弁護士 氏家 大輔（弁護士法人DREAM）

経済的な合理性を重視した上で、柔軟に解決策をご提案させて頂きます

債権に関する案件で大事なのは、「経済的な合理性」を考えて解決を図っていくことです。

極端な例ですが、例えば100万円の売掛金を回収するのに、裁判費用や弁護士費用が100万円以上かかってしまっては、費用倒れになり本末転倒になります。

なので、場合によっては金額や条件面で相手側に譲歩しても早期に和解した方が良い場合もあります。

他方、問題となっている金額が大きかったり、相手側が一切話合いに応じない状況であれば、無理に話合いで解決しようとすると、時間が無駄にかかったり、法外な譲歩を強いられる場合もあります。

そうした場合は、むしろ裁判手続きを積極的に活用し、最終的には「判決」や「強制執行」という強制的手段をとった方が良い場合もあります。

このように、債権に関する案件においては、こうした経済的な合理性を常に意識することが大事と考えます。

解決事例

依頼者の状況

約7000万円の不動産の売買契約に関する事案で、売主(会社)がご依頼者様。

売買契約の締結を済ませ、手付金500万円も買主から支払ってもらい、あとは決済を待つばかりとなったが、決済の直前に急に相手方買主が「やはり止めた。手付金を放棄して契約を解除したい」と申し出た。

依頼者売主は「決済直前に言われても困る。きちんと残代金を支払ってほしい」とお願いしたが、聞き入れられず残代金は支払われなかった。

売主としては、買主の代金不払いを理由に契約を解除した上で違約金（1500万円から受領済みの手付金を引いた1000万円）を請求したいと考えている。

解決に至るまでのアプローチ方法

手付金を放棄した上での解除は、民法上「相手方が履行に着手するまで」しか認められていないので、買主は解除は出来ず、きちんと代金を支払う義務があるので、明確に買主の債務不履行であり、売主から違約金が請求できる事案であった。

ただ、それまでの状況から、買主が任意に違約金を支払う可能性は薄いと思われたことから、速やかに訴訟を提起した。

しかし、訴訟の中でも買主は「手付について売り主からろくに説明をうけていないから、説明義務違反だ」と主張し、徹底抗戦の構えであった。

そこで契約に関する資料の中から「重要事項説明書」を取り出し、そこに手付解除に関する説明がきちんと書かれていること、重要事項説明書に買主の署名押印があったことを提示した。

結果

結果、当方の主張が全面的に認められた完全勝訴で、違約金1000万円全額を勝ち取ることが出来た。

地方裁判所での判決だったので買主側が控訴することも予想されたが、買主側は控訴を断念し、その後間を置かずに違約金を支払ってきた。

※当事者のプライバシーや守秘義務の関係から一部事実関係を変えております

法律のプロの観点から債権回収実現の可能性が高い解決方法をご提案いたします

ご相談者様の話を親身勝つ丁寧に聞くのは他の案件と同じですが、話を聞きつつ、「どのような法律が適用されるか」「それによって債権を回収できるか」といった観点で考えていくことが大事です。

離婚や相続であれば、適用される法律はある程度決まっているので法的な判断はそれほど難しくないのですが、債権関係の案件では、事案によっては、民法や商法だけではなく、他の法律が問題になる場合もあります。

例えば、消費者契約法、特定商取引法、宅建業法、破産法、民事保全法、等々、枚挙にいとまがありません。

従って、ご相談者の話から速やかに「どの法律が問題になるか」を判断し、「その法律に照らしてご相談者様の要望が通るかどうか」も判断することが必要になります。

そうした「回収見込みの可能性」や金額の大小、ご相談者様の経済的状況などから、もっとも合理的な解決方法を検討し、提示することを心がけています。

債権回収に関する実現可能でかつ費用倒れしない解決策をご希望の場合は、是非私にご相談ください。