結婚詐欺とは、結婚するつもりがないのに、結婚する意思があるかのように思い込ませ、相手からお金をだまし取る詐欺行為のことです。
結婚式場を見に行ったり、親に挨拶したりして、あたかも本当に結婚するつもりがあるかのように見せかけたうえで、「親が事故に遭い、多額の治療費が必要になった」「事業に失敗してしまった」などと嘘をつき、お金を貸すよう頼んできます。
しかし、ある日突然連絡が取れなくなり、貸したお金も返ってきません。
このような詐欺被害に遭った場合、弁護士に依頼すれば、相手の身元を特定し、被害金を取り戻せる可能性があります。
被害に遭ったと気づいたら、できる限り早く弁護士に相談しましょう。
本記事では、弁護士に相談できる窓口を紹介するほか、相談や依頼する際のポイント、費用などについて解説します。
結婚詐欺の被害に遭い、弁護士への相談を考えている方はぜひ参考にしてください。
結婚詐欺について弁護士に相談できる窓口4選
結婚詐欺被害について相談したくても「どうやって弁護士を探せばよいのかわからない」という方もいるでしょう。
ここでは、結婚詐欺について弁護士に相談できる窓口を4つ紹介します。
1.ベンナビ債権回収|詐欺事件に詳しい弁護士を探せる
「ベンナビ債権回収」は、債権回収事件の解決実績を豊富に備えた弁護士ばかりが掲載されたポータルサイトです。
売掛金や立替金、残業代など、債権の種類ごとに精通した弁護士を絞り込めるので、詐欺被害金の回収事件に詳しい弁護士も探しやすいでしょう。
さらに、地域でも絞り込めるため、自宅や職場から通いやすいところにある法律事務所を見つけやすい点も魅力です。
初回無料で相談に応じてくれる弁護士も多いため、気軽に利用するとよいでしょう。
2.法テラス|経済的に苦しい場合に3回まで無料で相談できる
「弁護士に相談や依頼をしたくても費用を用意できない」という方は、法テラスを利用するとよいでしょう。
法テラスでは、経済的に苦しい方向けに民事法律扶助制度を実施しています。
無料で弁護士に相談ができたり、弁護士費用を立て替えてもらえたりするので、お金がなくても利用することができます。
ただし、法テラスの定める資力基準を満たす必要があり、誰でもこの制度を利用できるわけではありません。
具体的な内容については、下記公式サイトを確認するか、近くの法テラスに電話をして、直接問い合わせるとよいでしょう。
3.法律相談センター|自宅や勤務先の近くで弁護士に相談できる
各地の弁護士会では、法律相談センターを設置しており、誰でも弁護士に相談できます。
都道府県内に複数箇所あり、訪れやすいところを選べて便利です。
相談料は基本的に30分5,500円程度と有料ですが、相談内容によっては無料の場合もあります。
ただし、利用には電話かネットによる予約が必要です。
電話の場合は、センターごとに受け付けています。
下記サイトで最寄りのセンターを見つけて問い合わせましょう。
4.自治体の法律相談会|地域住民を対象に無料相談をおこなっている
各自治体では、役所などで弁護士による法律相談会を実施しています。
相談料は無料のため、気軽に利用するとよいでしょう。
ただし、実施頻度は月に1回程度と少ないため、相談したいときにいつでも利用できるわけではありません。
さらに予約が必要な場合が多く、あっという間に予約枠が埋まってしまう地域もあるため、なかなか利用できないこともあるでしょう。
結婚詐欺を弁護士に相談・依頼する5つのメリット
結婚詐欺の被害に遭い、被害回復や加害者の逮捕を望むなら、弁護士に相談や依頼をしましょう。
以下のようなメリットが期待できます。
1.結婚詐欺にあたるか判断してもらえる
「貸したお金を返してもらえない」というだけでは、詐欺に該当するとは限りません。
結婚詐欺と認定されるには、詐欺罪の成立要件を満たさねばならないからです。
弁護士に相談すれば、法律に照らして、客観的に詐欺罪が成立するか判断してもらえるでしょう。
特にまだ疑いの段階であるなら、早めに弁護士に相談をして詐欺に当たるか確認することをおすすめします。
本当に結婚詐欺であった場合、相手が気づかないうちに対策を講じれば、貸したお金を取り返したり、犯人逮捕につなげられたりする可能性が高まるからです。
2.弁護士会照会で相手の身元を調査してもらえる
相手の電話番号やSNSのIDしかわからないような状況でも、弁護士に依頼すれば相手の身元が判明する可能性があります。
弁護士会の照会制度を利用すれば、携帯番号から相手の住所や氏名がわかりますし、LINEのIDから相手の携帯番号を調べられます。
住所や氏名がわかっている場合は、住民票や戸籍謄本の取得ができ、内容証明の送付や訴訟提起、刑事告訴などの法的手続きも視野に入れられるようになるでしょう。
相手の素性がわからないために、泣き寝入りをせざるを得ないことはなくなります。
3.だまし取られた金銭の返還を請求してもらえる
弁護士に依頼をすれば、ご自身に代わって、相手方に被害金の返却を請求してもらえます。
弁護士は法律の専門家であると同時に、交渉のプロです。
当事者同士では不誠実な対応をする相手でも、弁護士が相手では逃げられません。
返金に応じさせ、被害回復ができる見込みが高くなるでしょう。
また、相手が返金を承諾した場合には、その事実を証明するための合意書の作成もしてもらえます。
合意内容が履行されなければ、合意書をもとに、直ちに法的手段を講じてくれるはずです。
だまし取られたお金を取り返せる可能性が高まるでしょう。
結婚詐欺と同様、投資話を持ちかけてお金をだまし取る投資詐欺も後を絶ちません。だまし取られたお金を取り返す具体的な方法や、投資詐欺の手口・予防策については、こちらで詳しく解説しています。
4.刑事告訴に関するサポートをしてもらえる
「被害金を取り返すだけでは気持ちが収まらない」「相手が処罰されなければ、納得できない」などという場合は、刑事告訴を検討します。
しかし、警察に捜査義務が発生するため、なかなか受理してもらえるものではありません。
告訴状を適切に作成し、十分な証拠書類を提出する必要があるでしょう。
そのため、専門知識のある弁護士に依頼するのが望ましいところです。
5.慰謝料請求のサポートをしてもらえる
詐欺罪が成立しなくても、結婚の約束を反故にされた場合は、婚約不履行を理由に慰謝料を請求できる可能性があります。
その場合も、婚約の事実があったこと、婚約破棄の理由に正当性がないことなどを立証する必要があるため、法律知識が必要です。
弁護士に依頼すれば、慰謝料請求の要件を満たすかを判断のうえ、適切にサポートしてもらえます。
また、貸したお金については不当利得として返還請求ができます。
詐欺罪が成立しなくても請求できますが、要件を満たすことを立証する必要があるため、弁護士のサポートが不可欠です。
結婚詐欺を弁護士に相談・依頼する際の3つのポイント
弁護士に相談や依頼をして、詐欺被害を最小限にとどめ、できる限り多くの被害金を取り返すには、以下のことを実践するのが効果的です。
1.「怪しいな」と感じたらすぐに相談する
弁護士への相談は、「結婚詐欺かも」と、疑わしく思った時点で速やかにおこないましょう。
こちらが疑っていることを相手が気づかないうちであれば、逃げられる可能性が低いからです。
弁護士が詐欺である可能性が高いと判断すれば、早めに対策を講じられます。
すでに相手にお金を渡してしまった場合でも、返金に応じさせられることもあるでしょう。
また、すでに相手と連絡が取れなくなってしまっても、詐欺被害に気づいた時点で弁護士に相談してください。
早期であるほど、加害者の素性や居所を突き止められ、被害回復や加害者を逮捕できる可能性が高まります。
2.振込証などの証拠をできる限り集めておく
だまし取られたお金の返還を求めて訴訟を起こすにも、刑事告訴をするにも、証拠書類は非常に重要です。
警察や検察庁、裁判所などの司法機関は、立証できる事実に基づいてあらゆる判断を下します。
有効な証拠がなければ、刑事告訴を受理してもらえませんし、訴訟を起こしても請求は認められません。
弁護士に相談する際には、以下のような資料をできる限り収集しておきましょう。
- 振込証や借用書など相手にお金を渡した事実がわかるもの
- 結婚式場や新婚旅行の申込書、婚約指輪など婚約していた事実がわかるもの
- 相手とのメールやSNSのメッセージ、会話の録音データなどだまされた事実がわかるもの
もし、これらの証拠が手元にない場合も弁護士に相談してください。
ほかにも証拠として有効なものがあったり、新たに取得してもらえたりする可能性があります。
3.詐欺問題に詳しい弁護士を選ぶようにする
相談前には、できれば取り扱い実績を確認し、詐欺問題に詳しい弁護士を選ぶほうがよいでしょう。
詐欺問題に精通した弁護士なら、過去の成功事例に基づいて戦略を立て、進めてもらえるため被害回復がかないやすいからです。
取り扱い実績はホームページに掲載されているほか、ポータルサイトでは「主な業務分野」などとして記載されています。
調べてもわからない場合は、相談時に弁護士に直接確認するとよいでしょう。
結婚詐欺を弁護士に依頼する場合の費用相場
弁護士への相談や依頼を検討するにあたり、最も気になるのは費用のことでしょう。
ここでは、弁護士費用の相場を内訳ごとに紹介します。
結婚詐欺に限らず、債権回収全般における弁護士費用の考え方や依頼するメリットについては、こちらで詳しく解説しています。
相談料|30分あたり5,000円程度
弁護士に事件の解決を委任せず、相談だけをする場合は、相談料がかかります。
その相場は30分につき5,000円程度というところですが、初回に限り無料としているところも多いでしょう。
無料相談は、依頼前に、弁護士を比較、検討するのに利用するのもおすすめです。
着手金|請求金額の2~8%程度
着手金とは、弁護士に依頼をした際に請求されるお金で、ファイトマネーのようなものです。
そのため、結果がどうなろうと返金はされません。
その額は、相手への請求額の2〜8%程度である場合が多いでしょう。
報酬金|回収金額の4~16%程度
成功報酬のことで、被害金を回収できた場合にのみ発生します。
解決後に請求され、その額は、回収金額の4〜16%程度でしょう。
被害金を回収できなければ請求されません。
実費・日当|事案によって異なる
実費とは、事件解決のために実際にかかった費用のことです。
郵送費や弁護士の交通費などが含まれ、その金額は事案によって異なります。
また、日当とは、弁護士が事務所以外で弁護活動をおこなう際にかかる手当のことです。
2万円〜5万円程度が相場ですが、事務所によっては遠方に出張しない限り請求しないところもあります。
相談時に確認しておくとよいでしょう。
弁護士費用の相場はご紹介した通りですが、「今は手元にお金がなく、着手金を用意できるか不安」「回収できなければ費用倒れになるのでは」と感じる方も少なくありません。初回相談無料やオンライン相談に対応している事務所もあるので、気軽に相談するのがおすすめです。
→今すぐ結婚詐欺に強い弁護士に相談する
結婚詐欺に関するよくある質問
ここまで結婚詐欺被害について弁護士に相談や依頼する場合に知っておきたいことについて紹介してきましたが、まだ疑問点が残るという方もいるかもしれません。
ここでは、そのような方に向けて、よくある質問とその回答を紹介します。
Q.どのような場合に結婚詐欺が成立するのか?
詐欺罪が成立するためには、以下の4つの要件全てを満たす必要があります。
|
要件 |
概要 |
結婚詐欺の場合の例 |
|
欺もう行為 |
最初からだますつもりがあったこと。相手が知っていれば、金品を渡さなかったといえるほど重要な内容の嘘をつくこと |
・結婚する意思がないのに、結婚しようという ・「返すつもりがないのに、お金を貸してほしい」と言う |
|
錯誤 |
相手がだまされたこと |
・相手に結婚する意思があると信じる ・相手にお金を渡せば結婚できると信じる |
|
交付行為 |
金品を渡すこと |
・お金を手渡す ・銀行口座へ振り込む |
|
因果関係 |
だまされたために金品を渡したという事実 |
・相手に結婚する意思があり、結婚するにはお金が必要と信じたために、お金を渡した |
このうち、特に欺もう行為は、相手の内面についてのことであるため、立証が難しいケースものです。
そのため、結婚詐欺によって罪に問える場合というのは、実際のところあまり多くはありません。
SNSやマッチングアプリで知り合った相手から交際を装って金銭をだまし取られる「ロマンス詐欺」も、結婚詐欺と手口が似ています。ロマンス詐欺を弁護士に相談する際の注意点については、こちらで詳しく解説しています。
Q.結婚詐欺の相談をしたら周囲に知られるか?
弁護士には守秘義務があるため、相談内容を周囲に知られる心配はありません。
しかし、刑事告訴をしたり、訴訟提起をしたりする場合は完全に秘密裏にはおこなえないでしょう。
刑事訴訟となれば、傍聴人の前で証言をしなければならないかもしれませんし、民事訴訟は、誰でも自由に傍聴できるからです。
結婚詐欺事件は新聞やテレビなどで大きく報道されることは少なく、不特定多数の人に注目される話でもありませんが、法的手段を講じれば、どうしても情報の公開は避けられません。
しかし、加害者の中には、結婚詐欺で生計を立てている人もいます。
周囲に知られるのは恥ずかしいという気持ちもわかりますが、さらなる被害を生まないためにも、また、相手を罰して自身の傷を少しでも癒すためにも、勇気を出して何らかの行動を起こすのが望ましいところです。
さいごに|結婚詐欺を疑ったら早めに弁護士に相談を!
交際相手のことを「結婚詐欺師では?」と少しでも疑わしく思ったら、速やかに弁護士に相談してください。
早ければ早いほど、相手を特定できたり、被害金を取り戻せたりする可能性が高まります。
「詐欺に遭ったなんて屈辱的なことを他人に話したくない」という気持ちもわかりますが、相手に「逃げ得」をさせないためにも、そしてこれ以上被害者を生まないためにも、勇気を出しましょう。
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