未収金の回収方法!回収不能リスクを防ぐ手順と注意点|ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)
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未収金の回収方法!回収不能リスクを防ぐ手順と注意点

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濵門 俊也 弁護士
監修記事
未収金の回収方法!回収不能リスクを防ぐ手順と注意点

未収金とは、本業以外の取引で生じた未回収の代金を指す勘定科目です。実務上は売掛金を含む未回収債権全般を未収金と呼ぶケースも多く、業種を問わずトラブルが発生します。

放置すると資金繰りへの影響だけでなく、時効によって法的に回収できなくなるリスクも生じます。結論から言うと、未収金は発生後すぐに動き出すことが回収確率を上げるのに効果的です。

この記事では、穏便な催促から法的措置までの回収手順、回収不能時の経理処理、弁護士への依頼のメリットとデメリットまで解説しています。自力対応と専門家への依頼、どちらが適切かの判断基準も紹介しているので、参考にしてください。

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目次

未収金が発生する原因は2つ

未収金が発生する原因は、債務者(支払う側)の事情と、債権者(請求する側)のミスの2つに大別されます。早期解決のためには、どちらに原因があるかを正確に把握した上で対応を選ぶことが大切です。

取引先の資金繰り悪化による未払いなら、支払いスケジュールの交渉が有効です。自社の請求書の送り忘れが原因なら、まず自社の経理フローを見直しましょう。

原因の所在

主なケース

債務者側

資金不足・支払いの失念・意図的な拒否

債権者側

請求書の送付漏れ・宛先ミス・説明不足

1. 債務者側の資金不足や支払いの失念

最も多い原因は、債務者側の資金不足、または単純な支払いの失念です。経営状況の悪化で手元の現金が不足しているケースや、日々の業務に追われて振込を忘れていたケースが実務上よく見られます。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 社用車を売却したものの、買い手からの代金が期日を過ぎても振り込まれない
  • 病院での急な退院時に持ち合わせがなく、その後の支払いが滞った
  • 企業間取引で入金予定日を勘違いし、振り込みをそのまま忘れていた

なお、時効狙いで最初から支払う意思がない債務者も一定数存在します。全体的には少数派ですが、対応を後回しにすると時効が成立するリスクがあり、注意が必要です。

2. 債権者側の請求漏れや宛先ミスが原因

自社の請求書発行漏れや宛先間違いが原因で未収金が生じているケースも少なくありません。経理担当者のヒューマンエラーや社内での情報共有の遅れにより、相手に請求の事実が伝わっていないケースがあります。

実務で発生しやすい具体例は以下のとおりです。

  • 固定資産売却後の代金請求を失念し、未収金が発生していた
  • 取引先や患者が転居したにもかかわらず、旧住所に請求書を送り続けていた
  • 請求書の作成担当者と送付担当者が別々で、送付が漏れていた

債権者側にのみ原因がある場合、相手には支払いの意思があるはずです。自社が動くだけで解決できるケースが多いため、まずは社内確認から着手しましょう。

未収金を回収する手順5つ

未収金の回収は、穏便な方法から始めて段階的に強度を上げていくのが基本です。

いきなり強硬な手段をとると相手が態度を硬化させるリスクがあり、費用や時間もかかります。回収の可能性を最大限に残しながら進めるためにも、費用対効果の高い方法から順に試しましょう。

1. 電話やメールで支払いを催促する

自社の請求ミスがないことを確認したら、まずは電話やメールで相手に連絡を入れます。

単純な支払い忘れや勘違いのケースも多く、丁寧な連絡だけで入金されることも少なくありません。

メールで連絡する場合は、以下のような文面が自然です。

件名:○月分のお支払いについてご確認のお願い

株式会社○○

○○様

 

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□でございます。

さて、○月○日付にてご請求申し上げました○○代金(金額:○○円)につきまして、本日時点でご入金が確認できておりません。

 

行き違いでございましたら誠に恐縮ですが、お手元のご状況をご確認いただけますでしょうか。

 

ご入金済みの場合は、本メールと行き違いとなっていることをお詫び申し上げます。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。何卒よろしくお願いいたします。

 

株式会社△△ □□

TEL:○○○-○○○○-○○○○

MAIL:○○○@○○○.co.jp

電話の場合は「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、会話の内容を必ずメモや音声で記録に残してください。

2. 請求書や書面で催促状を送付する

電話・メールに反応がない、または約束の期日に入金がない場合は、書面による催促状を普通郵便で送ります。書面という形で届くことで、相手に事態の優先度を上げさせる心理的な効果があります。催促状には以下の項目を明記しましょう。

  • 請求金額と本来の支払期日
  • 新たな振込期限(具体的な日付)
  • 振込先口座
  • 期日までにお支払いがない場合は次の措置を検討する旨

催促状自体に法的拘束力はありませんが、あとの法的手続きに備えた経緯の記録として役立ちます。

3. 内容証明郵便で督促状を送付する

催促状を送っても応じない場合は、郵便局を通じて内容証明郵便で督促状を送ります。内容証明郵便は、以下の事項を日本郵便が公的に証明する制度です。

  • いつ送ったか
  • 誰が送ったか
  • 誰に送ったか
  • どんな内容を送ったか
  • 相手が受け取ったか

相手への心理的プレッシャーが格段に強まり、裁判を見据えた証拠としても機能します。

民法150条に規定される「催告」の要件を満たす督促状であれば、送達日から6か月間、時効の完成を猶予する効果もあります。時効が迫っている場合は特に有効な手段です。

なお、弁護士名義で送ると心理的プレッシャーがさらに増し、任意での支払いを引き出せる可能性が高まります。

4. 直接訪問して状況確認・交渉する

内容証明郵便にも反応がない場合、相手先の企業や自宅を直接訪問して状況を確認し、交渉する方法があります。対面で話すことで相手が支払いの優先度を引き上げやすく、相手の営業実態や財産状況(差し押さえ対象となり得る資産)を直接把握できます。

訪問の際は複数人で臨み、担当者や経営者に直接面会していつまでに支払えるかを具体的に確認しましょう。分割払いの提案や念書の作成をその場で求め、約束を書面に残してください。

一方で、以下のような行為は控えるべきです。営業妨害や不退去として通報されるリスクがあり、法的な立場が逆転しかねません。

  • アポなしでの突撃訪問
  • 短期間での過度に頻繁な訪問
  • 長時間にわたる居座り

5. 支払督促や少額訴訟などの法的措置をとる

直接交渉でも解決しない場合は、裁判所を介した法的措置が最終手段となります。裁判所の公的な決定を得ると、相手の財産を強制的に差し押さえる(強制執行)権利を獲得できます。

主な手段は以下の4つです。費用や期間、相手の出方によって適切な手段は異なるため、状況に応じた選択が必要です。

  • 支払督促
  • 少額訴訟
  • 通常訴訟
  • 強制執行

未収金を回収するための法的措置4つ

任意の催促で解決しない場合、裁判所を介した法的措置に移行すると債務名義を取得できます。債務名義とは、強制執行を申し立てるために必要な、裁判所が発行する公的な文書です。

法的措置には費用と時間がかかる反面、相手が支払いを拒否し続けても財産を差し押さえて回収を実現できる強制力があります。状況や債権額に応じて適切な手段を選ぶことが、回収成功への近道です。

支払督促の申立て

支払督促は、裁判所に出向かず書類審査のみで相手に支払いを命じてもらえる迅速な手続きです。通常訴訟と比べて申立手数料が半額で済み、証拠調べや口頭審理も不要なため、低コストかつ短期間で手続きを完了できます。

手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 簡易裁判所に申立書を提出し、審査を受ける
  2. 審査を通過すると、裁判所から相手方に支払督促が送達される
  3. 送達後2週間以内に相手から異議申立てがなければ、仮執行宣言を申し立てる
  4. 裁判所が仮執行宣言付支払督促を発付・送達する
  5. 相手から異議がなければ確定し、強制執行の申立てが可能になる

ただし、相手が異議を申し立てた場合は通常訴訟へ移行します。争いになりそうなケースでは、最初から訴訟を選ぶほうが効率的なこともあります。

民事調停の申立て

民事調停は、裁判官と民間から選ばれた調停委員が間に入り、当事者同士の話し合いで解決を図る手続きです。勝ち負けを決める訴訟とは異なり、双方が妥協点を探る形で進めるため、取引先との関係を完全に断ち切らずに柔軟な解決を目指せます。

相手が支払う意思はあるものの現在資金が不足していると主張しているケースには特に有効です。月ごとの分割払いや支払い期限の延長といった条件で合意に至れば、調停調書が作成されます。

調停調書は確定判決と同じ法的効力を持ち、相手が後から支払いを怠った場合は、強制執行の根拠として使えます。なお、話し合いが折り合わずに調停が不成立に終わる可能性もある点は、事前に頭に入れておくべきです。

訴訟の提起

訴訟(通常訴訟)は、未収金の存在や金額について相手と意見が対立している場合に、証拠に基づき裁判官に判決を下してもらう手続きです。相手が支払いを完全に拒否しているケースや、交渉が決裂した場合に選択する手段として位置づけられます。

裁判所に提出すべき主な証拠は以下のとおりです。

  • 契約書・発注書・納品書
  • 請求書と内容証明郵便の控え
  • メールや通話の記録(支払いに関するやり取り)

勝訴判決を得た場合、強制執行の申立てが可能になります。訴訟は費用と時間がかかるため、弁護士に依頼した上で進めましょう。

強制執行の申立て

強制執行は、勝訴判決や仮執行宣言付き支払督促などの債務名義に基づき、裁判所を通じて相手の財産を強制的に差し押さえる最終手続きです。裁判所の命令が出ても相手が自主的に支払わない場合、法的な強制力によって財産から直接回収する手段となります。

差し押さえの対象となり得る主な財産は以下のとおりです。

  • 相手名義の銀行口座(預金)
  • 相手が持つ取引先への売掛金
  • 相手が所有する不動産

ただし、仮差し押さえの段階では担保金(差し押さえ希望額の約3割程度)の用意が必要なケースもあります。手続きの複雑さを考えると、強制執行に至る場合は弁護士への依頼を検討するのが現実的です。

未収金の回収前に知っておくべき注意点3つ

未収金の回収を進める前に、法律上のルールと回収業務の落とし穴を把握しておく必要があります。知らないまま動くと、回収できるはずだった債権を失ったり、逆に自社が法的リスクを負ったりする事態になりかねません。事前に、必ず確認しておくべき注意点は以下の3つです。

1. 初動が遅れると回収不能リスクが大幅に高まる

支払期日を過ぎても何もしないでいると、相手の支払い意欲が下がり、未収金が回収不能になるリスクが急速に高まります。

時間が経つほど相手の資金繰りはさらに悪化します。催促の強い他社への支払いが優先されていき、気づいたときには手元に資金が残っていない、というケースも珍しくありません。

具体的なリスクとして、以下のような事例が挙げられます。

  • 病院の未収金で退院から数か月放置した結果、患者が転居して連絡が完全につかなくなった
  • 企業間取引で対応を先送りしているうちに、相手が倒産手続きに入った
  • 督促を先延ばしにしている間に相手が時効の完成を主張し、法的に回収できなくなった

支払期日の翌日から行動を始めることが、回収成功の可能性を高めます。

2. 未収金の消滅時効は原則5年で完成する

民法改正により、未収金などの債権は原則として権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年のいずれか早い方で完成します。

未収金や売掛金では、支払期日が到来した時点で双方の起算点がほぼ重なるため、実務上は5年で時効が完成するケースが大半です。

時効が完成した後、相手が援用を主張した時点で支払義務がなくなり、回収の手段が失われます。

ただし、時効が迫っている場合でも、内容証明郵便による催告を送ることで6か月間の完成猶予が認められる場合があります。猶予期間中に裁判上の請求などの法的手続きをとれば時効がリセットされ、回収の機会を取り戻せます。

時効が近づいている場合は、早めに弁護士へ相談してください。

3. 行き過ぎた取り立ては不法行為になる

回収を急ぐあまり強引な訪問や脅迫的な取り立てをおこなうと、逆に自社が損害賠償を請求されたり、警察に介入されたりするリスクがあります。日本の法律では、正当な法的手続きを経ずに実力行使で権利を実現する自力救済が禁じられているからです。

感情的な対応は、自社を不利な立場に追い込むことになりかねません。以下のような行為は、恐喝罪や不法行為に該当するおそれがあります。

  • 深夜・早朝に自宅を訪問してドアを叩き続ける
  • 大声で支払いを迫る・威圧的な言動をとる
  • 職場や近所に未払いの事実を広める

督促の方法で迷った場合は、弁護士に相談した上で適法な範囲内での対応を進めてください。

未収金の回収トラブルが発生した場合の対策

催促を続けても相手が応じない、連絡が途絶えたなど、回収が長期化するトラブルに発展した場合は、早急に対策を講じる必要があります。

対応を先延ばしにするほど時効による債権消滅のリスクが高まり、回収できる可能性が下がります。自力での解決が難しいと感じたら、専門家への相談も含めて対策を検討しましょう。

時効を中断する

未収金回収が長期化しそうな場合は、消滅時効の進行をリセット(時効の更新)または一時停止(時効の完成猶予)させる措置を早急に取ってください。時効が完成すると、相手に支払能力があっても法的に回収する権利が完全に失われます。

口頭での催促を重ねるだけでは時効は止まらないため、法的に有効な手段をとる必要があります。時効を止める方法は、主に以下の3つです。

1. 請求

訴訟の提起や支払督促の申立てなど、裁判上の手続きによる請求をおこなうと時効をリセットできます。内容証明郵便による催告でも時効の完成を6か月間猶予させる効果はありますが、時効期間そのものをリセットするには至りません。

例えば、時効完成の数か月前に裁判所へ未収金返還を求める訴状を提出すれば時効の進行がストップします。勝訴判決が確定すれば、時効はそこから10年に延長されます。

2. 強制執行等・仮差し押さえなど

裁判所を通じて強制執行や仮差し押さえ・仮処分をおこなった場合も、時効期間をリセットする効果があります。公的な手続きを通じて権利行使の事実が明確になり、法律上、時効の更新事由として認められているためです。

例えば、訴訟の前に相手が財産を隠すことを防ぐ目的で銀行口座の仮差し押さえを申し立てて実行された場合、その時点で時効期間はゼロに戻ります。申立てを取り下げた場合は更新の効果が生じず、6か月間の完成猶予にとどまる点には注意が必要です。

3. 債務の承認

相手に未収金の存在と支払義務を認めさせる(債務の承認)ことでも、時効はリセットさせられます。債務者自身が義務を認めた場合、時効によって保護する必要性がなくなると法律上みなされるためです。

裁判所を介さずに進められるため、3つの中では比較的取り組みやすい手段といえます。具体的には、以下のような方法があります。

  • 未収金の一部(少額でも)を振り込ませる
  • 支払いの猶予を求める念書を取得する
  • 債務承認弁済契約書に署名・捺印させる

債権回収のプロに相談をする

自力での解決が困難なトラブルに発展した場合は、債権回収代行業者や弁護士などのプロへ早期に相談することをおすすめします。専門家であれば適切な法的手続きを迅速に進められ、不法行為リスクを避けながら回収の可能性を高めてくれます。

担当者が督促業務から解放され、本業に集中できるのも大きなメリットです。適切な相談先は状況によって以下のように異なります。

状況

おすすめの相談先

少額・大量の債権が発生している

債権回収会社(国が認可したサービサー)

高額な未収金・交渉が難航している

弁護士(裁判まで一貫対応)

140万円以下の回収・簡易裁判所での代理

認定司法書士、弁護士

弁護士に依頼した場合、内容証明郵便の送付から支払督促・訴訟・強制執行まで一括して任せられます。着手金の相場は交渉のみで最低5万円程度、裁判所を使う手続きでは10万円程度が目安です。

回収が成功した場合は、さらに回収額の約20〜30%が成功報酬として別途発生するのが一般的です。

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未収金の回収を弁護士に依頼するメリット3つ

自力での回収が難航している場合、弁護士への依頼がおすすめです。費用が発生する反面、弁護士が介入することで回収の可能性が高まるだけでなく、担当者の負担を大幅に減らせます。具体的なメリットを把握した上で依頼を検討してみてください。

1. 担当者の精神的ストレスを軽減できる

弁護士が自社の窓口となって相手と交渉するため、担当者は督促業務とそれに伴う精神的な負担から解放されます。未収金の督促は、電話がつながらない焦りや、相手からの言い訳・理不尽な対応に耐え続ける必要があり、担当者にとって消耗度の高い業務です。

弁護士に依頼した時点から、相手への連絡やクレーム対応は全て法律事務所が引き受けてくれます。担当者は督促業務から切り離され、本来の業務に集中できます。

2. 回収率を高められる

弁護士が介入すると、自力での督促と比べて回収率が大幅に高まります。自社名義の督促状ではどうせ本気では動かないだろうと軽く見ていた相手も、弁護士が介入した事実により本気度と法的な強制力を実感します。

長期にわたって無視されていた督促が、弁護士名の通知一本で動き出すことも珍しくありません。

交渉が決裂した場合でも、支払督促・訴訟・強制執行まで一貫して対応できるため、回収できる可能性が各段階で高まります。

3. 回収までの期間を短縮できる

弁護士に依頼することで、自力で督促し続けるよりも短期間で回収を完了できる可能性が高くなります。弁護士名義の通知が相手に強い心理的圧力を与え、任意での早期解決につながりやすいからです。

また、交渉が決裂した場合も、迅速に法的手続きへ移行できます。支払督促から強制執行まで、弁護士が一貫して手続きを進めるため、自力対応と比べて各ステップにかかる時間を大幅に短縮できます。

未収金の回収を弁護士に依頼するデメリット2つ

弁護士への依頼にはメリットがある一方で、費用面でのデメリットも存在します。依頼前に費用のリスクを正確に把握しておくことで、依頼すべきかどうかを適切に判断できます。

1. 着手金や報酬金などの弁護士費用が発生する

弁護士に依頼すると、依頼時に支払う着手金と、回収額に応じた成功報酬が必ず発生します。一般的な費用の目安は以下のとおりです。

費用の種類

相場

着手金(交渉のみ)

5万円程度〜

着手金(裁判手続きあり)

10万円程度〜

成功報酬

回収額の約20〜30%

実費(印紙代・切手代など)

案件による

回収が成功した場合でも、手元に入る金額は回収額から成功報酬と実費を差し引いた金額になります。満額が自社に入るわけではない点は、依頼前に把握しておきましょう。

2. 回収額が少ない場合は費用倒れになるリスクがある

未収金が数万円〜十数万円と少額な場合、弁護士費用が回収額を上回って赤字になるおそれがあります。

多くの事務所では最低着手金が設定されており、少額の未収金を個別に依頼すると費用倒れになりやすいのが実情です。

例えば、3万円の未収金回収のために10万円の着手金を支払えば、7万円の赤字です。費用倒れを防ぐためには、以下のような方法を検討してください。

  • 複数の未収金をまとめて依頼し、一件あたりの費用を抑える
  • 着手金無料(完全成功報酬型)の事務所を選ぶ
  • 60万円以下の少額案件は少額訴訟を自社で申し立てる

少額訴訟とは、60万円以下の少額案件を解決できる簡易な訴訟手続きです。手続きもシンプルで、法律の専門知識がなくても自社で申し立てられます。弁護士費用が発生しない分、費用倒れになりにくいです。

費用対効果の見極めが難しい場合は、初回無料相談で弁護士に試算を依頼するのがおすすめです。

未収金の回収に関する相談は「ベンナビ債権回収」

未収金回収に強い弁護士を探すなら、ベンナビ債権回収の利用がおすすめです。弁護士には得意分野があるため、債権回収に精通した専門家を自力で探すには手間がかかります。

交渉力や強制執行の知識を持つ弁護士を効率よく見つけるには、債権回収に特化した検索サービスを活用するのが確実です。

ベンナビ債権回収では、地域・相談内容・対応可否などの条件で弁護士を絞り込めます。売掛金や請負代金、家賃滞納など相談内容別に専門家を探せるため、自社の状況に合った弁護士を効率よく見つけられます。

また、無料相談や休日対応が可能な事務所も探しやすいのが特徴です。未収金の回収でお困りの場合は、まずベンナビ債権回収で相談先を探してみてください。

弁護士に未収金回収を依頼して解決した事例2つ

未収金の回収は、弁護士の介入により状況が動き出すケースが少なくありません。相手が支払い自体を否定していた案件や、未回収額が数千万円に膨らんだ案件でも、適切な手段を選択して回収に至った事例を紹介します。

解決事例1:業務委託費の未払いを交渉と裁判で約8割回収した事例

不動産会社との業務委託契約解約をきっかけに、委託費290万円が支払われない状態になった個人事業主からの相談です。

弁護士が介入して交渉を進めましたが、相手方は業務委託費の発生自体を否定し、任意での解決が困難な状況でした。交渉を打ちきって裁判へ移行した結果、依頼者の主張が認められる内容で裁判上の和解が成立し、240万円の回収に成功しました。

相手が支払いを完全に否定しているケースでも、裁判という手段を活用することで回収できた事例です。

解決事例2:システム開発の委託報酬を分割で全額回収した事例

システム開発を請け負う企業からの相談です。発注者からの月次入金がないまま開発を続けた結果、未回収の業務委託料が3,500万円まで積み上がっていました。

弁護士が調査したところ、発注者がメインバンクに金融支援を求めている最中であることが判明。法的手続きを強行すると支援の妨げになるリスクがあったため、相手の資金繰り表をもとに返済計画の協議を重ねました。

最終的に元金と利息を3年程度かけて完済する弁済計画で合意し、3,500万円の全額回収を実現しています。強制執行を選ばず、相手の財務実態を踏まえた柔軟な交渉をとったことが、全額回収につながった事例です。

未収金の回収に関するよくある質問

未収金回収に関して、実務でよく出てくる疑問をQ&A形式で解説します。勘定科目の整理から回収不能になった際の経理処理まで、本文で触れきれなかった疑問をまとめました。

未収金と売掛金の違いは何ですか?

未収金と売掛金の違いは、主たる営業活動から生じた債権かどうかという点です。

商品販売やサービス提供など、事業の本来の目的から生じた未回収代金は売掛金、固定資産の売却など営業外の取引で生じた代金は未収金として区別するのが原則です。

項目

売掛金

未収金

発生源

主たる営業活動(商品・サービス提供)

営業外の取引(固定資産売却など)

商品販売の代金未回収

社用車・備品売却の代金未回収

自分で未収金を回収する方法はありますか?

自力で対応できる主な手段は以下のとおりです。

  • 電話・メールでの催促
  • 内容証明郵便の送付
  • 支払督促の申立て
  • 少額訴訟の提起

いずれも制度上は本人がおこなうことができ、日本の法律では弁護士を立てずに当事者本人が法的手続きをおこなう本人訴訟が認められています。

ただし、相手から異議が出た場合の反論や強制執行の手続きは複雑で、対応を誤ると回収機会を失うリスクもあります。金額が大きい場合や相手が拒否している場合は、弁護士への相談はおすすめです。

未収金が回収不能になった場合の対策はありますか?

完全に回収不能となった場合、まずは未収金の放棄を検討します。内容証明郵便などで放棄する旨を書面に残すことで、貸倒損失として損金算入が可能になります。

本当に放棄しても構わない未収金かどうかを慎重に判断した上で、税理士などの専門家に確認しながら期末までに処理しましょう。

未収金の回収不能により事業への影響が深刻な場合は、公的融資の活用も検討してください。日本政策金融公庫が提供する取引企業倒産対応融資は、取引先の倒産による影響を受けた事業者向けの制度です。詳細は日本政策金融公庫の公式サイトで確認してください。

未収金が回収不能になった場合の仕訳はどうなりますか?

回収不能になった未収金は、雑損失または貸倒損失として処理します。

ケース

借方

貸方

回収不能が確定した場合

雑損失(または貸倒損失)

未収金

貸倒損失として損金算入するためには、法的手続き(破産・免責など)により弁済が受けられないことや、支払期日から相当期間(通常1年以上)経過し回収不能が明らかであることなどの条件を満たす必要があります。

処理の際は、請求書・督促状・返答記録などの証拠書類を整理しておくことが重要です。個別の会計処理については、自社の経理ルールや税理士の指示に沿って進めてください。

まとめ

未収金の回収は、原因の特定から始め、電話・書面・法的措置と段階的に対応を進めることが基本です。放置するほど回収できる可能性は下がり、5年で消滅時効が完成するリスクもあります。

自力での対応が難しい場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士が介入するだけで相手の態度が変わるケースも多く、回収率・回収スピードの両面で大きな効果が期待できます。

未収金の回収でお困りの場合は、債権回収に強い弁護士を検索できるベンナビ債権回収への相談を検討してみてください。

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この記事の監修者
東京新生法律事務所
濵門 俊也 (東京弁護士会)
常に依頼者様のお話に耳を傾け、お気持ちに寄り添うよう心がけています。ただの法律相談ではなく、カウンセリングのような面談をするようにしております。法律に関係のないことでもお気軽にお話ください。

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編集部

本記事はベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債権回収(旧:債権回収弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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