
弁護士費用の内訳や支払い方法は複雑です。
特に着手金・報酬金の支払いタイミングや、成功報酬の算定などは難しいため、できる限り費用の内訳が明確で、支払い方法やタイミングが簡単な弁護士に依頼した方が安心でしょう。
せっかくトラブルを解消できても、弁護士との間に料金トラブルが生じていては意味がありません。
相談の際は遠慮なく費用や支払い方法などを質問して、十分に把握したうえで正式に依頼することをおすすめします。
自分と相性が合う
「弁護士選びで特に重視すべきポイントは自分との相性」と言われることもあります。
相談を聞く姿勢や口調から感じとれる人柄、説明の丁寧さなどから、あなたが「安心して任せられる」と感じた弁護士に依頼しましょう。
相性が合っていないと、ちょっとした疑問や不安を相談するにも腰が引けてしまうものです。
あなたが抱える悩みを一緒に解決してくれるパートナーを探すつもりで、相談の際に得た直感やフィーリングを尊重すると良いでしょう。
立ち退きを弁護士に依頼する場合の弁護士費用
弁護士費用は、事務所や依頼状況によってさまざまです。
弁護士に依頼する場合は、事前にどの程度の費用がかかるのか確認しておきましょう。
弁護士費用の主な内訳は以下の通りです。
相談料
相談料は弁護士に相談するときに発生する費用のことで、1時間あたり5,000円から1万円が相場です。
また、弁護士によっては無料相談を受け付けているところもあります。
着手金
着手金は依頼時に支払う費用を指します。
個別の事案に応じて金額は異なりますが、目安として、単純な賃料請求であれば請求額の1割程度、立ち退きまで求める場合はさらに15~20万円程度の費用がかかる場合が多いようです。
報酬金
報酬金は依頼結果に応じて支払う費用を指します。
家賃回収額や立退きの成否などによって金額は異なりますが、一般的には得られた経済的利益の10~20%程度というところが多いようです。
実費・日当
事件処理にあたって、切手代や通信費などの実費や、出張を要する場合の日当なども請求されるのが通常です。
着手金・報酬金・実費など、費用倒れにならないか不安な場合や、そもそも交渉・手続きを任せて手間を減らしたいと考えている場合は、早めに弁護士へ相談しておくと安心です。初回相談無料やオンライン相談に対応している事務所もあるので、気軽に相談するのがおすすめです。
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立ち退きに関するよくある相談
ここでは、「家賃滞納者を抱えて立ち退きさせたいものの、初めてでやり方がわからない」という方が抱えがちな不安点について、質問形式で解説します。
Q1:立ち退きさせるにはどのような手段がありますか?
A.家賃滞納者に対して、滞納家賃について一定期間内に支払うよう書面などで督促しつつ、当該支払がない場合は賃貸借契約を解除し、退去を求めるのが一般的です。
このような方法で相手が任意に支払いに応じたり、退去してくれたりすればよいものの、そうでない場合は、訴訟提起するなどの裁判手続を利用して退去を求めていくことになるでしょう。
Q2:立ち退き料はいくら払うべきですか?
A.相手が家賃を滞納しており、これを理由に賃貸借契約を解除する場合、立退料は基本的に不要です。
もっとも、相手との交渉の中で円満迅速な解決を前提として、一定の解決金を支払うということはあり得るかもしれません。
その場合でも、相手が家賃滞納状態である場合は、滞納家賃を免除する程度がせいぜいであり、これに加えて金銭を支払うことはあまり一般的ではないでしょう。
Q3:立ち退きにあたって「やってはいけないこと」はありますか?
A.マンションやアパートなどのオーナーだからといって、貸主が以下のような行為をすると、民事的・刑事的責任を問われる可能性があるのでやめましょう。
- 許可なく部屋に入る
- 強引に部屋に居座る
- 勝手に鍵を変える
- 無断で家具を運び出す
- 暴力をふるう
まとめ
立ち退きに関する相談窓口としては、弁護士・法テラス・社団法人全国賃貸住宅経営協会・社団法人東京共同住宅協会などがありますが、アドバイスだけでなく立ち退き請求までサポートしてもらいたい方には弁護士がおすすめです。
特に不動産トラブルでは、「任意での対応を求めたが応じてもらえず、裁判手続きを行うことになった」ということも往々にしてあります。
法的手続まで視野に入っているのであれば、法律知識のある弁護士に相談した方がスムーズでしょう。
相談する弁護士を選ぶ際は、注力分野や弁護士費用などの確認のほか、自分と相性が合うかどうかもポイントです。
事務所によっては無料相談可能なところもありますので、まずは一度お気軽にご相談ください。
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